カワウ100羽圧巻の捕食シーン
四年前に遠い空へと旅立った愛犬のマックスとの散歩は毎日欠かせぬことで、毎朝、毎夕必ずする散歩は、自身の健康維持にも役立ち、今日の自分の体にも生きていると思う。
そんな時代の朝の事。マックスとの散歩で魚野川の堤防に上がると、100羽にも及ぶと思われるカワウが新道島の山の方向から飛来する姿が見られた。カワウたちは水上で憩いもせず、迷うこともなく躊躇も見せず次々と目の前の川の中に潜水。「あの大群は幻だったのか」と思わせるように姿が見えなくなった。
しかし、10秒前後たつと、次々と川の中から顔を出してきた。そして、半数近くのカワウは水上で羽ばたきながら、向こう側の集落新道島方から、こちら下新田集落に向かって来た。水中と、水上で魚をこちらの浅瀬に追い込む作戦のようだった。
こんな大作戦が整然と行われることに戦慄さえ感じた。格別リーダーと思しき姿も見受けられない。どうして、こんな風に整然とした統一行動がとれるのか、不思議でたまらない。
最近、アユ釣りで有名だった魚野川の鮎が減っていることが話題になっているが、あの忌まわしい「新潟福島豪雨」によって、清流に泥が流れ込んだことも原因だろうが、このカワウの増加も原因の一つなのだろう。
カワウたちも少し前には絶滅危惧種だったと言うから驚きだ。この辺りでは昔は見られなかったカワウはいつから増えたのだろうか。しかし、保護によって増え過ぎ、今では害鳥まがいの呼び方をされているのが現実。
同様に、トキも昔から魚沼地方の「鳥追い歌」の中では「ドウの鳥」と呼ばれ、これは田を荒らす害鳥としての名残です。子供のころ、見ることが無かった白い鳥、サギの飛来も珍しくなくなった。
カワウもトキも人間の勝手な行動で絶滅、または少数にされた。そして、トキは大きな費用をかけて人工繁殖し、放鳥さえ行われているが、彼等にとっては迷惑かも知れない。一度絶滅してしまったトキを人工繁殖する事に違和感さえ感じさせられる。カワウの朝食の光景を見て考えさせられる朝でした。
(10年前に新聞に投稿した文章を再編集、再掲してみました。新聞は文字数が460字に制限されていて、難しい。短文の良さと、そして、物足りなさを感じます。長く書くほうが簡単かもしれません。)