真贋控帳(三)
古筆家了意は絵画 書などの目利きをするのが仕事
世の中に偽物は多く仕事の終わることはない 「雪村の絵」花見にて古筆家の一行は ある武士と出会う
武士は招かれて彼らの屋敷へ行く途中 邪な匂いある人に気付き―
「利休の判形」美人局もどきの企みにかかった男
その危機を救ったのは―
「二天のもず」了意の偽者が現れた
その正体・・・
「暗がりの土地」父の借金で縁談も壊れ 世捨て人のように生きる男
庭から現れた茶碗は彼の運命を大きく変える
「世間の罠」父の借金の肩代わりで身売りを責められる娘
通り掛かってその父を知る男は助けようと金の算段をするが―
「地獄の始末」遊郭のあるじは しかしなりたくてなったわけではない
一人の遊女の死により 店を閉めることを決心した
人と人
売春防止法成立後 実際にあったことに触れてある
心も職業も貴賤なし
解説は縄田一男氏
カバー装画は深井国さん