冷たい春雨でスタートした弥生3月。二日目はなんと、この目で見たことのないような白い世界が広がっていた。
それも、雪が降ったように地面が白いのではなく、空気が白い。目の前に広がる景色が白い。数十メートル先は何も見えないただ白い厚い壁。
そんな夢のような世界が広がる、弥生二日目霧の朝であった。
大洋を航海する船乗りさんにとっては死活を分ける厄介な霧が、部分的に切り取ってみると意外な一面を見せてくれる。
この地方では滅多に見ることのない陸上の霧の世界。季節の変わり目は、想像を超える色んな形を見せる自然という怪物。簡単に見逃さないようしたいものだ。
そんな魔法みたいな「霧」というものの発生する条件とは、簡単に言うと「風のない晴れた夜などに放射冷却で地面の温度が下がり、それによって地表付近の空気の温度が下がる。 このとき空気に水蒸気が多く含まれていると、水蒸気が水滴となって霧が発生する。 霧は内陸の盆地などで発生しやすい。」と説明されている。
遠くに海が望めるはずの窓の向こう。一面に白い世界が広がる。
真っ白い霧に包まれて、数10メートル先は視界が消える。
そしてこの白い世界は、野鳥たちの行動にも異変を来していると見た。
あの縄張り意識が強く、自分たちつがいの食域によそ者が侵入しようものなら、あのとてつもない甲高い声で執拗に追い払う。
我が家に実るクロガネモチの赤い実は、いつもやって来る二羽のつがいの独壇場であった。それが、今朝に限っては30羽近くが、折り重なるように仲良く赤い実をついばむ。
赤い実に飽きたら今度は畑に降りて、取り残しのキャベツの葉っぱをかじるかじる。それも半端な数ではないので、飛び立った後を見ると、キャベツ3本の葉っぱの先は見るも無惨な残骸となっている。
やるもんだねー。野生には野生の仁義があって、霧で見えにくい危険を冒して遠くまで飛ばずに、今日はここで宴会でもしようや、という粋な計らいをするリーダーがいたのだろうか。
色んな思いをさせてくれる弥生のスタート。なんだかいい方向に向いてくれるといいねー。
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これまで見たことのないヒヨの意外な光景
縄張りを越えた異常な集団行動を見せる
一本の木に群がるヒヨ。今朝の濃霧は彼らにとってどんな働きかけをしたのだろう。