「山芋」と言っても、スベルべが掘る山芋の話ではありません。
大関松三郎という当時12歳の少年が作った詩集の名前なのです。
詩集を代表すると言っても良い有名な詩です。
飾り気のない力強い詩は、中野重治の「歌」の詩に触れ感化された。
松三郎少年は、詩集の始めに「ぼくの詩はこんな心でうたわれる」と書き添えた。
詩人の魂は、詩人が最もよくわかるらしい。
現代を代表する詩人たちが、この再発刊の詩集に添えた言葉も胸を打つ。
大関松三郎(昭和元年生まれ)は、昭和19年12月に戦死してしまったのです。
そんな、大関松三郎の生活の証の一端に触れたくて、生家を探し始め、ようやくたどり着くことが出来た。
玄関に行き、声を掛けさせていただき撮影の許可を得ました。
詩の一節と思われる文が刻まれた石碑があり、裏には説明も有ります。
暑い日の午後でした。知人から教えて頂いた住所をたよりカーナビで探すが見つからない。
意を決し、近くの電気会社を訪れて事情を話して見つからない旨を説明する。
親切な女性事務員の皆さんが、ネットで検索して番地を探し当てプリントアウトしてくださいました。
そんな経緯を経てようやく大関松三郎の生家にたどり着けたのでした。
逆光状態で表情が良く分からないのが幸いだったのかもしれませんね。三脚を建てて自撮りです。
こんな時に限って名刺を持参することを失念したり、なんの手土産の準備もせずに出かけたのでした。
見ず知らずの、怪しい風体のスベルべに、怪しみもせずに親切にお教えいただいたご恩は忘れません。
スベルべも何時かは詩を作りたいと思い続けてきました。でも、作れません。
純真(だったはず)なスベルべも年老い、世俗にまみれて、酒に飲まれて詩人の魂はどこかに行ってしまいました。