「イサム」君のエネルギーはとめどなく湧き、とどまることはありません。
農天市場の出入り口の、コンクリーが目に入ると、そこに登って飛び降りる。
「いいー!」なんて叫んで飛び降りる。
を何回も繰り返し、飽きることなく続けたのでした。
飛び降りたって大丈夫だって、大好きなオトーさんが下で待っててくれるのですから。
普段、仕事で帰りが遅く、なかなか遊んでもらえないと言う「イサム」君はまとめて甘えているのです。
飛び降りたら、またコンクリート壁をよじ登る。
平凡に土の斜面を登ったら、男のこけんにかかわるってもんよ。
つい、いたずら心が湧いてきた「イサム」君です。
ねー、「アカリ」ちゃんも一緒に来てよー。って無理無理「イサム」君。
なんと、何回か跳んで要領を覚えると、おとーさんの腕の中ではなくて直接地面に。
将来はスキージャンプの選手かなこれは(笑)。
こうして、一日おとーさんに甘えられ上機嫌の「イサム」君に大きくなったら何になると聞いた。
「今日みたいに、車掌さん?」少し考えて「おとーさんみたいな・・・・」なんて小声で。
前に我が家の畑でトラクターの運転席に座ると、なりたいのは「お百姓さん!」なんて。
でも、今のあこがれの仕事はおとーさんの仕事らしいですから、微笑ましいです。
大好きなおとーさんに肩車してもらって帰る「イサム」君でした。
「少し距離を置いてしっかり見る。いい躾している」とスベルべママの独り言でした。
「イサム」君、バイバイー、また来てねー。
(終わり)