日本列島に生きている限り、というとちょっと大げさかな。ともかく夏から秋にかけて、一度や二度あるいは三度、列島を襲う台風にどれだけ悩まされてきたことか。
我が人生82年の間に、住居変更を3度経験した。いずれも遠くに離れたわけではなく、せいぜい半径25kmの範囲内で移動した。26才までが生家。次が結婚のための新築で約25年。そして終の棲家になるであろう今住んでいるところがかれこれ30年。色んな台風や大雨に戦々恐々としてきた。
中でも最も記憶に残っているのが、昭和17年に中国地方を襲った大型の雨台風で、瀬戸内海に面した堤防(当時は「沖の土手」と呼んでいた)が決壊。広範囲の住居が海水による浸水で大惨事となった。私は生まれたばかりの夏だったので台風襲来の恐ろしい記憶はないのだが、物心ついても、小学校に通い始めても、家の土壁が地面から1mの高さまで洗い流されたまま、竹の塀駒居が剥き出しになったのを眺めながら「なんでこうなったん?なんで治さないの?」という素朴な疑問を持ち続けていた。
そんな記憶は、地形や家が建つ場所の高低によって運命の分かれ道があるという反省に変わった。だから今住んでいるところは、地震被害は別としても、津波や雨による浸水や土砂災害からは当面守れるんじゃないかなと思ってはいるのだが。
近ごろの自然災害は半端じゃない。とことん人間を痛めつけるまでやってくる。安心などという言葉はどこにいても当たらないかもしれない。
そこへもってきて、今回の台風10号のように、超大型で雨風による甚大な破壊力を保有しながら、進路を明確にしない。いわゆる迷走する台風は対策を考える者にとって、大いに迷惑な話である。は
余分であってもいい、やり過ぎであってもいい、出来る限りを尽くして自分を防御し、その延長に他人に迷惑を掛けない、他人を守る防災対策に気を付けなければならない。厄介な台風シーズンである。
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