庭の一角を占める、高さ1mにも及ばない小さなサザンカではあるが、いち早く八重の真っ白い花を咲かせている。我々より先に季節をちゃんと捉えている。
^^♪ さざんかさざんか咲いた路 たき火だたき火だ落ち葉たき 当たろうか当たろうしもやけお手手がもうかゆい ♪
こんなのどかな唄は歌えもしないし、そんな情景さえこの世から消え去ろうとしている。それでも、山茶花の花は今年も来年も咲き続ける。
いまの日本では、しもやけを作るような子どもは見られないのではないか。枯葉を集め、たき火をして集まる子どもたちに暖を取らせる。こんな構図も天下のご法度。へたをすると「迷惑防止条例違反」で逮捕までは行かないにしても書類送検くらいは課せられる。子どもを大切に守る方法も今と昔では随分と異なる。ほのぼの暖かさとかそれとない優しさなどはあまり重宝されない。制度や教育方針でガチガチに固められた優しさに育てられている。
いいとか悪いとかいう次元の話ではなく、ただただ時代の流れ、人々の考え方と価値観の変化。誰にも止めることのできない自然の流れみたいなものである。サザンカの咲くころ、小さな路地の曲がり角でチョロチョロ焚火をたいて「温まってお行き」という時代も生きて来た。少し大きな声で指導することはパワーハラスメントで注意される現代も生きている。幸か不幸かその両方の時代をこの目で見、その時その時代で年齢がうごいているわけで、やっぱりみんな違ってみんないいってことになるんだろうね~。
毎年毎年山茶花の咲くころに寄せて、同じようなことをついつい思ってしまう。真っ白も真っ赤も山茶花が穏やかに咲く平和な冬を迎え続けて欲しいものである。
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