「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「才能を見つける・・・」

2011年05月28日 | つれづれ噺

気さくな奥さんが、ご自分の子育て経験を淡々と皆さんに話しかけている・・・。
そんな風な、嫌味も凄味もない、肩の凝らない講演で、聞き応えがあった。
辻井いつ子さんによる「わが子の才能をいかに引き出し、伸ばすか」という講演会。

第一子、男の子誕生という幸せの絶頂を味わった夫婦に訪れた信じられない現実。
授かった長男は、生まれながらにして全盲というハンディキャップを背負わされていた。
母親人生最高の喜びから、一気に突き落とされた失意のどん底。そこから、辻井夫婦と子供の生活が始まる。一から十まで寄り添い、生きる手助けの毎日。

そんな中でふと気付いた子供の仕草。興味ある物に対する反応。
この微妙な変化を見逃さなかった母親の、何気ない思いやりと眼力がこの母子の成功への引き金となっていく。

2009年、アメリカのヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールにおいて、日本人初の優勝を果たしたかの有名な「辻井伸行ピアニスト」の誕生である。
そのかたわらに寄り添う、世界のピアニストのお母さんという栄誉を掴むことになった。

言葉にならない苦労の数々があっただろうと思うのに、そんな暗い過去をあまり感じさせないのは、単なるお人柄だけなのだろうか。
「ダメで元々、やれることはすべてやってみよう」という旺盛な好奇心。子供が何かをやったら褒めて褒めて褒めあげる。そして多くの人との出会いとご縁を大切にする。

我々健常な大人にさえ欠けている処世訓を教わる気持ちで聞いた。
子供の才能なんて、大人が考えるほど単純ではない。山よりも高く海よりも広い。そんな才能を如何に引き出すか、認めてやって伸ばしてやれるか。
ここに大きな分かれ道があるようだ。孫と付き合うジジの耳に痛かった。

最後は、どんな苦しい現実に遭遇しても「出口のないトンネルはない」。大震災の被害者の皆さんも、希望を持つことだけは忘れないで欲しい。としめくくられた。

コメント (4)
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