出前に来たまだ少年だった鏑矢の素質を見抜き ボクシングのジムへ入れたボクシングの鬼のようにも 美人高校教師の高津には見える曾我部
彼の指導法は独特で激しく厳しかった
曾我部は高校に入りアマチュアボクシングを始めた鏑矢を「錆びついた」と言う
規則で高校のボクシング部では許されないスパーリングをするために 鏑木は木樽を曾我部のいるジムに連れていく
部の課外活動という名目で高津も二人に同行した
曾我部は木樽のことも「強くなる」と言う
不敗の稲村
ライト級の王者
鏑矢は試合で稲村に負ける
そしてボクシング部を辞めた
サッカー部に入り 素質を惜しまれるも一か月で退部
学校もまともに来ないようになる
それでも木樽の試合は観にきてくれた
そして新人大会で優勝候補と目されていた相手に勝ち 優勝する
稲村は木樽に「春のインハイ予選で君と戦うのが楽しみです」と声をかける
映画では余り描かれませんでしたがー原作では稲村はとても礼儀正しく周囲よりもひときわ大人です
おかしな試合をする選手には試合でこらしめるような勝ち方もし ボクシングへの正しい愛と正義感がうかがえます
稲村の父はパンチドランカーで ボクシングの後遺症に苦しんでおり ゆえにボクシングの怖さも知っている人間でもあります
高校生ながらもうすでに社会へでているかのような風格
ボクシングのマネージャーとなり 鏑矢をおおっぴらに好きだと言っていた丸野が亡くなりました
葬儀の席でボクシング部の面々に病死した丸野智子の母親は マネージャーとして部員たちのことを詳しく智子が書いたノートを見せられます
また鏑矢には「死んだら(鏑矢の)守護天使になる」と話していたのだと伝えられました
「リングで輝く人やって ボクシングをするために生まれてきたような人」と 智子は鏑矢のことを話していたのだと
鏑矢はボクシング部へ戻ってきました
四か月ボクシングから離れていたために体もなまっています
それでも以前とは違い真剣に練習に取り組んでいました
同じライト級の選手として大会に出場
鏑矢と木樽は対戦し 木樽が勝ちます
鏑矢は木樽の為に何ができるのか考えて スパーリングパートナーになると決心しました
ライト級の王者 稲村を倒すために
裏方に徹する
木樽の練習に付き合って
鏑矢は曾我部の指導も受けてました
次の国体予選も木樽と鏑矢はライト級の選手として出場
いよいよ木樽は稲村と対戦です
善戦するも木樽は稲村に負けました
「カブちゃん 頼む」と木樽は鏑矢に言います
ー鏑矢は黙ってうなずいた 木樽はにっこり笑って床に倒れ込んだー
そして鏑矢は稲村と戦う
この試合で鏑矢は稲村に勝つが指の関節部分を骨折する
同じところを繰り返し骨折する慢性的故障で選手を続けられずマネージャーに回る
木樽はインターハイ二連覇 高校三冠ーという記録を残し 大学卒業後は検事となった
試合でただ一人負けた相手が稲村だったことになる
稲村は世界ライト級の世界チャンピオンとなり七度防衛してタイトル返上して不敗のまま引退した
今は三島姓となった旧姓高津は 十年して恵比寿高校ボクシング部の顧問になり戻ってきた
当時の監督だった沢木は大学のボクシング部の指導をしている
今や木樽はボクシング部の伝説として憧れられる存在となっていた
そして丸野智子の写真が今も部室に飾られている
ボクシング部の守護天使ーと言われているのだった
高校卒業後 単身渡米した鏑矢はお好み焼屋の経営者となっている
三店舗持ち さらには道場を開き総合格闘技を子供たちに教えている
ケンカが強いだけだった少年はー
無冠の帝王ー
世界王者になった稲村をただ一人倒した男
鏑矢は「風のような子だったー」と旧姓の高津は言うのだった
小島秀夫氏の解説も楽しく読めます