一昨日の日中、昼食時間帯に「山ブドウ」の畑を見る機会を得た。
この「山ブドウ」を午後一時に我が家に野菜の仕入れに来て下さる、長岡のシェフの注文に応じるためです。
私の出掛ける雰囲気を知って、マックスがせがむので同行です。
作っている先輩も、務めの合間を縫っての慌ただしい収穫。
でも、私の注文を聞き、一度はこの畑を見てもらいたいと誘って下さったのです。
数えなかったけれども、こんな長い畝が何本も並んでいました。
山中に自生する「山ブドウ」は、主に太い雑木に絡みつき、藪になっている事が多い。
それを畑で栽培するのは、考えられないような労力を要している様子。
冬は支柱を取り外し、春になって雪解けを迎えると、再び支柱を立てて蔓を持ち上げるのだとか。
栽培されている、食用や、ワイン用の改良種とは違いワイルドな姿を見せてくれます。
口数の少ない先輩は「消毒を一切しないものだから・・・・」と呟く。
朴訥として口数の少なく、自然の好きな先輩らしく、農薬の使用は全く無し。
そのために、実の付き方もあまり良く無くて収穫量が上がらないらしいのです。
軽トラに繋いだマックスは心配そうに私の姿を目で追う。
「ねー、トーちゃんまだー?」なんて聞こえそうです。
ハサミも使わずに素手でもぎ取り始めた「山ブドウ」をユリの球根用のコンテナに入れます。
今回の注文は、長岡のシェフが2キロ。そして、出掛ける寸前にメールを受けた注文も2キロの計4キロ。
「これくらいかな、いや、余ったら農天市場で売って下さい」と渡して頂いた。
帰宅して、来宅したばかりのシェフの奥さんに、注文の野菜と共にお渡しすることが出来ました。
そして、昨日はもう2キロの注文主「越後の台所 すずきち」のマスターが来宅し、
残りを計量すると6キロだったけれども、全てをお買い上げいただきました。
完全無農薬と言っても、周囲の畑や水田で消毒作業をしたらその飛沫を浴びかねない。
でも、この山裾の「山ブドウ畑」は手入れをされていない藪のような畑に囲まれ自然な雰囲気。
深山で採ったようなワイルドな「山ブドウ」が朴訥、実直な先輩の手で生み出されていたのでした。
我が家も、販路を作ってくれるお礼にと頂いたけれども、妻は同じくお買い上げいただいた、
長岡の割烹「卯月」の女将さんに電話で問い合わせ、利用方法を聞いていました。
妻には詳しく聞いていないけれど、一部は果実酒として焼酎に漬け、
そして、残った物は広口瓶にぎっしりと詰め、応分の砂糖をまぶしたようです。
さて、この貴重な「山ブドウ」は我が家でどんな変化を見せてくれるのか今から楽しみです。