夕方5時過ぎ、久しぶりにこの時間にカー君がやってきた。
「田んぼや小川へ、生き物を捕りに行こう・・・」とねだる。
久しぶりに一人でやって来たのでジジに甘えたいのかな・・・と思ったら少し違った。
三年生理科の時間で「田んぼの生き物を何でもいいから捕ってきなさい」という宿題が出されていた。プラスチック製の水も入れられる虫かごと小さなバケツをもってきた。
最初に掴まえたのがタニシの赤ちゃん。次いであのちょろこいアメンボーをバケツですくった。その早業たるや、兄ちゃんに負けない素早さだった。
褒めてやりたいほどの成長ぶりである。
他にもカニやハヤなど掴まえたかったのだろうが、まだこの時期はそれほど姿を表さない。仕方なし、例のあぜ道の草や境界壁に産み付けられているピンク色のカタマリ、タニシの卵をゲット。
取り敢えず宿題のノルマを果たして気分良く引き上げた。
先生も粋な宿題を出すものだ。我々の子供の頃には周囲が全部田んぼか畑。
生き物を集めるなど宿題のうちにも入らないほど豊富であった。
今の子供はそうはいかない。田んぼも小川もまるで少なくなった。農家の子供でさえ田植え経験のない子がほとんどだという。
そりゃそうだ。田植えは機械。もちろん耕すなどは耕耘機。刈り取り脱穀すべて機械。
米作りは八十八の手間ヒマ掛ける。そのご苦労に対し親に感謝しろ、お米はじめ食い物を粗末にするな・・・などと言ってみても、言葉では分かっても、感情や肌で理解するとなると難しいやねー。
どうすりゃいいんだろう。この先どうなっていくんだろう。
「感謝・孝行」などの言葉、死語にだけはしたくないと思うのだが・・・。