夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「恋する魔法使い」-14-

2017-04-03 22:53:17 | 自作の小説
足音をひそめてロズモンドが部屋に入って来る
語り疲れてそのまま眠っている男達にそうっと上掛けをかけて静かに静かに部屋を出て行く
ロズモンドが部屋に入ってきた気配にベルナーは目覚めたけれどー眠り続けているふりをしていた
彼女の起こすまいという心遣いを無駄にしたくなかったのだ
ただロズモンドの優しさとその気遣いを黙って受け取り噛みしめる

ー彼女を守りたい・・・・・
その気持ちはベルナーの心の奥で強くなる
ー恋だろうか これはー
心も体も温かさに満たされてベルナーは再び眠りについた


昼少し前にリトアールとダンスタンは起きて部屋を出て行く
廊下では待ち構えていた従者のゲイルドとオライスが騒いでいた
「どれだけ心配したと思っているんです」

「だって起こしたら可哀想だから 気をつかったんだよ」とリトアール

ダンスタンも開き直っている「これぞ主人の従者への思いやりというものだ」

「そんな思いやりは要りません」とオライス

アクシナティの多くの船は居なくなったはずだが ログサールもまた魔法使い
術が使える
幾つかの船は残っていると考えるべきだった
平和が続いているだけにこの城は侵入者に対し警戒が緩い
ファナクが入って来れたぐらいだし

不意に襲われること
そうしたことへの備えをしているはずだが
それでもー

ログサールは魔法使いなのだ
どういう目くらまし術を使ってくるのか

武器に毒を使う人間でもある
それでランデール王は ベルナーの父は命を落とした

そうしたことをリトアールとダンスタンは兄たちやシャンデ将軍と詰めた話し合いをすると言った

奇襲への備え
今度はあちらが攻めて来る番だ

あれこれ対策を思案するベルナー
そこへアンドールとロブレインが入ってきた
「失礼する」

「やあ 起きたね これはロズモンド嬢から言付かってきた
姫君達がロズモンドを質問責めにして 彼女はこちらまで来られない」
そう言いながら寝台横のテーブルに食べ物と飲み物の入った盆を置くロブレイン

「有難うございます」

リトアールとダンスタンとその従者が姫君達と共にいるのだと話すアンドール

アンドールとロブレインは魔法でどういうことができるのか どういう攻撃があるのか
そうしたことも尋ねにきたのだった

魔法は 術の力は個人差があるーとベルナーは話す
「例えば砂のグラス一杯の力があるとして それを使い切り それ以上の力を使おうとするならー容器ごとーつまり人間の体ごとバラバラになる
でも稀にグラスの中の力を使い切っても砂漠のオアシスの泉のように汲めど尽きぬ力を持つ人間もいる
限界は本人にも分からない
何処が限界なのか
修業をすればするほど力が得られるものでもないし 持って生まれた力がかほどのものであるのかー」

ある程度の話が終わると単刀直入にロブレインが切り出した
「我々は他の名前で呼ぶべきではないだろうか 姫君の従兄殿」

ベルナーがアンドールを見る
「レイダンドの王は隠しておけなかったー」

「言うなって言っといたのにな」情けない顔をするベルナー

「魔法使いの王様なんて世界に対して公平じゃあない かの領域を出たログサールはこの世界に禍をふりまいた
それも僕の母親に恋したからだが
僕はログサールという禍を取り除いたらー事が終わればーかの領域に戻る
アスザールの養い子の魔法使いとして
でも この国にいる間は 歌うたいのベルナーだ」

王になる気はないーとベルナーは言葉を重ねる
「僕には向かないよ あなた方御兄弟のどなたかにこの国はお任せする」


アンドールは内心 忸怩たる思いがある
正当な権利のある人間が王位に就かない

それを「はい 有難う」と受け取っていいものか

これが・・・まだブロディルの国ならば
まだ長男というだけで王位に就いて・・・
いいのか いいのだろうか・・・

自分に王たる資格があるのか

一人の男として・・・・・どうなのか


落ち着いてはいるが そう見えるがアンドールは若く見かけほど自信に満ちているのではない

自分と違う生き方をする同年代の人間の出現に自分という存在への これでいいのかーという疑問と揺らぎ

「リボンをかけて渡されても こちらに受け取る資格があるのかーそうした問題もあるのだが?」
ロブレインがストレートに疑問形で言葉を返す
アンドールの心を読んだように

ベルナーはにっこりして言う「受け取ってからできる資格もあるかと」
彼は笑顔のまま言葉を続ける

「ああ そうだ 助けてもらったお礼をカズール・シャンデ将軍にまだ言ってませんでした
それがとても心苦しくてー
もしも将軍に空いた時間があれば会いに来ていただけるようお願いできませんか」



しばらくして入ってきたシャンデ将軍にベルナーは真剣な顔で頼み事をした







物は験しだし

2017-04-03 22:45:05 | 子供のこと身辺雑記
明日は左目に注射するーという初体験をしてまいります
かなりお高い注射なので思案もしておりましたが悪くなってからよりも早めの治療と思って

目が見えなくなったら運転もできないし 本も読めないから^^;

眼科医の先生も視力はいいのだけれどーと

ここ数日は日に四回 朝昼晩と寝る前と消毒の目薬さして

明日は素顔での病院行き
翌日も診察あり

何事も経験ーと思って開き直りました




でも無くても不安な置き(固定)電話

2017-04-03 14:36:34 | 子供のこと身辺雑記
家にいると 「押し売り系」の電話もよくかかってきます
非通知とか携帯電話からーとかは極力出ないようにしているのですがー
(ロクなものが無いのでーー;)

たまたま出るとやっぱり 何かの「販売系」

「〇〇(他県)にあるミシンの会社なのですが このたびそちらの地域にー」

と来たので
「ミシンなら近所のお店で購入したものがありますから」と答えたら

「どちらの会社のですか」
と一際大きな声で問い詰めるように言ってきたから


「必要ないので切りますね」と言って切ったらー
同じ電話番号から再びかかってきたから無視
(電話を切ってからーなんで そんな情報を教えなきゃならないーと 電話に向かってつっこむ私・笑)


家族とか近い親戚や友人は携帯にかけてくるかメールだし

ただ私より世代が上の身内は家の置き電話にかけてくることがあるからー
置き電話が鳴ると やっぱり気になります

面倒でも愛着もあり手放せない家の置き電話(固定電話)だったりします
半世紀 番号が変わってないから もしも置くのやめたら それはそれで知人に連絡するのも面倒だし

半世紀以上昔の映画ーです

2017-04-03 09:48:01 | 映画
このところBSプレミアムで三船敏郎さんの映画を放送していて 家に居られる時間だからと録画しないで放送をそのまま観ておりました
ーと そういう時に限って近所の友人が来て・・・後は最後の半時間ほどしか観られませんでした
やっぱ映画は録画って保険をかけておかないとダメだわー と反省した次第です^^;

で春休みで家に居た長男がこの映画が始まったところに隣の部屋から飲み物を取りに来たものだから
どういう映画で どういう俳優さんが出ているかを説明したら暫く立って観ていた長男
私が友人が帰ってから 長男の居る部屋を通ったらー同じ映画を観ていました

以前は余り映画やドラマも観なかった長男ですが 最近は時々興味を引かれたものは観るようになってきています

私が巻きこむからか?!(笑)

「椿 三十郎」(日本映画 1962年 黒澤プロ 東宝)黒澤明監督作品
織田裕二さん主演で謎のリメイクがされた映画です

悪者一味に捕えられた善玉の城代家老睦田弥兵衛(伊藤雄之助)
これを救わんとする正義に燃える若侍達(加山雄三 田中邦衛ら9名)
その危なっかしさが見ていられず手を貸す凄腕の浪人(三船敏郎)
救い出した城代家老の奥方(入江たか子)から名前を問われて 困ったように顎をかきながら庭で咲いている椿の花に目を留め
「椿 三十郎」と名乗る

奥方もそれが本名とは思っておらず その風変わりさをおっとりと笑顔で迎える
追われて逃げないといけない時にも娘の千鳥(団令子)と二人して 塀が越えられないとのん気に座っているので
三十郎が踏み台になってやる
どうやら不思議な奥方の人柄にうたれたものらしい

若侍らに捕えれた悪者に使われていた武士(小林桂樹)も のんびりゆったり

面白い人物が多数出てくる映画でもあります
真面目だけれど面白い

殺陣はさすがの迫力で 会話場面との緩急が素晴らしいです

最後は斬り合いに乗り気でない三十郎に こけにされたと立ち合いを求める室戸半兵衛(仲代達矢)
解決して去ろうとする三十郎を追ってきた若侍たちの前での ほぼ一瞬で勝敗がつく闘い

三十郎の強さが際立つ演出

青い若侍たち

幾度も死線 修羅場を乗り越えた百戦錬磨
厳しく生きてきた椿三十郎と名乗る浪人との越えられない違い

理想に燃える仕える藩もある若侍たちに 自分のような生き方をしてほしくない願いすら感じられる終わり方と
立ち去り方となっています

椿三十郎を演じる三船敏郎さんが醸し出すその人間味
これこそが この映画の魅力であるような気がします

ひとつひとつのセリフに ただ感心させられます
無駄なものは何もないーと




もう一つ古い映画を
「ウエスト・サイド物語」(アメリカ映画 1961年)
不良グループのポーランド系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団はその縄張りで小競り合いを繰り返していたが 
決着をつける為の決闘をすることとなる
これにジェット団を抜けて真面目に働いているトニー(リチャード・ベイマー)とシャーク団のリーダーの
ベルナルド(ジョージ・チャキリス)の妹マリア(ナタリー・ウッド)の恋が絡む

争いを止めようとするトニーだが 決闘の場で親友リフ(ラス・タンブリン)を殺され ベルナルドを殺してしまう

マリアに一目会ってから警察に出頭しようとするトニー
それをマリアは止めて二人は愛し合うのだけれど
ベルナルドの恋人が帰ってくる

トニーはマリアを二人で街を出ようと誘う

ベルナルドを殺されたシャーク団はトニーを捜している

危険を冒してマリアの伝言をトニーに伝えようとしてくれたベルナルドの恋人の女性だがー
ジェット団から暴力を受け 嘘の「マリアは死んだ」と言う言葉を残す

それを教えられたトニーは生きる希望を失くし 自分を追っているだろうシャーク団のチノ(ホセ・デ・ヴェガ)に殺されることを願い叫ぶ
「自分を殺せ!」

けれど目の前に街を出る仕度をしたマリアの姿が
抱き合おうと駆け寄る二人

その背後からチノがトニーを撃つ 何発も

マリアの腕の中で頽れ倒れるトニー
銃声に集まってくるシャーク団とジェット団 彼等は悲劇に声も無い

マリアの哀しみの叫び
「憎しみからは何も生まれない」

警察も来る

シャーク団とジェット団は一緒にトニーの亡骸を運んでいき マリアもついて行く


目を見張るのはアリアを演じるナタリー・ウッドの魅力です
目の前でトニーが殺されてからのー

彼女は俳優のロバート・ワグナーと結婚し 後年 不慮の事故死を遂げます
43歳でした