アルフオンソ・キュロン監督は 脚本家から「読まなくてもいい」と言われて 映画制作時に原作を読んでいないーそうです
原作は女流作家のP.D.ジェイムズの「人類の子供たち」
ちなみにPはフイリス Dはドロシーの略とか
1920年8月3日生まれなので今年94歳になられるのでしょうか
1991年に「ホランド・パークのジェイムズ女男爵」の一代貴族としての称号を得ているそうです
私はP.D.ジェイムズをミステリ作家として知っていたのでーちょっとこの映画の原作者であることに驚きました
アダム・ダルグリッシュや そこから派生したようなコーデリア・グレイを主人公としたシリーズを読んでいましたので
映画の設定は2027年 ですから近未来SFということになるのでしょうか
世界では18年間新しく子供が産まれていないそうです
英国は軍隊が力を持っており 世界は希望なくほぼ壊滅状態で そんなイギリスでもまだ他の国よりはマシらしく不法移民 密入国者が絶えず
イギリス国民である書類を持たない者は収容所へ送られていきます
また暴徒による爆弾テロも絶えませんでした
主人公のセオ・フアロン(クライブ・オーウエン)も爆弾テロの音で耳が一時的に聞こえにくくなりました
街は荒れています
セオは反政府グループに拉致されます
その反政府グループを率いていたのは セオの別れた妻ジュリアン(ジュリアン・ムーア)
二人は自分たちの子供が死んだことを乗り越えられませんでした
セオもかつては権力に対抗しこの世界をよくしたいと活動する闘士でした
今は官僚として目立たないように生活していますが
世界で一番若い青年が刺殺されたことに心のダメージを受けたり
この異常な世界に納得しているわけではありません
森の中で不治の妻を抱えて生きる自由人の友人ジャスパー・パルマー(マイケル・ケイン)に会いに行ったりもしています
そのジュリアンのセオへの依頼は ある若い女性を人権団体「ヒューマン プロジェクト」に送り届けるために 身分を保証する偽造の通行証を手に入れてほしいというものでした
政府の中に力持つ身内がセオにはいるのです
セオはジュリアンに今も愛情を抱いており ジュリアンもセオへの気持ちはありますが 子供の死が二人の間に今も横たわっています
色々ありましたが 結局セオはジュリアンの同志の青年が運転する車に乗り 若い娘キーとキーに付リアンとき添う中年女性とジュリアンと行動を共にします
しかし暴徒の襲撃にあい ジュリアンは喉元を撃たれて絶命
さらに途中で青年は警察官を射殺してしまいました
セオはお尋ね者になります
自由人ジャスパーのツテで一ー旦収容所に入れられてから人権団体の船へーという手筈に
キーは妊娠していました
18年目に人類に与えられた赤ん坊
希望のしるし 赦しのようなー
だからジュリアンは命を懸けたのです
自分たちの死んだ子供 不当に奪われた気がする子供のかわりに この命を助けたい
セオ達を逃がすために ジャスパーは囮となって時間稼ぎをしてくれてー なぶり殺しのように幾度も弾丸を討ちこまれて絶命
キーに付き添う中年女性は助産婦でしたが 収容所へ向かうバスの中で 引き離されてしまいます
既に破水し産気づいているキー
収容所の女性マリクに助けられて セオはどうにかキーを出産させます
暴動を制圧しようとする軍隊 -政府側と自由を求める側との戦い
そのさなか
なんとか川へー
マリクが手に入れてくれた小舟にキーと赤ん坊を乗せて
しかしセオは撃たれていました
キーが自分たちを助けてくれる迎えの船の影に気付きますがー
セオの命は消えかけており 静かに体が傾いていきます ゆっくりと
ここで映画は終わりました
子供たちは 赤ちゃんはまた生まれられる世界になるのでしょうか
産めよ 増やせよ 地に満ちよ
かなうならば 未来世界が明るいものでありますように