ゴールデンウイークから5ヵ月。色々あったが、取り敢えず一区切り付いて肩の荷を下ろしている。
全く予期しなかった4つ違いの姉の急死。警察署刑事課の呼び出しで初めて事情を知らされたあの日。しばらくは頭の中は空白で思考回路は混線していた。兎にも角にも事情を確認する中で喪主を務め、満中陰法要に次ぐ納骨の儀式も、慌ただしさの中で精一杯務めた。
次に来るのが正も負もひっくるめた遺産相続という難題である。
左うちわでも使えるような大資産があるのなら相続も悪くない。しかしそうなると一族郎党寄ってたかって分配を見守りたがるのが人間の性。これをさばき切るのもまた大変なエネルギーが要る。
その逆で、下手に手を出すと大きな負の遺産を背負うことになりかねない危険をはらんだ相続は淡泊で面白い。私の姉の場合後者であり、相続権を欲張る者は出てこない。大きくもめることもなく、淡々と進められて今日という日を迎えた。
人間の一生は短いようで長い。長いようで短い。色々言われるが、それは対象をどこに置くか、何を基準に比較するかで判断は大きくことなる。
長さそのものはともかくとして、生きて来た中身は人それぞれにまさしく千差万別。人一人の一生を物語にすれば、果てしなく書き綴れる量のネタがあると思う。そこには男・女という性別などにこだわらなくても、物語としての材料には事欠かないと思うし、色んなことがあったそれらを乗り越えたり、乗り越えられなかったりする中で、自らを立て直しながら長く生きて来られたのだと思う。
たとえ姉弟といえども、互いに人格を持った一人の人間同士。人格を尊重し合い良くも悪くも認め合って生きてきた。貧乏であろうとお金持ちであろうと関係なく、精一杯生きてきたというところには何の異論を挟む余地があろう。改めて、84才の生涯に感謝しながら悠々と眠って欲しい。
色々心配はしたけど、全てが一段落し肩の荷を下ろさせてもらった。たまにはゆっくりと思い出話でもしようかね~。