午前6時30分。 一般参加者、中学生も交えて開会式
7月の第3月曜日は「海の日」で、祝日となっている。
夜明けは早いが、それほど朝早くからすることもなく、のんびり寝て、日が高くなって起き出すことの多いこの頃。
ただこの「海の日」に限っては、全く普段と異なる非日常な1日を過ごすことになる。
地元社会福祉協議会の、年間事業の大きな柱ともいうべき、海の日キャンペーン「瀬戸内海環境保全大作戦」と銘打った、海浜清掃の日である。
我が住む地区は、岩国市の南側に位置し、前面に瀬戸内海、後方に400m級の灘山を背負い、国道188・JR山陽本線に沿って、南北に7kmという、細長い地形で、少し高台に上がると、瀬戸内海の穏やかな海、国定公園に指定される多島美を見渡せる風光明媚な場所である。
海に面しているが故の悩みも当然ある。その一つが、白い砂浜に打ち寄せる漂流物の山である。
そういった背景の元、設立以来11年目を迎えた地区社協が、基本理念として掲げてきた活動目標を達成するための、メイン事業の一つとして掲げているのが、この豊かな海を守る。ということである。
今回で9回目となる海浜清掃ボランティア。地元の人やボランティア団体などにその活動が認知され、少しずつではあるが、参加者が増える傾向にあるのは、主催する側にとっては大変うれしいことであり、密かに充実感をおぼえる事業でもある。
特に、地元の中学校が、校長先生はじめ20数名の教職員とともに、生徒が240人近く積極的に参加してくれるのが嬉しい。
熱中症対策などを踏まえ、可能な限り涼しいうちに作業を進めようとの計画で、早朝6時半開会となっている。
ということは、我々世話役は5時半に集合、当日の準備作業を整えて、参加者を待つという構図になる。
もちろん、担当部会では、1ヵ月前から、入念な計画、現場の事前準備、人員配置などに余念がない。
この白い砂浜は、南北に1kmに及ぶため、それぞれのブースで集めたゴミや漂流物を、漁船で運搬し、港で陸揚げするしか方法がない。
そこで、当然ながら、地元漁業関係者に漁船の協力をお願いすることになる。
このように、地域を挙げての活動に、多くの協力を仰ぐことで、なんかしら、地域の絆が広がっていくのを実感している。
ただ、地区社協のスタッフも年々年を重ねることは避けられない。無理が利かなくなる。
そこで、我々の使命は、『自分たちが活動できる間に後継者を養成する』という大きな課題を抱えていることに、ふと気づく。
これら、中学生のパワーは、非常に心強い。スニーカーのまま、海に入って漁船に積み込む猛者もいた。