プロ野球も8月戦線の終盤を迎え、ペナントレースの行方が取り沙汰される季節を迎えた。
ここらあたりから、チームの持つ総合力、底力といったものがモノを言い、笑うもの泣くものの別れ道が見えてくる。一戦一戦が大切で目が離せなくなる季節でもある。
目下セ・リーグ首位を走る、愛しのカープさんにとって、そんな大事な地元での阪神3連戦。第1戦目を敗れて負けられない第2戦目の昨夜。中3の孫君は、カープベンチすぐ横の内野特等席のチケットを2枚手に入れたという。母親の知人から「息子さんにあげて」と譲り受けたらしい。
孫君は「祖父ちゃん、行こう」とは言わなかった。同じ中学校の野球部で同じ内野を守る、将来有望な
1学年後輩のI君に声を掛け、二人で電車に乗って行くという小さな冒険の道を選んだ。彼が自分の意思で外向きの行動をするようになったことに、驚きと「ついにその時が来たか」という感慨を覚えた。
「祖父ちゃんも行きたかったのに」などとは言わず、楽しんでおいでと小遣いを渡したら「サンキュー」と言ってポッケにしまった。
3才になったころからキャッチボールを始めた。そのうちボールを遠くに飛ばすことに目覚めて、プラスティックのカープバットから木のバットに替え、左足を大きく上げて打つようになった。来る日も来る日も幼稚園に迎えに行くと「祖父ちゃん帰ったら野球やろうね」と必ず催促した。いつまで続くか、本人に任せていたら、小学4年生まで爺やババを相手に練習を辞めようとはとは言わなかった。金属バットに格上げし、ボールも色んな種類を打たせ、捕り投げさせた。その間2年生の夏に、地元のソフトボールチームに入れてもらい、週二日の練習を休まず続けた。
プロ野球との出会いは、カープの二軍練習場が近くにあったことから、夏休みには何度も何度も出かけて有名選手との写真も何回か撮った。マツダスタジアムには、チケットが手に入り次第何回も連れて行った。雨の中を広島駅からマツダスタジアムまで歩いて「試合中止」を確認しなければ帰りの電車に乗ろうとしない経験もした。そんな彼が山口県中学校野球大会で、昨年も今年もレギュラーで出させてもらい県大会ベスト8までは見せてくれた。そんなことで、長い間隠れコーチを務めた爺に十分な恩返しをしてくれたと思っている。だから、ゆんべのマツスタは声を掛けなかった孫君の思い通りにさせてやってよかった。試合内容も先ず先ずで、兎に角勝ち試合を見たのがよかった。
野球人生も社会人生活もまだまだこれから。爺だけでなくババとも一緒に過ごした小中学時代をたまに思い出してくれりゃいい。それも出来ないほどハードで楽しい日々が訪れてくれたらもっといい。
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