畑に吹く風

 春の雪消えから、初雪が降るまで夫婦二人で自然豊かな山の畑へと通います。

連載88「つばめ」(その1)

2016-11-12 04:42:33 | 自然

  「つばめ」

 

 今年も、玄関の庇の下から5羽の「ツバメ」が無事に巣立った。

 私が育った家は、5人の子供を一生懸命育てながら、資金も無く、又、昭和30年代の初めであり、公庫などと言う便利な仕組みも無い中、貧しかった両親が果敢に挑戦して建てた家であった。

 

 母屋だけを、先に建て、資金の出来た範囲で、建て増しを繰り返した家は、高度成長経済にも助けられ、完成した時に、家は残ったが、借金は残らなかったと、母は自慢気に言ったものだった。

 

 しかし、乏しい資金で建て増ししたその家は、内玄関の、天井さえ仕上げてなく、梁やらなにやら、剥き出しで、ネズミなど走り回り放題。蛇を恐れる「ツバメ」が、巣を構えるような環境の家では、到底無かった。

 

 生き物の大好きな私は、友達の「ツバメ」が来る家が羨ましくてならなかった。巣の近くに隠れ、「親ツバメ」が運ぶ餌に、一斉に黄色い口を開く「子ツバメ」を、飽かず眺めていたものだった。

 

 母の死後何年か経ち、10年程前に、家を新築した。その家にツバメ達が懸命に、巣作りを始めた時は、高揚した気持ちの覚めやらない中で、自分の家が出来た。と言う実感に浸らされた、至福の時でもあった。その後、毎年のように「ツバメ」達は来てくれた。

 

 しかし、我が家の「ツバメ」達も、安穏な生活だけでは無かった。なんと、アルミサッシの僅かな隙間を利用して、「子ツバメ」を狙う、蛇がいたのである。

 ある朝、群れをなし、大騒ぎをする鳴き声に、嫌な予感を感じ、玄関に飛び出してみると、蛇が巣に頭を入れている最中であった。すぐさま棒で、蛇を叩き落した。

 

 中々巣に戻らない「親ツバメ」の様子に心配し、巣を覗くと、なんと言う事であろうか、可愛そうにすべての雛達は無残に事切れていたのである。

            (続く)

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カモシカを餌付けしちゃいましょうか

2016-11-12 04:29:33 | 自然

 一昨日の午後、スベルベ夫婦が山の畑に行くと、またも隣の蕎麦畑にカモシカ。

先日、一瞬クマかと思った、夫婦か親子のペアでした。

 

 でも、小柄な一頭は顔が真っ白に近い色で不思議です。

成長過程でこんな姿なのか、アルビーノなのか、調べてみたいですね。

 

 蕎麦畑の向こう側、牛の飼料用トウモロコシの刈り取り用機械が近づくと二頭は逃げ出した。

でも、機械が仮置きされ、操縦者が立ち去ると、別の一頭が現れた。

 

 スベルベが山際を遠回りして近づくと、じっとその様子を見つめます。

驚いたことに山際を歩くと、カモシカたちの足跡ですっかり獣道になっていました。

 カモシカたちは、小さな草の実よりも、こんな穀物が好物なんでしょうね。

我が家の畑の野菜には食がいはありません。一度ネットを越して入った足跡はありましたが。

 山の畑でカモシカと遭遇することは珍しくもないことになっちゃいました。

今度は呼んだら犬のように駆けてくるような躾でもしましょうかね(笑)。

 新潟では瓢湖の「白鳥オジサン」も、有名になり冬の風物詩として定着しています。

今度はスベルべが「カモシカオジーさん」として売り出そうかしら(大笑)。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬を待つ黎明の魚沼盆地

2016-11-11 05:05:49 | 風景

 周囲が明るくなってきたので、軽トラで野菜の収穫に山の畑へと向かう。

 山の上に着くころには、東の空が茜色に染まってきた。

 

  魚沼盆地の村々もまだ朝霧の下で眠っているかのよう。

向こうに見える、「権現堂山」は、一度は初冠雪で白くなった。

 

 

