近くて遠い国とはよく言われるが、遠くて近い国とは言われない日本と中国。
なんだかんだ言われながらもなんとか国交正常化から50年という節目を迎えた。半世紀の節目を迎えたことで、成熟の関係、大人の関係になれるかという期待もないことはなかったが、結果的にはやはり覇権を狙う大国主義が見え見えで、正常な国交樹立とは言い難いようにこの目には映っている。
1972年9月、日本と中国の国交が正常化した。そのシンボルとしてジャイアントパンダ2頭が中国から贈られた。上野動物園周辺には、愛らしい姿を一目見ようと長い行列ができ、2時間待って30秒しか見られなくても、辛抱強く待っていた光景をはっきり覚えている。あの時は、過去のわだかまりを捨てて本当に隣国同士のきずながうまれるのか、田中角栄総理に期待したものである。
ところがそんなに甘くはなかった。中国側の歓迎晩さん会の席で発した田中角栄総理の言葉「過去に多大な迷惑をかけたことをお詫びしたい」という、我々日本人にとってごく自然なお詫びスピーチが、中国語への翻訳が誤っており、国交樹立に初めっから齟齬をきたしていたというのだ。
こんな誤りがあったり、他国に頼る我が国の不甲斐なさを嗤って、芯からの信頼関係の構築がなされなかったということなのだろうねー。
希少動物であるパンダを中国からプレゼントされてから50年。生き続けていれば50歳。しかしジャイアントパンダの平均寿命は20~23年というから、現在日本各地に生息するパンダは、初代から数えると何代目になるのだろう。パンダの愛らしさは今も人を惹きつける。その発祥の地は今や世界からその横暴ぶりを警戒と懐疑の目で見られている。パンダの変遷は大きく変わらなくとも、世の中の変遷はいつもきな臭さが付きまとうね~。
兎に角、力ずくで世界の現状を変更させる横暴は許してはならない。特に島国である我が国は、海洋封鎖されたら干上がってしまう。自らの力で自国を守る気概と体力を養っておかないと、孫達の将来が危うくなりそう。ま、そこまで生きてはいないこの身ではあるが。