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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

堂場瞬一著「讐雨 刑事・鳴沢了」 中公文庫

2009-03-21 07:56:11 | 本と雑誌

堂場瞬一著「讐雨 刑事・鳴沢了」 中公文庫
堂場瞬一著「讐雨 刑事・鳴沢了」 中公文庫
少女を誘拐してはいたずらし残虐に殺していた犯人の間島が捕まり 事件は終わったかに思われたがー
間島を釈放しろ でなければ こちらにも覚悟がある・・・という要求が入った

鳴沢を始めとし 仕掛けられた爆弾で 怪我人が出る

現実にあった事件を連想させる犯人の間島

非業な死を遂げた娘を持つ親や周囲の人々の思い

ーお前は刑事でいろよー

鳴沢へ向けられた言葉

仇討ちは許されない世の中ですが 目には目をー
奪われた命には 命を持ってー

それは{情}として 当然の気持ちかと思われます


万城目学著「プリンセス・トヨトミ」文藝春秋

2009-03-20 22:50:54 | 本と雑誌

万城目学著「プリンセス・トヨトミ」文藝春秋
万城目学著「プリンセス・トヨトミ」文藝春秋
会計検査院副長松平と部下二人は東京から大阪にやって来た

松平は子供の頃 赤く染まる大阪城を見た記憶があった

部下の一人 太めの鳥居は 中学生の起こす騒動に巻き込まれる

今一人の部下 一見外人に見える美女にも秘密があった

大阪の抱える秘密

全て ある血筋の人間を守る為に

活発な少女 茶子
彼女の言動には 話す言葉のせいか じゃりんこチエを思い出させるものがあります

「鴨川ホルモー」で京都

「鹿男あおによし」で奈良

今回の「プリンセス・トヨトミ」で大阪

次は何処を舞台に作品が書かれるのでしょう


米澤穗信著」「秋期限定 栗きんとん事件」上 創元推理文庫

2009-03-20 13:06:07 | 本と雑誌

米澤穗信著」「秋期限定 栗きんとん事件」上  創元推理文庫
米澤穗信著」「秋期限定 栗きんとん事件」上  創元推理文庫
小市民を目指す小鳩君と小山内さんは 一緒にいたら小市民でいられないので前作でコンビを解消した

小鳩君は仲丸さんから交際申し込まれ

小山内さんは何かと問題多い新聞部の瓜野君に 付き合いを申し込まれる

小鳩君の友人で頼りになる堂島は新聞部部長の座を退く

小山内さんの本性知っている小鳩君と 知らない瓜野君

下巻を読めば 知らないって怖い(笑)と思うこと請け合いです

誰が放火犯人かの伏線も これみよがしなほど しっかり書かれております

理想とする小市民は どうしたって無理だと思える小鳩君と小山内さん

美味しいお菓子が食べたくなる副作用あります


堂場瞬一著「帰郷 刑事・鳴沢了」中公文庫

2009-03-20 02:04:59 | 本と雑誌

堂場瞬一著「帰郷 刑事・鳴沢了」中公文庫
堂場瞬一著「帰郷 刑事・鳴沢了」中公文庫
父の死により生家の後始末をしていた鳴沢は 時効により未解決事件の関係者から ねちっこく再調査をと絡まれる

