打ち豆(その2終わり)
さて翌日はいよいよ打ち豆作りに取りかかる事になる。
昔は石臼の上で祖母が木槌を使って叩き潰していた事を思い出す。
我が家の場合は、姉の嫁ぎ先で家業の下駄の緒のすげ替えに使っていたと言う、
一尺二寸角程の欅製の立方体の木を台にしている。
叩く木槌も我が家に伝来の材質は分からないが、黒光りするかなり古いものだ。
年代物のその木の台の上に、一粒ずつでは効率的で無いので、
20粒も並べて片端から順番に叩く。
講談師が扇子で机をたたくが如く、パパーンのパーンとばかりに叩き続ける。
いわゆる根気仕事ではあるが、小一時間も叩いたら、かなりの量が叩け、
沢山の打ち豆が出来上がる。
打ち豆を使った美味しい料理の代表には「煮菜」を先ず上げよう。
野沢菜の漬菜を塩出しし、打ち豆を入れて煮た「煮菜(にーな)」は冬の田舎の定番料理だ。
我が家の場合は、大根とジャガイモを拍子木に切った物にこの打ち豆を入れて煮ものにする。
どうも、打ち豆は冬の料理に似合うような気がする。
(終わり)
(続くとしたのに、色々あってその2が遅れてしまいました。
今日15日から明日16日まで村の夏祭り。その祭りの7年に一度の当番で、
これから明るくなったら、山に飾り用の萩を採りに行きます。若い人は萩も、
ススキも知らないので。明日、明後日はブログのアップも出来ないかも。)