![]() | 仏果を得ず (双葉文庫) |
三浦 しをん | |
双葉社 |
再読です
笹本健太夫は 笹本銀太夫がとった三人目の弟子になる
中々毒舌の銀太夫の言葉が面白い
「亀ちゃんは俺の相三味線や」
「老境に入って得た俺のベターハーフや おまはんみたいなぺーぺーに 亀ちゃんは百万年早いわボケが」
銀太夫は味のあるお人柄
そして弟子思いな人物でもある
そのはからいで三味線の兎一郎と組むことになる健太夫
不愛想 毒舌 プリン好きの兎一郎と健太夫は苦手としていたがー
義太夫にとりつかれ 演じるものに悩みつつ 人も好きになりー
少しずつ成長していく健太夫
自分からは動かない健太夫に 対して 健太夫の想い人の真智は決断が早い
義太夫が一番で真智さんは二番目だーという健太夫に対する 真智の答えがふるっている
「あんたは3番目や 」
1番が娘のミラで 2番目が食べていくための仕事で 健太夫はその次やと言ってのける
ただ 読み返すたびに清々しい思いになる一冊でもある
前回(2014年8月1日)読んだ時の簡単なる感想↓
「高校生の時に見た文楽が健の一生を決めた
義太夫の語り
三味線の兎一郎はプリンが好きな変わり者
そしてかつて組んだ相手にも秘密がありそうで
健は小学校で義太夫を教えていたが生徒の少女のミラの母親と恋人同士になる
けれどミラも健が好きだと言う
銀太夫は健に期待している
健は悩みながらも演目に出て来る人間を自分なりに解釈し 自分のモノとしていこうとする
軽快にさらりと書かれています 」
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/s/%CA%A9%B2%CC%A4%F2%C6%C0%A4%BA
師弟関係 そして主人公をめぐる周囲の人々の個性もまた いいのですよね
こちらは落語ですが 田中啓文著の笑福亭梅寿シリーズ「ハナシがちがう!」「ハナシにならん!」「ハナシがはずむ!」「ハナシがうごく!」「ハナシはつきぬ!」もそう本人に自覚はないものの大きな素質持つ主人公と 毒舌でごちゃだが弟子思いの師匠 個性豊かな周囲の人々ーと
読んで楽しい世界です