畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載87「蛍」

2016-11-04 04:22:10 | 自然

   蛍

  国道を行き交う自動車のヘッドライトの光と、駅構内の照明の間、わずかに残る闇の中に頼りなげに飛ぶ蛍が見える。毎年絶滅するのではないかと心配させられる蛍だが、今年も僅かだか姿を見せてくれた。

 田の中を流れる小川や用水を照らし出さんばかりに飛んでいた蛍も、農薬や治水と銘打った小川のコンクリート化で絶滅に近いほど減ってしまった。三面コンクリートと呼ばれる岸と川底をすべてコンクリートで固める。又は既製品の大形U字溝に、川を置き換える工法が全盛となってしまったのだ。

工法が進むほど水生昆虫の生息を拒否してしまう構造になる。蛍が生息するには幼虫の餌となるカワニナと、川から這い上がり、蛹となり羽化する土の岸が不可欠なのだ。

田舎から自然が消える事を危惧する、私など全くの少数派。変人呼ばわりされる事は覚悟の上でも、工事に反対を唱える事は出来なかった。確かに蛍の生息環境を保持するには、それなりの覚悟が必要になる。春秋の土砂の浚渫。真夏のむせ返るような暑さの中の草刈。コンクリート化は土地に保水能力が無くなり、洪水が頻発する原因とも言われているが、あわただしく毎日を送る生活の中で、休日の奉仕活動を強いるのは無理なのかも知れない。

 しかし、一方で蛍の里を復元、復活させ、地方の活性化を図ろうと言う動きも各地で出てきている。

私の近くでも、山間の谷間を昔のままの姿で残している地域があり、家族で夏の夕暮れ時に訪ねて見た。山道にはもちろん防犯灯も無い。日が完全に沈み、闇に包まれると、そこから見える小川は勿論、道の両側の溝からさえ蛍は飛び立つ。

 久しぶりの蛍の乱舞に満足した。捕まえた蛍を部屋の蚊帳の中に放ち、灯りを全て消し、胸を高鳴らせて見ていた時代さえあった。思い出に寂しさを感じる帰り道になってしまった。

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秋の山を歩きました(その2)

2016-11-04 04:12:50 | 登山

 「おーい、雲よばかにのんびりそうじゃないかー」なんて詩の一節が浮かんでくるような風景。

モデルが「岩木山」ではなくて「権現堂山」ってところが雪国魚沼ですが。

 

  晩秋の夕暮れは早く、私たちがいる尾根の影が谷に尾を引きます。

「おーい、雲よー」なんてのんびりしている場合じゃないようですよ。

 

  再びピークを迎えます。

この頃には「足が重い~」なんて言っていたスベルべママの足も調子が出てきた様子です。

 

  遠くには、先ほどまでサツマイモ掘りをし、カモシカと遭遇していた我が家の畑が見えます。

そう、赤白に塗り分けられた送電線の鉄塔の左上が我が家の宝物山の畑ですよ。

 

 遠く連なる山並みは、あの旧「山古志村」のあたりです。

この遊歩道自体も、「中越地震」で何ヵ所も崩れ落ちている場所があり、完全復旧には程遠い。

              (続く)

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