夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

長岡弘樹著「群青のタンデム」 角川春樹事務所

2014-09-24 13:58:41 | 本と雑誌
群青のタンデム
長岡 弘樹
角川春樹事務所
 


駆け出しの交番勤務から警察を退職してもずっと続いた不思議な競争 

どちらが勝つかの他愛なくも見えた競争には もう一つ別の意味があった


連作の短編を読み進みながら 何かはっきりしない「もどかしいもの」

最後の物語でそれが姿を見せる
哀しい形で


読了して 再びすぐに「確認のために」読み返してしまいます

明るい話ではありません


犯罪を隠して生きてきた そういう生き方は嫌だし

まして普通の人間ではなくて警察官であった


正義感があるはずのー


たとえ最後は自首したとしても




正義感ゆえに犯した罪でも罪は罪


善悪その両方を抱えて生きている人間という生き物


警官をおまわりさんは正しい人ーと信じて 人は生活したいんです
安心して

高野史緒著「カラマーゾフの妹」 講談社文庫

2014-09-23 20:19:20 | 本と雑誌
カラマーゾフの妹 (講談社文庫)
高野 史緒
講談社
         



ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の事件の真相があるとして書かれた物語 
フョードル・カラマーゾフを殺したのは 三男アレクセイであったのだと 
 その結論となっています 



「花子とアン」で人気を呼んだ吉田鋼太郎さんが テレビドラマ「カラマーゾフの兄弟」では この殺されるフョードル役でした


私はそのままドラマでフョードル殺しの犯人とされていたフョードルの隠し子の 小説ではスメルジャコフが犯人の方がすっきりして読後感もいいたろうとは思いましたが 


ロシア文学に詳しい亀山郁夫氏や沼野充義氏も 文庫巻末の著者との鼎談で絶賛しておられるから こういう解釈もありーなのでしょう 


くだくだ書いてきて こういう終わり方かーと 私はがっかりもしましたし とても気持ち悪かったです 


人の好みはそれぞれです 


ですが 読後感が良い物語ではありません 



果たして「カラマーゾフの妹」は必要であったのか 書き加えられる意味はあったのか 



私にはドストエフスキー氏が苦笑しているようにも思えます 


作品が忘れられるよりは いいのかもしれない 


ただこうした試みは もとのオリジナル作品を冒涜したように感じることもあります 


著者の趣味に利用されたように感じることも 


「カラマーゾフの妹」を読んで 「カラマーゾフの兄弟」を読んでみようと思う人がいたら 
多少は書かれた意味もあるのかもしれませんが

秋分の日も笑いから始まる♪

2014-09-23 10:58:01 | 子供のこと身辺雑記



卵焼き 作るおかずを思い付かないと とりあえず(笑)焼いています 

蟹と豆腐のお吸い物 

エリンギ・人参・ピーマン・牛肉の炒めモノ 味付けには焼肉のタレを利用して 
今日はこれを姑と主人のおかずで届けてきます 



朝 起きてきた長男の下着が裏返しになっていたから
「それはー」と下着の縫い目を指差したらー

「脱ぎたかったからや~~~~~」と奇妙な抑揚を付けて歌いながら着替え直した 


私「そ そうだったのか 頑張れ」 


長男「ネタに決まってるやろ 冗談や 冗談 
だいいち 何を頑張るんや」 


私「いや 有難う 
(ブログの)ネタを頂きました(笑) 
そっか~ そうなんだね 
ー脱ぎたかったー」 


長男「だから 納得するな 
冗談やから 笑いをとろうと思っただけやん 」 


私「今日も身を削ったネタを期待している 
とにかく頑張るんだよ」


と気の毒な長男は 今日も母親のブログネタにされるのだった

今夜も外食で

2014-09-22 20:40:54 | 子供のこと身辺雑記

調子悪かった洗濯機を電気屋さんが来て見てくれたのですが 

結局 買い換えることになりました 

で 普段と違う時間に帰宅となった長男 
駅まで迎えに行ってそのまま姑の家へ 

改めて帰宅して料理するのも 何かしんどい気がして 帰り道 長男と二人外食で済ませました 

ちょっとさぼり癖ついています(笑) 


明日は真面目に料理しましょう

母校の後輩たちが大学見学

2014-09-22 20:36:02 | 子供のこと身辺雑記


同じ学校を出身のT教授と大学院生の長男も声がかかってお手伝いを 

生徒さんへの資料に添付されたT教授と長男のプロフィール(自己紹介) 


