地元の特養を併設する多機能介護施設が、コロナ禍を経て4年振りの講演会を開催した。参加依頼もあったことから知り合いを誘って参加した。尻に火が付いた感のある『認知症ケアの基本と認知症診察』をテーマに「認知機能が低下したかな?と思ったら周囲の人が本人にすべきこと」という具体的な内容で、約90分。あくびをこらえ寝息を立てないよう心がけた。
講師は岡山県で認知症専門のクリニックを営む院長先生。何年か前に拝聴した時よりは随分語り上手になっておられて「認知機能低下時の対応方法の基本」とか、耳に馴染んでいるような、深くは理解できていないような、複雑な思いで講師の話に段々引き込まれていく。そういえば、おふくろの晩年を思い出す。
完全な認知症になって、こちらの言葉が飲み込めなくなった最初のころ、認知症と言うものを正しく認識してしていない私たちは、高齢のおふくろに対して何と失礼なことをしたものか、と大いに反省させられる講師の言葉が胸に刺さる。ただ、初めての体験に、認知症をどのように受け入れるのか、オロオロするのがさきになる。そして、あの物分かりのよかった人が、なんでこんなことを理解してくれないの?という期待が裏切られる怖さは、益々介護素人を追い込んでいく。
ま、やがて認知症は訪れるのだろうが、介護をする側は認知症は病気なのだからこちらが気を遣わなければならない、この割り切った気持ちにたどり着くまでに時間が掛かる。
要するに認知症介護は、実際に体験した人にしか、その大変な本質は判らないと思っている。だから今、若いママさんやパパさんにこんな講習を受けて欲しいと思う。決して無駄にはならない。
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