田んぼの畦道を彩る緑が、ここ2・3日の雨で一段と生気を放つ。
遠くの山は、低く垂れ込めた雲に覆われ、さながら一幅の墨絵かと・・・。
よく降った。局地的豪雨で災害の心配もされたが、大きな被害もなく一段落したようだ。
稲にしてもレンコンにしても、この植え付け時期の雨は貴重である。
災害さえ起こさなければしっかり降ってくれと祈りたいほどの恵みの雨だ。
この時期、梅雨を前にして2日も3日も続けて降る雨を「梅雨のはしり」という。
はしりとは、物事のはじめとなったもの、先駆けのことである。
かつては、精一杯の事をやっていく中で、ふと気が付いたら、OOのはしり・OOの先駆け、といったような一歩先んじたことをやらかした時もあったように思う。
それが若さというものだったのだろうか。
ということは、そのような先駆け的な行動がほとんどなくなった今は、やはりそれなりの御年ということか。
中天高く光彩を放つ太陽でさえ、日暮れが近づけば柔らかく丸味を帯びた夕陽となる。高いつもりで実は低い教養をひけらかす愚を避け、後進の育成に手を貸そう・・・。
と、自ら気付いて欲しい人が、自分を含めて、世の中には意外に多いものだ。