窓のすぐ下で、恐ろしい音を立てて風に煽られる草や雑木
海に面した小高い森のてっぺんの竹が大きくうねっている
長時間に及ぶ台風14号の居座り。厚い雨雲は山口県全体を赤色に染めて大雨を警戒させる。
部分的に紫色の線状降水帯を示す大雨予報。数時間が過ぎてもテレビ画面の様子は変わらない。降り続く雨はやがて洪水の心配となって胸をふさぐ。
窓の外では風に煽られる草や雑木が、千切れて飛んでいきそうなほどに、右に左に荒れ狂うように揺れる。
その向こうの海に面した小高い山の木々は、こちらも地上全体をゆらすかのように荒れ狂う。山のてっぺんを覆う竹林が、大きく大きく揺れて海から吹き上げる風の強さを見せつける。このように、小高い小さな森が、海と我が家を隔ててくれたお陰で、恐れていたテラス屋根の波板を損傷する危険から守ってくれたようである。
市内の山間部にある最も高い山「羅漢高原」は、昨日の降り始めから450mmの雨量をもたらしたという。
山に水分を保たせる、いわゆる保水性を高めるために、針葉樹から広葉樹に植え替える植林に何度か通ったことのある山でもある。
数十年に一度の雨量と言われるこの大雨は、県下でも大きく長い川の代表格である錦川に流れ込む。下流には国の名勝「錦帯橋」があり、多くの住民の生活がある。
これ以上降り続けると錦帯橋は流され、市民生活は甚大な被害を産む。濁流は錦帯橋の石積みの土台から、木製の橋台に届きそうなところまで来ていた。
濁流が襲う錦帯橋第一橋。あと少しで流失か。
現場には出向けないのでテレビの画像拝借。
天の恵みか市民の強い願いが叶ったのか、辛うじてここまでで流失の難を逃れた。同時に城下町への濁流の氾濫も免れ、安堵の胸を撫でおろした。
このように、あってはならない自然災害が目の前で繰り広げられる現代社会。地球温暖化と呼ばれる悪の元凶は見えているのだから、対策を講じることに世界が手を携えることは出来ないのだろうか。核兵器や超音速優秀兵器をもってしても、地球温暖化は退治できない現実がじれったい。