夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「川の畔で」

2015-08-19 19:06:07 | 自作の小説
それはやはり旅なのでしょう  これからの道筋に詳しい者もいて 少しずつ情報も入ってきます

「川まで行けば 舟に乗るまでの待ち時間 少しのんびりできますよ  お店もいくつかありますから 覗いてごらんなさい」

案内の方の声に励まされて 少し元気になって進んでいくのです


足を休めることは やはり嬉しいみたいで

店には時代劇くらいでしか見なくなった 手拭いをあねさん被りにした女性が かいがいしくお世話をしてくれるのでした

案内の方にも声をかけます「お疲れさまです」


「ここがあるのが嬉しいですよ 探し人には まだお会いになれない?」などと案内人さんが言うのに

店の女性は「とんと・・・ねえ」そう うっすらと笑います

そして案内人さんは 私を手招くと「どうでしょうねえ この先はそんなに急ぐことはない あなた しばらくこのお店においでなさいませんか」
そう言うのでした


「見ればお若いお嬢さん 事情がおありなのですね よろしかったら店の手伝いをお願いできませんか」
ーと店の女性も言ってくれて 私はその店に残ることになりました
 
はい わけありのお店なんです

あるのが三途の川の手前ですもの

死んだ人間は三々五々に連れ立って進んできて 案内の方に導かれ 川までたどり着き 己が乗るべき舟を暫く待つのです


中には本当に死んではいない者も交じっておりますので 川を渡れるまでにはちょい時間がかかるのでした


店の女性は どうしても会いたい人間がいて 川を渡らずにこの畔に店を出して待っているそうです

たとえ相手が生きてなくても 今一度なんとしても会いたい人がいるのだとか

「会えない限り 生きているーということだから そのほうがね いいのだけれど」


この店にいるようになって 面白いなと思うのは 気の短い人間は舟の来るのを待たず ざぶざぶと川に入り 歩くなり泳ぐなりして渡っていくのです


どうせ死んでる そんなに急いで どうするの
などと思うのですけれど



案内人さんは 私の死んだ事情から 今少し渡らなくてもよかろうと 情けをかけてくださったようです

事故にあって意識が無いという私の体は どうなっているのやら


つまりは 私は 本当に死んでいない者ーということになるのでしょうか

録画しておいた中から

2015-08-19 09:22:03 | テレビ番組
NHKの「一番電車が走った」を観ました

太平洋戦争末期の広島では 男達が兵隊にとられて運転士不足

そこで広島電鉄
は少女たちを家政学校にて 運転士や車掌として養成します

少女たちの一人とよこ(黒島結菜)に想いを寄せる軍人(中村蒼)は出征し戦死

原爆が投下されぼろぼろになった街を背中に重傷負ったいとこを支えながら避難所へ歩く少女たち校の教室の床では 傷に苦しむ少女たち

怪我の軽い者は電車を運転してくれとー

そう頼んできたのは 広島を走る電車の復興を任された男(阿部寛)
少し前に妻が死んで留守宅には長男をかしらに子供が三人

その長男に妹二人の世話を任せて 殆ど家に帰ることなく不眠不休で働いています

最初 男に反抗的だった二人の部下も 男の熱意に 同じく不眠不休で働いてくれています
その一人は家族を爆撃でうしない 自身も被爆からかもう長くはない状態なのに

最初は1.4キロしか走れなかった電車は しだいに走れる区間が増えていきますが

終戦により 復員兵が戻ってきて 学校は解散となりました

原爆投下後のわずか1.4キロを走った電車は一番電車と呼ばれましたが その電車を運転したのは十代の少女とよこでした


少女とよこの優しい親友も学校の教室の床で亡くなっています
少女とよこのいとこの母親が置いていった桃を「あとで一緒に食べようね」と言った八重
彼女は裏山で火葬にされました

とよこは家に帰る途中 川で体や髪を洗い 水浴びして体の汚れを落とします



焦土となってしまった広島の街

「線路は残っている」 そこから被害状況の地図をつくり 電車が走れるように働く男達

電車が動けば 人が運べる

家族を探しに行ける 物資が運べる


どれだけの人間が 自分たちの個人的なことは後回しにして生きたのだろうと
その復興する逞しい力を思いました


見事に美しく再生した長崎や広島

東北の瓦礫の山もいつか片付き 以前よりも素晴らしい 強い街に生まれ直すことが必ずできる!

そのように思えたドラマでもありました




NHKのドラマでもう一つ
連続ドラマ「美女と男子」が次回 いよいよ最終回になりました

夫が妹と恋愛関係になり離婚したヒロイン沢渡(仲間由紀恵)
彼女はたくましく芸能プロを起こし 頑張っています
鼻もちならない大門までも動かして

長く続いたドラマですので 登場人物のひとりひとりが幸せになってほしいな
納得いく終わり方をしてほしいと 思っています