「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「拡大鏡」

2009年01月07日 | つれづれ噺
正月明けを待って、母が長く使っていた部屋の片付けを始めた。
それほど広くもない我が家で、一部屋明けておくほどの余裕はない。出来れば有効に使いたい。
しかも、玄関脇の陽当たり最高の一等室。 応接室として使えば、いいお客様が増えるかも。

その生涯が長かっただけに、色んな物が出てくる出てくる。 それぞれに母の思いが込められていたに違いない。そんな中の一つ、大きな足のついた首かけ式の拡大鏡が出てきた。母の目が段々悪くなって、老眼鏡では間に合わなくなった。それでも新聞はじめ活字を追う母のために、カミサンが通販カタログで探し当てて買った記念の一品だという。 これはばかりは我が家に残して置こうと決めた。

他のめぼしい物は、形見として姉弟や甥・姪に持って帰ってもらった。今我が家に残っている物は、処分方法をじっくり考えなければならない物ばかりである。

「形見分け」といえば、2500年ほど前、お釈迦様は、遺品を売ってそのお金を等分に分けるように教えられたそうな。そして遺品を受け取ると言うことは、亡き人の遺徳をしのび、生前の善行(ぜんぎょう)や浄行(じょうぎょう)を学んでいかなければ、形見を受ける資格はない、と説かれたという。

形見という目に見える品物は、このように近親の者に分け与えられて何も問題ない。ところが、『遺産』となると話は別である。結婚以来30数年、義父母と片時も離れず一緒に暮らしてきた「嫁という立場」には全く何の権利も保障されない。 逆に1年に一度か2年に一度遠くから帰ってくる実の子には、相応分の遺産相続権利がある。 平等を唱える法律がこれほど不平等に思えることはない。

世の中、裁判員制度導入で揺れているが、もし小生に裁判員の話でもあれば、いの一番に取り組んでみたい課題である。 オット、裁判員制度は刑事裁判にだけ適用されるのだったなー。 それにしても、世の中の小さな片隅で人知れず苦労している立場を、大きく映し出せる拡大鏡があってもよさそうなものを。

        ( 写真:足を胸に当て、首から吊せば手を使わなくていい拡大鏡 )
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4 コメント

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拡大鏡 (takeko)
2009-01-08 03:50:21
これはこれはまた大事にしてあげてね。こちらでは遺品?、いる人があれば貰ってもらうけどほとんどがグラージセール(車庫の前でするから?)で処分をし残ったものはいらない物を受け取ってくれる所に持って行くのです。あっけない話よね。そうね、人間と言う醜い動物には拡大鏡がしつようなんよ。
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武ちゃん (yattaro-)
2009-01-08 22:57:31
グラージセール…なるほど。
いる人があればどうぞ…って感じですね。それもいいね。
別にこだわることもなく、必要か必要でないか、それだけで判断すればいいよね。

拡大鏡、大きく世の中に出して欲しい思いが結構陰でくすぶっているかもね。
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むずかしい… (kei)
2009-01-09 00:27:26
正直者に真面目に生きる、弱い立場の人間が悲しい思いをしないですめばいいのにとは思いますね。

そうであるために自分に何ができるんだろうか。
ま、自分も力も智恵もなき弱い人間ですが。
それでもひとはお互い様。

と言いつつ、頭で考えるだけではねえ…
行動に移す勇気、機敏さ…
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やっぱり、むずかしい…keiさん (yattaro-)
2009-01-09 12:24:14
弱肉強食といえば、自然な世の習いのように聞こえますが、昨今のような、企業も労働者も中小経営者もひっくるめた社会全体が、経験したことのない構造不況に見舞われますと、真っ先に犠牲を強いられるのが弱者ですね。
特にこのところ、企業の横暴が目立ち、弱い物いじめをしている感があります。
長年の企業人経験者としては、弱者にならないために、それ相応の努力・時には負けてなるか…という死に物狂いの努力もしてきました。フリーターやアルバイターにならないための、地位確保に全力を尽くしました。
皆さんも同じように努力をされたのでしょうが、今の世界の大きなうねりに巻き込まれてしまって、周囲が見えにくくなっていますね。我々に何が出来るのか?
やっぱり、むずかしい……ですね。
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