遺された亡き父親の日記
父の当時の部下 緑川
関係者からの話など考え合わせるうちに浮かび上がってきた真犯人の姿はー

恋人優美との関係も新しい局面に来ていた

新潟が舞台なのに今回 新谷さんが何故か出てきませんでした
残念

代わりに大西刑事が成長した姿を見せます


堂場瞬一著「孤狼 刑事・鳴沢了」 中公文庫

2009-03-19 20:17:29 | 本と雑誌

堂場瞬一著「孤狼  刑事・鳴沢了」 中公文庫
堂場瞬一著「孤狼  刑事・鳴沢了」 中公文庫
刑事が自殺 そして一人の刑事が行方不明になった

鳴沢と今は 沢登から特命を受け 得体の知れない何かの捜査を始める

警察を辞職し探偵となった小野寺冴との再会

捜査を妨害する刑事達は 鳴沢が愛する優美まで巻き添えにしようとする

やがて絵解きをした鳴沢は反撃の作戦を立てる

実家が寺の今刑事が楽しい

物語に明るさを添えます

鳴沢は胃癌で死にかけている父に 連絡をとろうと思うまでに心がとけていきます


堂場瞬一著「熱欲 刑事・鳴沢了」中公文庫

2009-03-19 14:49:15 | 本と雑誌

堂場瞬一著「熱欲  刑事・鳴沢了」中公文庫
堂場瞬一著「熱欲  刑事・鳴沢了」中公文庫
前作の多摩署から異動し生活安全課で横山の下にいる鳴沢

詐欺の訴えを受け捜査を始める一方 アメリカ留学時代の友人との再会も

暴力夫押しかけ事件で被害に遭った人妻を庇う女性は 奇遇にも内藤の妹優美だった

優美もまた暴力夫に刺された過去があったのだ

優美の息子との触れ合いに戸惑いを覚える鳴沢

優美との間にも何かが生まれそうな気配がある

詐欺事件は中国マフィアも絡み更なる広がりを見せる

過去の両親の死にとらわれつつも豪快な内藤

頑なな男 鳴沢

少しずつ人のはば 厚みを身につけ 成長していきつつある

やがては父の気持ちも理解は出来る日が来るのだろうか


堂場瞬一著「破弾 刑事・鳴沢了」中公文庫

2009-03-19 07:10:26 | 本と雑誌

堂場瞬一著「破弾 刑事・鳴沢了」中公文庫
堂場瞬一著「破弾 刑事・鳴沢了」中公文庫
新潟県警を辞職した鳴沢だが 刑事しか出来る仕事はなく警視庁に
住む家も学生時代からの恩人 沢口の世話で海外滞在中の留守宅をただで

見逃すしかなかった祖父の死
過去の重み

祖父は過去ある事件に関わっていた

それは警官のしていいことじゃなかったのだ

犯人を射殺し ほとぼりが冷めるまで 干されている形の小野寺冴と 鳴沢はコンビで 襲われ姿を消したホームレスの事件を調べる

過去ー

学生運動

事件の根は深く・・・

美貌の刑事 小野寺冴とも 次第に息が合い 大切に思い合うようになるが

鳴沢は簡単には幸せになれない厄介な性格 人間性なのだった

シリーズはまだ続きます


堂場瞬一著「蝕罪 警視庁失踪課・高城賢吾」 中公文庫

2009-03-18 21:44:51 | 本と雑誌

堂場瞬一著「蝕罪 警視庁失踪課・高城賢吾」 中公文庫
堂場瞬一著「蝕罪 警視庁失踪課・高城賢吾」 中公文庫
解説を読んで 心の準備をしてから 本編を読むのが 私は好きです

だから解説がある本は とても嬉しいです

ハードカバーの寂しい所は あとがきも解説もない所だったりします

シリーズ第一作にふさわしく 詳しく丁寧な解説を香山二三郎氏が 書かれています

主人公 四十五才 高城賢吾は失踪課に配属になる

そこの室長は彼より三才上の女性
彼女は他の課の男達の鼻を明かす為にも 高城に本来の実力を発揮してほしいと 大きな期待を寄せていた

捜査一課に回されるはずが割食った明神愛美は 不満で仕方ない

心臓が悪い法月

元野球選手の醍醐

お嬢様刑事 六条舞

射撃以外は?な森田
個性豊かな面々が揃った失踪課

高城と同期の長野に言わせれば 事件を呼ぶ男体質の高城は 結婚を控え消えた男 赤石を捜すが

インチキな健康会社

別な行方不明者

殺人事件

暴力団も動き始め

人探しは 思わぬ広がりを見せていく

高城は かつて娘が行方不明となり 遂に見つからなかった

その為 妻とも離婚

酒びたりの生活となっていた

高城再生

果して 高城の娘は 何処かで生きているのだろうか


堂場瞬一著「雪虫」中公文庫

2009-03-18 14:38:28 | 本と雑誌

堂場瞬一著「雪虫」中公文庫
堂場瞬一著「雪虫」中公文庫
祖父 父 と三代続いた刑事の鳴沢了

昔は美人だったらしい老女が殺され 調べるうちに彼女がかつて宗教団体の教祖であったことが分かる
50年前 信者が起こした殺人事件

その過去の事件に了の祖父が関わり 父も調べていたことがわかる

続く殺人

事件の目撃者として了は 学生時代の初恋相手と再会し 何かが生まれそうになるが

余り知られていない新潟大空襲

再建

日本海

刑事として生まれたと言う男 鳴沢了
シリーズ第一作です


キャロライン・ヘインズ著「ダリアハウスの陽気な幽霊」創元推理文庫

2009-03-17 23:52:47 | 本と雑誌

キャロライン・ヘインズ著「ダリアハウスの陽気な幽霊」創元推理文庫
キャロライン・ヘインズ著「ダリアハウスの陽気な幽霊」創元推理文庫
借金 負債 なんと表現してもいいけど返せる当てはなし
先祖代々の屋敷ダリアハウスは手放すしかないのだろうか
故郷に帰ってきたサラは途方にくれていたが 屋敷の幽霊の入れ知恵で動いたことから 次から次へ過去の事件へ
求婚者

