桜舞う (PHP文芸文庫) | |
あさの あつこ | |
PHP研究所 |
長屋住まいの町医者の娘おいち
伯母のおうたは年頃になったおいちの嫁入りを願うが・・・・・・
おいちは父のように人を助けたいー医師になりたいと思うようになっている
喧嘩で負った傷をおいちの父の松庵に縫ってもらった腕のいい飾り職人の新吉は おいちを大切に想っている
美しい簪を持っていてほしいとくれるほどに
ことあるごとに新吉は頼りにできる姿を見せる
命懸けでおいちを守ろうとし救ってくれる
おいちは幼馴染のおふねから 夢の中で救いを求められる
血だらけになって おふねは死んだ
そのお腹には赤ちゃんが・・・・・
おいち・おふね・お松 仲良しの三人のうち一人が死んでしまった
往来で絡んできた男達からおいちを助けてくれた青年医師は 松庵のことを何故か親の仇と思い込んでいた
その勘違いを おうたがすっぱり諭すが この青年医師の思い込みには理由があった
おいちの出生にからんでいたのだ
借金の為に父親に売られそうになったお松は 知った秘密を金にしようとある場所を訪ねる
お松を救おうとしてくれた青年医師も捕らえられた
二人を助けにいったおいちも閉じ込められた物置小屋ごと火事で殺されそうになる
人の命を救う立場にある人間が己のその立場を守る為に 平然と人を殺す
同じ医師でありながら松庵とは正反対の男
不思議な力あるおいちを主人公とするシリーズ第二作
おいちの力はなにゆえなのか
彼女の夢に救いを求める人間が現れる
これから遭遇する治療を必要とする人も視⦅み⦆えることがある
「救いたい」人を救える 助けられる人間になりたい
そう願うおいちの心に 助けてほしいモノの心がひき寄せられるのか