美貌を封じた竹内結子さんーとの印象・笑
竹内結子さん演じる作家の許に呼びかけた募集に応じてー実話の怪談が届き それは幾つか共通する何かが見えて来るものも見つかる
中でも久保なる女性から届くものには派手さはないものの底冷えするようなものが感じられた
久保(橋本愛)の暮らす部屋にある和室で何か摺るような音が聞こえてーあることから久保は何かが掃除しているのではーと思うようになるが
気味悪くその部屋を閉めて暮らすようになる
ある日 引き戸を開けて見たものから 摺る音は長い帯が畳に擦れる音ではと考えるようになった
宙に浮く女性 着物姿の女性から帯が床へ 揺れるたびに帯が床に擦れて・・・・・
久保の暮らすマンションの他の部屋でも怪異があることが分かる
いたいけない幼女がブランコと言い ぬいぐるみの首に紐をかけて遊び「ブランコ」と言う
また宙を見ていることも
その同じ地域では蛇口に水仕事をする長身の背後から覗きこむ髪の長い女性の顔が写る
しかし・・・・・そのように背の高すぎる女性が存在するとは考えにくくー
久保の暮らすマンション その土地に何かあるのではーと土地の歴史を調べるようになる作家と久保
様々の怪異が浮かんでくる
床下からの声
浮かんでくる赤ん坊達とその泣き声
家中をごみでびっしりと隙間を埋めていくようにして死んだ老人
「燃やせ 殺せ」
若くして気が違い座敷牢に閉じ込められて 座敷牢の中のトイレから床下へ脱走しては床下をうろついていたという男
怨嗟の声は男も憑りつかれていたことを示す
蔓延する呪いの根っこは九州最強の奥山怪談につながっていた
炭鉱での事故
火事の広がりを防ぐ為に炭鉱の中に閉じ込められた人々は焼け死んだ
炭鉱の持ち主は様々な怪異に苦しめられて 家にいる家族から使用人まで全て殺し 屋敷を燃やそうとして果たせず 縊死する
開かずの間から出て来る黑く焦げたような影
屋敷の持ち主が変わってもーそれは出てくることをやめなかった
魔除けの札も効果が無い
いわくつきの品を集めて魔には魔をとー対抗しようとしても果たせず 集めた日本刀で自殺した男
その屋敷のあった品 屋敷に使われていた木材すら呪いを伝える
調査を進めていた作家も体調不良になり 気味の悪いマンションを転居した久保も また擦れる音が聞こえるようになる
呪いは相手を選ぶのか 家族全員不可解な死を遂げる
怪異に気付かない人間
転居しても怪異に襲われ 遂にその怪異と同じ死に方を選ぶ者
作家と久保は 実話系の怪談を書く作家( 佐々木蔵之介)と九州の怪談に詳しい人間( 坂口健太郎)の案内で遂に九州にある呪いのもとの屋敷に出向くがー
ここで娘と私のつっこみは「どうしてそんなに恐ろしい屋敷にわざわざ夜に行く」
小説と映画の最後は異なるものですが
呪いが この広がる怪異を調べていた作家や編集者 久保にも及んでまいります
この映画では炭鉱の火事で黒焦げとなって死んだ人間達の消えない恨みが出てまいりますが
炭鉱で働いた経験のある叔父によれば 地下を掘り進む炭鉱の仕事は 地下水などの水脈にあたり 水が出て狭く暗い坑道に水が満ちておぼれ死ぬ人間も多かったそうです
想像して下さい 狭く暗い坑道 そこに一気に水が満ちる
地の底で溺れて死ぬ・・・・・
炭鉱の持ち主が資産家であれば きちんとした経営者であれば坑道も広くとりコンクリで固めて電気も明々とつけた良い環境の中で仕事ができましたが 持ち主がそこまで余裕ないと木材で支えた壊れやすく暗く危険な坑道の中で呼吸するのも大変な中での仕事となります
しかし 敢えて言いましょう それだけの恨みでここまで広がる 恨みが残るでしょうか
もっともっと「おおもと」があるような気がします
呪われた家 その家の者を根絶やしにしても納まらない消えない呪いー
この原作を読んだ時にも書きましたが 私の両親は九州出身で 私が幼い頃 親戚が泊まりがけで集まるーお盆やお正月には誰からともなく 自分なり身近な人間が体験した恐い話を始めておりました
聞き覚えの怪談が幾つかあります
根っこは同じと思えるある屋敷の物語
私もこのブログで少し設定や形をわざと変えて書いたものもあります
資産家が財産を失い一家離散 もしくは恐ろしい死に方をする
天井にはりつく老婆
床下から大勢の声がする幽霊屋敷
訪ねてくる女ー
すうっと上がり込んできて いつのまにか姿が消えているー
見るだけでも恐ろしい仏壇
確かにこの世には 触れてはならぬ禁忌 人の力ではどうしようもない怪異もあるのかもしれません
後妻となる女性が実家から持ち込んだ美しく微笑む顔が歪むこともあるという姫君の絵姿
お寺に納められているというー
我が家が読経を御願いしているお寺のご住職によれば 持ち込まれる品には言葉にすれば「黒いもの」 黒く見えるものがあるそうです
そのように永いこと経とうとも消えない恨み 呪いとはどれほど根深いものなのでしょうか
以前に読んだ「残穢」について書いたものです↓
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/e/35985dae4eb16463d47d4a946b38f687
関連して 小野不由美著「営繕かるかや怪異譚」 角川書店を読んだ時のものです↓
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/e/04131506a957a5201dcdd47b59c92635
「鬼談百景」を読んだ時のものです↓
http://blog.goo.ne.jp/yumemi1958/e/952bb6b08cbcce42aa8df477d38dc680