一度「ドル箱」に足を掛けて打ってみたかった(その1)
就職し、一人前の社会人になれたと言うことで、人並みにギャンブルにも手を染めた。
先ず、手始めに手を染めたのは身近な存在のパチンコで、その頃は隣町だった小出にも、
二軒のパチンコ屋さんが営業をしていた。
そのパチンコ屋の一軒では、母方の祖父と良く一緒になりお互いに笑ったものだった。
そして、もっと笑えたのは母の実家の菩提寺のご住職が、葬儀か法事の帰りにお斎のお酒で酔った、
真っ赤な顔で法衣のままで打っていたこと。
体格の良い文字通りタコ入道のようなご住職でそれが「おーい、出ないぞー」なんて、
パチンコ台のガラス戸を叩きながら喚くのだから迫力十分でした。
恥ずかしながら、長岡の大きなパチンコ屋に開店前から並んだことも有る。
そこでは、店員がシャッターを開けるや否や這いつくばって店に潜り込む輩が少なからずいて驚かされた。
当時はプロバチンカーなる種族も居たのだった。
さて、勝つことよりも負ける回数が圧倒的に多かったけれど、そこがギャンブルの妙なところで、
負けた事よりも、勝ったことの回数が少ない方の事のことが記憶に残るのだから始末が悪い。
負けてもまた行きたくなるってほとんど依存症です。
パチンコに手を染めた事のある方は誰も同じだと思うが、機械にもよるけれど出玉にも必ず波があり、
出たり出なかったりを繰り返す。
あれって、人間自身が持つ体内バイオリズムによるものなのか、
または機械が微妙に温度湿度でリズムを作り出すのかそのあたりは分からずじまい。
(続く)