親元から遠く離れて、高校寮生活を送る孫兄ちゃんは、冬休みに入ったらすぐに長野県にスキー合宿に出かけた。
中2のカー君、弟の悠雅君は、両親と共にふっ休みに入ったらすぐに、北海道ニセコにスキーに出かけた。
その時にしっかりの、というほどでもないが、ジジババがしてやれる程度の小遣いを渡した。
そして迎えたお正月。暮れの小遣いとは別におとし玉を渡さねばならない。
あれこれあって未だ全員が揃っていないので、おとし玉というポチ袋はまだ誰にも渡していない。
近々倅一家も娘一家も、高校の兄ちゃんを除いて全員が集まって、改めてのお正月食事会となるので、その時におとし玉を渡すことになる。
小学1年の悠雅君が「のんちゃんにはいくら上げるん?」と盛んに尋ねる。
いとこである3歳半の希さんのおとし玉がいくらなのか気になって仕方がない。「のんちゃんはまだ小さいから少なくていいよ」と。
その言葉の裏には「自分は小学生なのだからのんちゃんよりは多くちょうだい」という意図がありあり。
「のんちゃんはいくらにしようかねー」「100円、いいや300円、やっぱり500円かね」と、相場を口にする。
ライバル意識と先輩意識が重なって、おとし玉が同額では納得いかないのだろう。
「悠雅君はいくら欲しいの?」「オレはね~ …… 」なかなか金額は言わない。そして「あっちでは3000円もらったよ」という。
あっちとは、大みそかから3日間お泊りしたお父さんの実家である。「エッ?3000円も?」「そりゃ無理無理」
そっけなく答えておいたが、小学1年生に3000円は多いよな~ それともこちらがけち臭いのかな~。
あんなに小さいころから、駆け引きの術を覚えて、これから先いろんな場面で実戦に使うのだろうか。
実際にお札を渡すと、まだまだ使い道が解らなくて「お母さんハイ」なのに、欲の皮だけは突っ張っている。
それにしても大いに物入りなお正月ではある。いつになったらもらえる立場になるんじゃろう。