畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載164「味噌煮」(その3終わり)

2018-08-07 12:41:29 | 食べ物

                 味噌煮(その3終わり)

 もう少し前の囲炉裏が何処の家にも有った時は、縄で縛った味噌玉をずらりとその上にぶら下げて乾燥していた。

煙で燻された味噌玉は薫煙の香りも微妙に味噌の味に反映されたのだろう。


 乾燥具合を見て、外された味噌玉は大臼に入れられ、

塩、麹と合わせてお月さまのウサギが使うような両杵で搗いて潰され、出来上がると大きな味噌樽に移される。

 何回かこの作業を繰り返し、味噌樽は新しい味噌で満たされる。

これをある程度の長期間寝せて、材料がそれぞれ慣れ合って来ると味噌の完成となる。


 裕福で、樽の収納場所や、樽が幾つも有る家は味噌樽を並べ、何年味噌などと呼んで、

風味の違いさえ楽しんだようだ。

 味噌豆を木綿針に付けた木綿糸で縫って数珠のように繋ぎ、

ぶら下げて半乾燥の物をおやつとしてその味を楽しんだ事も思い出される。

             (終わり)

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「ウルイ」が花盛り

2018-08-07 04:38:09 | 山菜

 山の農道を軽トラで走りながら気になるものがあった。

畑一面が、薄紫色に染まり、あれは「ウルイ」の花に違いない、近くで見たいと思い続けていた。

 

  冬季間、温室で栽培され冬の主力商品の一つとして人気の出ている山菜の一種「ウルイ」です。

関係無いけれど、後方に見える鉄塔は上越新幹線、和南津変電所に電力を供給するための物。

 

  晩秋になり、「蓄養根」を掘って専用の貯蔵庫に入れるまではこうして畑で育てられるのです。

根の養成が主目的で、本来は花は刈り取られるのが普通らしい。これはシャクヤク、チューリップなどと同じ運命。

 

  手前は花が刈り取られていますね。

忙しすぎて、全体の花の刈り取りにまで手が回らなかったのでしょうか。

 

 スベルべは初めは山菜の栽培ものである「ウルイ」など不味かろうと思っていました。

ところが、初めて口にしてその美味しさに驚いたものです。山菜と言うよりも新種の野菜と言った感じなのです。

 ウルイにも種類があり、スベルべが専ら食用にするのは「オオバギボウシ」で栽培種は「コバギボウシ」。

出自は山菜栽培のパイオニア的な地方の山形らしい。こんな方法を考え出すなんて本当に感心、脱帽です。

 後に小さな鉄塔が見えますが、これはJRの信濃川発電所から東京に電力を送るための物。

こんな頼りないような送電線だけれど、なんと東京の山手線の電車を動かしているのですよ。

コメント (4)
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