このほど手に入れた、「新たなお助けマン」
ようやくというか、やっと人並みにというか、新たなお助けマンを手に入れた。
これがなかなかの「やり手」と言えばやり手。じゃじゃ馬と言っても過言でないような、手なずけるまでには相当な辛抱と根気で、ゆっくり長く付き合う覚悟が要るようである。
新たなお助けマン。それは新進気鋭、メーカー推奨の新しいスマートフォンである。
軟化するというのか硬化するというのか、気付かないうちに進行する脳の働き。それによって発症する記憶減退症候群。
何となく不安を感じる日常生活を、たとえ少しでもフォローしてくれる、とこっちが勝手に思っている必携のアイテムではある。
ガラケーから高齢者向け「らくらくスマフォ」に変えたのが4年前。ここにきて、「機種変更すればもっと便利になり、もっと安心感が広がるよ」との倅夫婦の勧めもあって、思い切って更新することにした。同時に他社に乗り換えたらもっと安く手に入るという。
「また新たに使い方を覚えなきゃならんのか」という悩みをクリアーするだけの魅力を感じた結果、17年間付き合いのあった老舗から他社への利替え、新機種導入に至った。
新たお助けマンにはLINEという機能がある。「これは便利な機能よ」「じゃ使おうか」などと簡単に登録した。すると「Yさん、ライン始めたんじゃろ、全然返信がないがどうしたん?」などと電話で催促されること3件。「エーッ、そんな不義理をしとったかねー」などと平謝り。早速学習に悩まされる。豊かな機能への知識遅れで、お友達に腹を立てさせる失態をしてしもうた。
ご迷惑をおかけした皆様に「今しばらく寛大に」とお詫びをする羽目になるのも、新お助けマン功罪である。
それにしても携帯電話業界とは不思議で奇妙な世界である。17年もの付き合いがありながら「新機種に変える」といえば、これまでの料金に更に大幅な上乗せで、生活を圧迫するほどのランニングコストとなる。それが、他社乗り換えという初めてのお付き合いが始まる窓口に行けば、前社の半額近い値段で提供してくれる。
ここには「長年のお得意さんだから割引を」などという商売人特有の義理も無ければ人情などとは無縁の世界である。そんな義理だ人情だという小生こそ、カビの生えそうな古い感覚の持ち主ということか。少し寂しい。
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