  山の畑に着くと、越後三山の上あたりの雲が茜色に染まりだす。

三山は何回か雪が降り、かなり白く見えるのだけれど、まだその白さは見えない。

 

  太陽が顔をのぞかせると、雲は赤く染まりだす。

夜明けの瞬間がやってきました。

 

  「権現堂山」の上も明るく輝き出します。

 

  太陽の顔を出す位置は季節と共に、徐々に右手、西方へと変わります。

今は「未丈ヶ岳」と「荒沢岳」の間から顔をのぞかせています。

 

 野菜を収穫しての帰り道、軽トラを止めてカメラを取り出します。

視界をさえぎるものも無く、好きな場所ですが、我が家の畑の山と谷一つ隔てた向こうの平も見えます。

 こうして、降雪前の魚沼は静かに冬を迎えようとしている。

そろそろ畑の周りの桜やジュンベリー、柿などの木々も冬囲いを急がなくてはならない。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今冬の降雪量を占う

2016-11-10 05:09:19 | 自然

 

 山の畑で、二匹のカマキリを見つけました。

そう言えば、なんだか今年はカマキリの姿が少なかったなー。

 

 晩秋を通り越し、初冬の雰囲気さえ漂う我が家の畑のある山の上です。

雪国で暮らす人たちは、この時期気になりだすのが降雪量予報ですね。

 

 カマキリの卵塊の付け方、位置で降雪量を占う方もいます。

その位置が低かったら小雪で、反対に高かったら大雪。

 「そう言えば、去年はいやに低くて、サツマイモの蔓にさえあった」とスベルべママ。

「今年は高いツルウメモドキの蔓に有ったぞ」とスベルべ。

昨年は経験のない、極端に小雪の年でしたが、今年はとんでもない積雪量になるのかも。

 

 先日、春先に散布する「融雪促進剤」を山の柿の木の下、マックスのお墓の反対側に搬入。

農道の除雪が終わらないうちに、山まで持って行くのは大変な重労働になりますからね。

 

 これではまだ少ないかも知れません。

でも、一区画だけでも早く消え、地面が出たら土からの輻射熱で融雪は進みますからね。

 「備えあれば、憂い無し」の気分ですね。

スベルべが感じる大雪の雰囲気、降雪量予想が当たらないことを祈るばかりです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「イサム」台風襲来!(その2終わり)

2016-11-09 09:35:44 | 暮らし

 「イサム」君のエネルギーはとめどなく湧き、とどまることはありません。

農天市場の出入り口の、コンクリーが目に入ると、そこに登って飛び降りる。

 

 「いいー!」なんて叫んで飛び降りる。

を何回も繰り返し、飽きることなく続けたのでした。

 

 飛び降りたって大丈夫だって、大好きなオトーさんが下で待っててくれるのですから。

普段、仕事で帰りが遅く、なかなか遊んでもらえないと言う「イサム」君はまとめて甘えているのです。

 

 飛び降りたら、またコンクリート壁をよじ登る。

平凡に土の斜面を登ったら、男のこけんにかかわるってもんよ。

 

 つい、いたずら心が湧いてきた「イサム」君です。

ねー、「アカリ」ちゃんも一緒に来てよー。って無理無理「イサム」君。

 

 なんと、何回か跳んで要領を覚えると、おとーさんの腕の中ではなくて直接地面に。

将来はスキージャンプの選手かなこれは(笑)。

 

  こうして、一日おとーさんに甘えられ上機嫌の「イサム」君に大きくなったら何になると聞いた。

「今日みたいに、車掌さん?」少し考えて「おとーさんみたいな・・・・」なんて小声で。

 前に我が家の畑でトラクターの運転席に座ると、なりたいのは「お百姓さん!」なんて。

でも、今のあこがれの仕事はおとーさんの仕事らしいですから、微笑ましいです。

 

 大好きなおとーさんに肩車してもらって帰る「イサム」君でした。

「少し距離を置いてしっかり見る。いい躾している」とスベルべママの独り言でした。

 「イサム」君、バイバイー、また来てねー。

           (終わり)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする