夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

貫井徳郎著「誘拐症候群」 (双葉文庫)

2017-04-13 21:40:38 | 本と雑誌
誘拐症候群 <新装版> (双葉文庫)
貫井 徳郎
双葉社



紳士服のモデルもできそうな外見の環が非公式に使う男達
今回は普段は虚無僧姿で托鉢をしている武藤を中心に物語が展開していく

風邪で鼻水をこらえていた武藤に配っていたティッシュを差し出してくれた高梨

他人とは個人的な関わりを持たないようにしていた武藤だが 今度は高梨が風邪から体調を崩し 彼の家まで送っていくことに
そんなことから言葉をかわすようになった高梨のまだ赤ん坊の子供が誘拐され 何故か武藤が身代金を運ぶ人間に 犯人側から指名されて警察から犯人の仲間かと疑いの目も向けられることにー

犯人の計略にかかり 襲われた武藤は身代金を奪われた

しかも赤ん坊は死体で発見された

責任を感じて警察からは疑われつつ 自分なりの考えで犯人を見つけようと動く武藤

それとは別の小口誘拐も連続しておきており こちらの事件を追う環は 武藤の追う誘拐事件をも利用する力業で 隠れている犯人を追い詰める

誘拐犯が逮捕されてからの 高梨と武藤の会話が・・・・・


絵本作家の高梨は結婚を反対されて家を出て 自分の力で妻子を養う為に頑張る誠実な男だった

高梨が選んだ妻の国籍が許せない父親はー用立てた身代金にある細工をしており それゆえに誘拐犯は 手に入れた身代金が本物の紙幣ではないと思い込み 赤ん坊を殺した
その事実を知った高梨は 自分の父親が許せなかった


武藤は過去に自分の心に「獣」がいると知り 警察を辞めた男
高梨の話を聞いた武藤は思う

高梨もまた自分と同じ「獣」が心にいる男であったのかとー

「獣」を呼び起こす引き金となったものはー


そうした「獣」は目覚めるか目覚めないかで 誰の心にも居るものだと思うけれど