「なんで なんで」とあんまりうるさいから殺してしまった
さて この女の死体をどうしよう
邪魔だ
捨てに行くには重い
切り刻むのは面倒だ
鬱陶しいから飲みに行って戻ったら 女の死体はあるのに
「なんで なんで」と別の体で繰り返す
ーうるさいなー
うるさいのは嫌いなので殺したら 同じ女の死体が二つになった
増えちまった
もとは同じ一人の女なのに
いいや ほっといて眠って仕事に行った
帰ってきたらーまた増えている
「なんで なんで」
他の言葉を知らないのだろうか
面倒だから また殺してやった
そんな日々を続けるうちに家中が女の死体でいっぱいになった
この女は何なんだ
面倒すぎる
そんなある日 死体女たちは言い出した
「もう留守番はいや」
勝手に出ていけばいいじゃないか
居てくれと頼んだことはないぞ
なんとね 家中の死体女達がついてくるんだ
ぞろぞろ ぞろぞろ
街を行く人々が見ないから この死体女の集団はきっと幽霊なんだろう
俺にしか見えない
それでも俺は触れる
幾度も殺せる
今度は燃やしてみた
死体女達はほどよく乾いていたのか よく燃える
じきに真っ黒になった
俺の人生
死体集団幽霊女なんぞに邪魔されてたまるものか
真っ黒になった幽霊女たちの残骸を俺は踏み潰す
幽霊がどうした
とっとと成仏しやがれ!
「ああやってずっと 何かを踏みつけ続けているんです 薬を打って眠らせても足は動いています」
「何を踏んでいるのでしょうね」
ガラス越しに医師たちは その珍しい患者を観察している
踏むことをやめない男を
動きを止めない男は すっかりやせ細って今にも朽ち果てそうだ
さて この女の死体をどうしよう
邪魔だ
捨てに行くには重い
切り刻むのは面倒だ
鬱陶しいから飲みに行って戻ったら 女の死体はあるのに
「なんで なんで」と別の体で繰り返す
ーうるさいなー
うるさいのは嫌いなので殺したら 同じ女の死体が二つになった
増えちまった
もとは同じ一人の女なのに
いいや ほっといて眠って仕事に行った
帰ってきたらーまた増えている
「なんで なんで」
他の言葉を知らないのだろうか
面倒だから また殺してやった
そんな日々を続けるうちに家中が女の死体でいっぱいになった
この女は何なんだ
面倒すぎる
そんなある日 死体女たちは言い出した
「もう留守番はいや」
勝手に出ていけばいいじゃないか
居てくれと頼んだことはないぞ
なんとね 家中の死体女達がついてくるんだ
ぞろぞろ ぞろぞろ
街を行く人々が見ないから この死体女の集団はきっと幽霊なんだろう
俺にしか見えない
それでも俺は触れる
幾度も殺せる
今度は燃やしてみた
死体女達はほどよく乾いていたのか よく燃える
じきに真っ黒になった
俺の人生
死体集団幽霊女なんぞに邪魔されてたまるものか
真っ黒になった幽霊女たちの残骸を俺は踏み潰す
幽霊がどうした
とっとと成仏しやがれ!
「ああやってずっと 何かを踏みつけ続けているんです 薬を打って眠らせても足は動いています」
「何を踏んでいるのでしょうね」
ガラス越しに医師たちは その珍しい患者を観察している
踏むことをやめない男を
動きを止めない男は すっかりやせ細って今にも朽ち果てそうだ