子宮がときめく男

殺人

南部女性 とにかく頑張る
いきあたりばったり なれど 幸運に恵まれ事件は解決

で 探偵としても認められちゃったみたいなサラのシリーズ第一作です


犬飼六岐著「無双十文字槍」徳間書店

2009-03-17 17:12:33 | 本と雑誌

犬飼六岐著「無双十文字槍」徳間書店
犬飼六岐著「無双十文字槍」徳間書店
でかい 強い ごつい
酒が好き 女が好き そこそこせこい
子供と薄幸の女 年寄りに弱い

情に篤い

末法院不覚と名乗る
気分で変わる寺のご本尊は 石 欠けた茶碗 おたまじゃくし
ネズミも逃げ出す荒れ寺に 儲け話を持ち込むは瓦版売りの佐一

「相対死(あいたいじに)」供養してくれと長持ちに入れ男女の死体を持ち込んだ天女のように美しい女

その女おひろを襲っ た男達の正体はー

二組の盗賊の暗闘が浮かぶ

「用心棒」菓子を売る亀屋の主人は幽霊に怯え 不覚が幽霊退治で泊まり込むことに

裏には後妻のとんでもない行状があった
幽霊騒動が収まってから 売り出された菓子を見て不覚は思う ーなんとしぶとい女だ あれは 生きているうちから 化けて出るかもしれんー 不覚は思わず懐に手を入れ ひしと念珠を握り締めた

そこはかとないユーモアが漂います

「姫街道」狐つき騒動にカタをつけての帰り道 襲われる男女を不覚は救うが
再度の襲撃に 男傷ついた身で更なる深傷を負いながら 女を庇い命を落とす

女 何処かとぼけたばあさまを守り 不覚は敵の首領らしい男と命のやり取りを

最後まで ばあさま老女に振り回されっ放しの不覚の人の良さが笑いを誘います

「邪剣」辻斬りにしても余りに残虐な手口が続き その被害者の死体を見つけた不覚と佐一は 死体の娘の言動に 人殺しを捕まえようとする

その相手はさしもの不覚も驚く動きを見せた

「人部薬」行方不明になった子供
墓地を歩く店主

その裏には鬼畜な男率いる一味がいた

子供になつかれた不覚
寺にいた猫の意外な行方

「帰郷」死んだ女中は生き返り 狐がついた
相談を受け不覚は店に泊まり込む

だが その話には裏があった

薄幸の女の死の間際の願いを叶えるべく不覚は及ばぬながら尽力する

「兄弟子」剃髪させ守ってやろうとした男

今の立場ゆえ死へおいやられるを黙認した 不覚の兄弟子

若き日の懐かしき思い出ごと断腸の思いで不覚は 信じる正義の為に槍をふるう

「女地獄」障子がひき開けられれば 刃物が落下し 死ぬ仕掛け
娘が開け 父親が死ぬ
かかるややこしい方法で何故殺したのか
不覚の見つけだした真相は

「淫虫」不覚さんは出てきません

村中の女に手を出そうとしてる好色医者
そいつを懲らしめてくれと頼まれた鹿蔵はー

あんた達ってば!しゃあないわねー

しゃあなさぶりが笑えます


犬飼六岐著「やさぐれ 品川宿悪人往来」 実業之日本社

2009-03-17 00:55:49 | 本と雑誌

犬飼六岐著「やさぐれ  品川宿悪人往来」 実業之日本社
犬飼六岐著「やさぐれ  品川宿悪人往来」 実業之日本社
男をあげようと村から出てきた矢吉は 実直すぎて悪人にはなりきれない
危ない所を助けてくれた顔に傷のある武士はー五年前 行方不明になった凄腕のうわばみ左門なのだろうか

