久し振りに「山の会」の山行ハイキングで東伊豆 三筋山に出かけてきた。
早朝に家を出てJRにて伊豆河津へと向かうが、日の出前の西の空に大きな満月が赤く輝いていた。
9時過ぎに河津駅に到着し、予約してあったタクシーに分乗して八丁池口へと向かう。
河津桜は、まだ数本が開花した程度だそうで、見頃までは2週間位かかるだろうと運転手の話だったが、まもなく全国から訪れる桜ファンで大賑わいとなるようだ。
八丁池口へのアクセス道路は、途中から車侵入禁止となっており、ゲートには鍵が掛かっていた。
『えっ~ダメなんですか?』と、驚いていたら、許可を受けているタクシーは、鍵を持っていて開錠して通過できるそうで、予約が必須であることに納得した。
約20分で八丁池口に到着して、案内板によると、昭和天皇が行幸されたことがあり、天皇在位50年を記念に、「昭和の森」として、天城峠周辺が整備されたそうである。
取り付けからブナの原生林やアセビ林の中の遊歩道を約30分で、八丁池との分岐点へ。
分岐点を三筋山方面にゆっくりと登るが、ブナ?の巨木などが「寄ってきなよ」と迎えてくれた。
さすがに、このシーズンは、他のハイカーの姿は見えないようで、気分良くマイペースで進む。
さらに30分で、ピーク(1127M)に到着したが、雲が厚く期待した伊豆半島の展望は望めなかった。
ブナやアセビの木が目立つ中で、まもなく『ヒメシャラ』の群生林が多くなってきた。
ヒメシャラについては、全く知識がなかったが、一見百日紅のようなツルツルの肌であるが、その色は赤褐色で独特の樹皮である。
途中、鹿の姿が見つけたが、すぐに見失い、遊歩道には多くの足跡が見られ かなり出没しているようだ。
まもなく上佐ケ野林道の休憩所に出てから、さらに30分で360度の大パノラマの展望が望める展望所に到着した。
展望所では、快晴の青空ではないが、太平洋の遠くは大島も望め天城連峰の山々が一望でき、正に360度の大パノラマである。
目の前には、黄金色の三筋山や天城山(万二郎・万三郎山)の草原の頂が美しい。
仲間が徹夜で準備されたという「手づくりおでん鍋」を温めて、ご馳走をいただき冷えた体の芯まで温まっていた。
約1時間の昼食後、三筋山山頂へ向かうが、枯れた草原のつづら折りの道を登り、約50分で山頂へ・・・
山頂での展望は、かすかながら伊豆諸島の島々が見え、天城ハイランドや風車群が眼下に拡がっていて、快晴の青空での蒼い海であったらと、連想していた。
何故か古い名曲湯の町エレジーの『伊豆の山や~ま 月淡く 灯りにむせぶ 湯の煙・・』を口ずさんでいた。
風強く寒さを感じながら、早々に大池高原へと下っていくが、遊歩道には厚い枯葉の絨毯が敷き詰められていて、脚には柔らかい感触が伝わっていた。
途中は、鹿の侵入を防ぐためか、両側に金網が張られていたが、何と金網に引っかかっていた鹿の屍骸が見えて何とも悲しい光景だった。
歩道には、様々の樹木や花木が見えるが、蕾を付けているものもあり、会のリーダーの「植物博士」に、「この木何の木 気になる樹・・」と質問が飛び交っていた。
花も葉も落ちている姿で特定するのは難しいが、幹には無数に大きな刺が出来ており、植物博士は『飯桐』ではないだろうか?と聞いたが、こんな珍しい樹木や花を見て、春の若葉シーズンには、魅力多いコースである。
早速、博士から帰宅後に調べて、この奇妙な幹の樹は、『カラスザンショウ』だったと、教えてもらったが、植物博士の学識は凄いと改めて感心させられた。
ゴール地点の今井浜フライングスクールには、風強くハングライダーの空中散歩の姿は見れなかったが、ハングライドのメッカだそうである。
ここからも予約タクシーを呼んで、今井浜海岸まで降りて久し振りのゆるいハイキングを終えた。