畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

え?「新庄」へ行きたいって?(その2)

2013-12-01 05:58:02 | 旅行

 スベルべママの友人の畑を一回りして、再び彼女の家に上げてもらい歓談。
物おじしない彼女の孫が、スベルべにまとわりついて嬉しい事この上なし。

 早めに彼女の家を辞し、紹介して頂いた「金山」の宿に行き、温泉に浸る。
スベルべママは友人と一緒に入浴し旧交を温める。

 でも、一夜明けると天気予報通りとは言え一面の降雪に驚いた。
20センチ以上も積っていたのでした。
幸いと言おうか、このたびの出発を前に、夜中にスタッドレスタイヤに交換していたのが大正解。


 宿泊した部屋の窓から見た大浴場の屋根です。
建物全体が杉の名産地として知られるこの地の「金山杉」がふんだんに使われています。


 右奥にスロープが霞んで見えますが、ここはスキー場のゲレンデの端でした。


 これは風呂場の脱衣場からの一枚。
空中に浮かぶオレンジ色の玉は、部屋の照明がガラス窓に反射したもの。


 朝食の会場です。広くて天井の高い食堂は全館暖房と言う訳には行かず、
席に向けて温風ヒーターの暖かな風が吹き付けています。

 ここでは同じ席で前夜の夕食も摂っています。
夕食はドリンクメニューで見つけた「高畠ワイン」で乾杯。

 あまりもの美味しさに、ハーフボトルを三本も開けてしまい、スベルべママはノックダウン。
結構苦しい夜を過ごしたようでしたよ(笑)。


 朝食の前に自動車が心配で駐車場に見に行くと、管理人と思しき人が雪を下ろしていて下さる。
お礼の言葉を掛けて、食堂で美味しい朝食を頂いて帰宅の途に就きます。

                      (続く)
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友に会いに行ったけど・・・・

2013-12-01 05:48:45 | 暮らし

 農天市場を閉店、就業してから初の土曜日だった。
ずっと気にかかっていた友に会おうと、マックスと朝の散歩の後、自宅に電話をした。

 電話に出たのは彼の奥さんだった。
「実は、入院中でかなり悪い状態です」と想像していた中で最悪の返事だった。

 付き添いの毎日で久しぶりに帰宅したと言う話を聞き、「午後からまた行きます」との話を聞き、
その行程に合わせて午後に面会、見舞いに行く事にした。

 聞かされていた病室を探し当ててドアをノックすると奥さんの声が聞こえた。
招きに応じてドアを開けるとカーテンの陰にベッドに横たわる友の姿が見えた。

 友は奥さんの「スベルべさんだよ、スベルべさんがが来てくれたのよ」の耳元での大きな声に目を開けた。
でも、視線は私スベルべを見たようにも感じたけれども返事も無く、その後の視線は宙をさまようのみ。

 高校で机を並べたことがきっかけで、付き合いが始まり、色々な思い出を共有した。
高校二年から三年にかけての春休みに、もう一人の友人を誘い三人で東北の貧乏旅行をした。

 三年春の修学旅行では奴の主導で関東地方の高校の女子生徒グループと付き合い、
行く先々で落ち合うと言う、ドラマチックな展開をしたのも一生の思い出となっている。

 「お前との付き合いで、俺の人生観が変わった」とさえ言ってくれた親友だった。
そんな彼が病を得て倒れ、やせ衰えた姿を見せたのは三年前のことだった。

 その後も何回か顔を出してくれたのだが、今年の九月に中学校の同級生に連れられて、
「農天市場」に姿を見せてくれた彼を見て愕然とした。
同行した同級生に耳打ちし、後で連絡を貰ったが、内容は最悪だった。

 ようやく訪れたのだったが、彼は私スベルべさえ認識できない状態。
ベッドの中を手さぐりし、しっとりと冷たい手を握り締めて声を掛けるが握り返してはくれない。

 なんで、なんでこんなに。と自問自答しつつ涙をこらえました。
奥さんと、娘さんが居る。もっともっと苦しんでいるのだとようやく涙をこらえるのが精一杯。
「大丈夫だよ、また来るからな」と声を掛け「お大事に」にと奥さんに声を掛けて病室を後にした。



 一緒に見舞ってくれたスベルべママと言葉少なに帰宅の途に就いた。
そして、帰宅して為す事も無く山の畑に最後の収穫に行く。
思いがけない夕日を浴びた「権現堂山」が何時も通りにスベルべ夫婦を見守っていた。


 山は雪を冠って荘厳に輝く。


 日が沈む、友の命が燃え尽きんとし、最後の力を振り絞っているかのように。
燃えるような、彼とスベルべの人生だった。
青春を共にして、共に生きてきた友よ、最後までその生き方を通してくれ。
そうだ、君を思う奥さんと娘さんのためにもな、そしてスベルべのためにもな。
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