長男はマシュマロ男子ーって表現に誰もつっこんでくれなくて寂しかった(笑)とか 



オープンキャンパスに来た学生が今回も来ていたから「彼は受けるんじゃないかな 合格したらいいな」と長男 


模擬授業体験に母校から80名ほどの学生と数名の引率の先生が来ておられたそうです 


教授が講義されて 長男は学生達からの様々な質問を受け持ったとか 


こうした試みは長男の在校時には無かったので いい試みだなと思いました 


大学ってどんな場所か何ができる場所なのか ネットでも調べはできますが 直接見て話を聞くという具体的な体験には変えられませんから 

そんな長男の後期の講義時間割と前期の成績

百田尚樹著ー「黄金のバンタム」を破った男ー PHP文芸文庫

2014-09-22 10:31:03 | 本と雑誌
「黄金のバンタム」を破った男 (PHP文芸文庫)
百田 尚樹
PHP研究所



昭和の時代に高度成長の時代に夢と力を与えて人々を熱狂させたチャンピオンがいたーフアイテング原田
原田政彦 


闘志溢れる試合スタイルは人々を熱狂させた

向かっていく 逃げない
相手を追い詰める


勝っても逃げての勝利だと 受ける印象は卑怯ーだ

ボクシングのルールなど知らない素人から観れば


もちろん応援する選手には勝ってほしいのだが



凄まじい腕の動き 圧倒的で小気味いい戦いぶりは 特にブルーカラーと呼ばれる工場や建設現場で働く人間をスカツとさせた
明るい話題を提供してくれた

腕でパンチで己の体で 世界と戦う

裕福な家の出ではない青年が世界のチャンピオンになる


特別に大きな体をしているわけでもないのに 強い



この本はただフアイテング原田一人のことだけではなく ボクシングの歴史にも触れている
日本のボクシングのチャンピオン達や チャンピオンになれなかった選手のことにも




ボクシング

増田俊也氏の解説によればー著者の百田尚樹氏は同支社大学時代にボクシング部に籍を置いたボクサーであったそうだ
2010年3月には高校のボクシング部の部員たちを描く小説「ボックス!」を発表している

このー「黄金のバンタム」を破った男ーは同2010年の5月に「リング」というタイトルで発表された

著者自らもボクシングの経験者であるがゆえにボクシングについて詳しく解かりやすく書かれている


フアイテング原田より前に世界チャンピオンになった白井義男と 白井を育てたカーン氏の物語も心に響く
カーン氏は日本ボクシング界の恩人と言ってもいいかもしれない



私が子供の頃 人々が熱狂したのはプロレスの力道山
それからこのボクシング


平行して大相撲

キックボクシング

男の子たちは好きなボクサーの構えや戦い方 動きをマネしていた

そんなことを思い出す


ボクシングの試合は特に世界タイトルをかけた試合は人々の希望の灯だった
そんな時代があった

街角の電気屋さんの前や駅や商店街に置かれたテレビ またテレビのある家へ近所がおしかけて 一緒に試合を夢中になって見るーそんな時代が

勝てば次の日には皆笑顔で休み時間などに 試合の話をする
負ければ「あんな判定ってないよな」と怒りの会話となる


憧れだった「世界チャンピオン」防衛戦ー
世界タイトルを守ることはむずかしい

二階級での世界チャンピオンになった男

敗戦から立ち上がる人々に大きな力を与えてくれたチャンピオン

過酷な減量に苦しみ きつい練習を誰よりもこなした



遠くなった昭和の時代のボクシングの選手達に愛と尊敬をこめて書かれた本です

ここにきてホークス連敗中につき

2014-09-21 11:44:16 | 子供のこと身辺雑記
ホワイトボードにホークス・ファンの長男 とうとうこんなことを書いています

「ホークス4連敗中 
そろそろ 勝ちたい 
ホンマに 勝ちたい 
なんとか 勝ちたい」 


なんで 負けるのでしょ



長男「ずっと首位やったのに ここにきて逆転されて優勝逃したらーあかんと思う あかんやろ」 



はたして今日は勝つかしら 

おかずから

2014-09-21 11:38:54 | 子供のこと身辺雑記



鯛飯の炊き込みご飯 
松山の道後温泉へ行った時に宿泊した道後プリンスホテルの夕食に出た鯛釜飯が美味しくて 買って帰りました 
お米に具材を混ぜて炊くだけーと簡単♪です 

粕汁 大根・人参・豆腐・鯨身の白いとこ・豚肉などが入っています 


蒟蒻の炒め煮

百田尚樹著「ボックス!」下  講談社文庫

2014-09-21 10:19:24 | 本と雑誌
ボックス!(下) (講談社文庫)
百田 尚樹
講談社




出前に来たまだ少年だった鏑矢の素質を見抜き ボクシングのジムへ入れたボクシングの鬼のようにも 美人高校教師の高津には見える曾我部

彼の指導法は独特で激しく厳しかった

曾我部は高校に入りアマチュアボクシングを始めた鏑矢を「錆びついた」と言う

規則で高校のボクシング部では許されないスパーリングをするために 鏑木は木樽を曾我部のいるジムに連れていく
部の課外活動という名目で高津も二人に同行した

曾我部は木樽のことも「強くなる」と言う


不敗の稲村

ライト級の王者

鏑矢は試合で稲村に負ける
そしてボクシング部を辞めた

サッカー部に入り 素質を惜しまれるも一か月で退部
学校もまともに来ないようになる



それでも木樽の試合は観にきてくれた

そして新人大会で優勝候補と目されていた相手に勝ち 優勝する

稲村は木樽に「春のインハイ予選で君と戦うのが楽しみです」と声をかける

映画では余り描かれませんでしたがー原作では稲村はとても礼儀正しく周囲よりもひときわ大人です
おかしな試合をする選手には試合でこらしめるような勝ち方もし ボクシングへの正しい愛と正義感がうかがえます