茶屋で男達に絡まれたおかめ女を助けようとした矢吉は それが美人で名高い胡蝶の変装だったことを知る

縄張り争いのいざこざ
そこに 矢吉を迎えに来ていた妹おりくが巻き込まれ 役人に捕えられてしまった

今は乞食をしている元盗賊の万蔵

変装得意の胡蝶

酒さえ入れば無敵の彦六
彼らの力を借りて作戦決行

兄貴分の隆次に 妹助けだしゃ 村に帰れと言葉もらい

青春ぐらふてぃ
後味良い物語あります


「千手千眼官能観念仏像の怪」ー15ー

2009-03-16 17:22:36 | 自作の小説

ドアを閉め もたれて遠ざかる足音を聞く
聞こえているつもりになる

エレベーターに乗った

車は待たせていたのだろうか

それとも電話で呼んだか

使ったグラスを洗い シャワーを浴びて

真っ暗い部屋のソファーに座る

と声がした
「あんさん アホやなぁ」

懐かしくさえ感じる謎の仏像センセンちゃんの声だった

「アンタが出たら余計揉めて纏まるもんもぶっ壊れるってナナちゃんが言うから
ずうっと我慢してたんや

けど 纏まるように見えへんしな
見るにみかねたわ
さっきも期待したのに
なんで押しが弱いんやろ

こう押し倒してやな
一気に」

ここでセンセンちゃんは言葉を切った

「つまりは ずっと見てたーと」

相手が仏像でも 見られるのは 嫌だぞ

あんなことや こんなことしてるのを

「しやけどホンマ後ろ向きやなぁ 他の男とは付き合うてないて まりいはんも言わはったやないかいな

もっとマトモに ぶち当たってみては どないだ」

黙っていると センセンちゃんは どんどん言葉を重ねる

「うじうじ片思いしてるんが 黙って見てるんが 優しさやあらへんのでっせ
きちんとケジメつけなはれ
人生限りがあるんでっせ

ぼやぼやっとしてたら あかんがな」

身振り手振りも賑やかにパワーアップしたように見えるセンセンちゃん

「元気だ・・・」思わず呟く

「お腹は空いてますけどな
夜食には蕎麦 うどんもええなぁ」

明け方近く うどんすする仏像
シュールだ

暫く会わなかったから センセンちゃんの一挙一動がとても新鮮で不気味だった

当たって砕けろか
確かに確かに ここんとこ いじけていたかもしれない

センセンちゃんは飲んで食べて飲んで食べる

「お供えくらいはしてくれへんと マンゴーとかメロンとか 季節の果実酒とか ワインも宜しいなぁ」

「起きといてや これ飲み終わったら真剣な話あるさかいになぁ」

だがしかしセンセンちゃんはー寝た

待っているこちらの事も考えずー

このいい加減さ
誰かに似ている

仏像に布団が必要かどうか分からないが かけてやる

暫く眠る気になれず 明けてくる窓の外を眺めていた

恋・・・

まりいは優しい

好きだーと言われたら相手を好きにならないといけないと思い込むようなところがある

「そう 実はわたしも好きなの
付き合いましょうか」

学生時代のまりいとは どうだっただろう

なんとなく一緒にいて恋人同士になった

まりいが「見合いした 結婚するから」と言うまでは

俺は映画「卒業」のダスティン・ホフマンにはなれなかった

まりい まりい

強気のマドンナ
毒舌のプリンセス

百万本の薔薇は贈れないが

君に相応しい深紅の薔薇を花屋で探そう

愛しているよーとカードを添えて

ああ 新しい携帯の番号も入れておこう

花屋で選んだ薔薇の花束を面倒だけど時間差で届けてくれるように頼んだ

俺は まりいの家の前で花屋が配達するのを眺めてた

ー愛しているよー

ーずっと好きだったー

ーただ 君が好きなんだー

ー愛してる 愛してる まりいー

続いて届けられる花束には それぞれカードを添えた

ー さあ どうする まりい?

ー駄目なら 一言「大嫌い」それでいい
君の前から完全に姿を消すよ
準備はできてるー

電話がかかってきた
「何よ 何よ これ 今 何処よ バカ ツマコ」

半分 涙声だ

「君の家の前にいる」

ほどなく玄関の扉が開き
まりいが駆けてくる

「ば ばか 馬鹿たれ」

「なんで なんで オカマになったりゲイ・バーのママになったり
他のコと付き合ったりするのよ

そりゃドレス似合うけど」

「言われてみれば 幾らまりいが物好きでも こんなアタシを好きになれるはずなかったんだわ

ごめん 今の忘れて
なかったことにして」

くるりと背中を向ける

その背中に飛び蹴りが入った

「何故ここで オネエ言葉になるのよ

遊ぶなツマコ
ツマコなんて ツマコなんて」

ドンドン背中を殴られる

「キスが違う ツマコみたいなキスは誰もしてくれない

いつもいつも結婚がうまくいかないのはツマコのせいなんだから

他の男はダメなの 全然 ぜんぜん

ツマコみたいには

ツマコがいいの」

力いっぱい どつかれて背中が痛い
なのに笑いがこみあげる

叩かれながらまりいに言う

「ねえ まりい 男の趣味最悪だ」

バン!今度は頭を殴られた

長生きできないかもしれない

「何度も諦めた 他の男と付き合っても ツマコとは違うの」

「まりいを幸福にできる自信がなかった
今もないけどね」

「バッカね 一緒にシアワセになるんじゃない」
と まりいが言う