稲村の父はパンチドランカーで ボクシングの後遺症に苦しんでおり ゆえにボクシングの怖さも知っている人間でもあります

高校生ながらもうすでに社会へでているかのような風格


ボクシングのマネージャーとなり 鏑矢をおおっぴらに好きだと言っていた丸野が亡くなりました


葬儀の席でボクシング部の面々に病死した丸野智子の母親は マネージャーとして部員たちのことを詳しく智子が書いたノートを見せられます

また鏑矢には「死んだら(鏑矢の)守護天使になる」と話していたのだと伝えられました
「リングで輝く人やって ボクシングをするために生まれてきたような人」と 智子は鏑矢のことを話していたのだと



鏑矢はボクシング部へ戻ってきました

四か月ボクシングから離れていたために体もなまっています
それでも以前とは違い真剣に練習に取り組んでいました

同じライト級の選手として大会に出場

鏑矢と木樽は対戦し 木樽が勝ちます

鏑矢は木樽の為に何ができるのか考えて スパーリングパートナーになると決心しました
ライト級の王者 稲村を倒すために

裏方に徹する


木樽の練習に付き合って



鏑矢は曾我部の指導も受けてました


次の国体予選も木樽と鏑矢はライト級の選手として出場
いよいよ木樽は稲村と対戦です

善戦するも木樽は稲村に負けました

「カブちゃん 頼む」と木樽は鏑矢に言います
ー鏑矢は黙ってうなずいた 木樽はにっこり笑って床に倒れ込んだー



そして鏑矢は稲村と戦う

この試合で鏑矢は稲村に勝つが指の関節部分を骨折する

同じところを繰り返し骨折する慢性的故障で選手を続けられずマネージャーに回る

木樽はインターハイ二連覇 高校三冠ーという記録を残し 大学卒業後は検事となった

試合でただ一人負けた相手が稲村だったことになる

稲村は世界ライト級の世界チャンピオンとなり七度防衛してタイトル返上して不敗のまま引退した

今は三島姓となった旧姓高津は 十年して恵比寿高校ボクシング部の顧問になり戻ってきた

当時の監督だった沢木は大学のボクシング部の指導をしている


今や木樽はボクシング部の伝説として憧れられる存在となっていた

そして丸野智子の写真が今も部室に飾られている

ボクシング部の守護天使ーと言われているのだった



高校卒業後 単身渡米した鏑矢はお好み焼屋の経営者となっている
三店舗持ち さらには道場を開き総合格闘技を子供たちに教えている


ケンカが強いだけだった少年はー

無冠の帝王ー

世界王者になった稲村をただ一人倒した男

鏑矢は「風のような子だったー」と旧姓の高津は言うのだった




小島秀夫氏の解説も楽しく読めます













百田尚樹著「ボックス!」上   講談社文庫

2014-09-20 22:14:40 | 本と雑誌
ボックス!(上) (講談社文庫)
百田 尚樹
講談社
                



恵比寿高校の教師の高津耀子は友人の久美と電車に乗っていて傍若無人な行動をしていた不良達に絡まれる 
その不良をやっつけたのは 風のような少年だった 

後日 少年と一緒にいたもう一人が自分の教え子だと 高津は知る 

ボクシングの鏑矢義平 言動は馬鹿だがボクシングは強かった 

弱いことから屈辱を味わうこともあった木樽優紀は 高津の言葉「文武両道」を目指す 

美しい高津に木樽は憧れていた

鏑矢のような才能は無いものの 基礎から監督の沢木に教えられ熱心に練習して 木樽は力をつけていく 


勉強ができる木樽と喧嘩なら負けない鏑矢は幼馴染みだった 


いじめられる木樽を鏑矢はよく守ってくれた 



ーカブちゃんは太陽みたいなものだ 永久に届かないが永久の憧れだーと木樽は思う 




それでも木樽は強くなりたかった


へたれな自分を乗り越えて 


その為に練習し続ける

鏑矢に好意を抱く成績優秀な少女丸野 彼女は天真爛漫に好きな気持ちを表現する


大阪には稲村という強い選手がいた
静かな稲村 
やんちゃな鏑矢 

小さな幾つかの事件 


最初ボクシングは野蛮だと思っていた高津は しだいにボクシング部の生徒達を勝たせてやりたいと思うようになる 

ボクシング部の顧問となった高津は監督の沢木が強い選手だったのだと他校の監督から教えられる


木樽と高津と時々語り手(視点)が変わりながら物語は語られていく