夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ5 シャーロキアンの宴と春の嵐」(双葉文庫)

2018-07-23 20:20:49 | 本と雑誌
シャーロキアンの宴と春の嵐-京都寺町三条のホームズ(5) (双葉文庫)
望月 麻衣
双葉社


第一章「桜色の恋文」
第二章「シャーロキアンの宴」
第三章「紫の雲路」
第四章「茜色の空に」


真城葵の友人香織の姉が働く城崎温泉への旅

シャーロック・ホームズ・マニアの会での事件

京都のサッカーチームの試合にて・・・


家頭清貴を宿敵のように思い色々仕掛けて来る厄介な男

この巻にて やっとやっと清貴と葵は互いの想いを相手に伝え めでたく両想いとなります


望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ4 ミステリアスなお茶会」(双葉文庫)

2018-07-23 20:09:09 | 本と雑誌
ミステリアスなお茶会-京都寺町三条のホームズ(4) (双葉文庫)
望月 麻衣
双葉社





序章「年の初めに」
第一章「ビスクドールの涙」
第二章「バレンタインの夜会」
第三章「後継者の条件」


高校生の真城葵はバイト先のオーナーの孫息子でホームズとの異称ある家頭清貴への恋心を認めたくなくて・・・
一線をひいている・・・つもりでいる


告白してダメでこの心地よい場所 そしてバイトとしてでも清貴の傍にいられるーそれを手放したくない


清貴はかなり自分の好意と葵が気になる存在であることを言動に出しているのだがー

色白美青年・頭脳明晰な彼が 自分みたいに何の取り柄もない年下のコを相手にするはずがないと思い込んでいる葵



かなりもどかしく進む恋模様

京都のあちこちを舞台に遭遇する謎を解きながら続くシリーズ

古い想い出など

2018-07-22 20:57:06 | 子供のこと身辺雑記
子供の頃に親に連れられて行った場所の記憶はいっぱい頁が抜け落ちた本のようです


母の兄(私からしたら伯父)一家が枚方近くに住んでいた時代がありました
大きな仕事が入って父が応援を頼まれて手伝いに行き

それで母が私を連れて その伯父の家に行って 枚方パークなどへ従妹達を遊びに行ったことも


それで覚えているのは伯父の家が線路沿いにずっと歩いて行った向こうにあったこと

その線路沿いを一つと五つ年下の従妹達と遊んだこと
伯父の家で眠る前に伯母が湯たんぽを入れてくれたこと


その頃 家では電気こたつ(足用)を使っていたので 湯たんぽはとても珍しくて面白かったのでした
まだ電気毛布などが売られる以前の昔の話です

伯母が湯たんぽに湯を入れる様子
そのあと布で湯たんぽをくるむ様子などは思い出されます

まだ赤ちゃんだった従弟が寝ていて


それから大阪の大きな動物園に連れていってもらって 駅前で「かぐや姫」の絵本を買ってもらったこと


暫くして伯父夫婦は離婚

伯父は祖母がいる石川県で暮らすようになりました



枚方パークで観たのだろう菊人形が怖かったこととかね
そうしたことは思い出せるのに その頃の伯父の家がどこにあったかは 思い出せません
家の近所の景色は思い出せるのに


子供の頃に行った場所
あの道はどこであったのだろうか
などと時々考えます

もう半世紀以上も昔のことで
どんどん記憶も薄れていくのですけれど

望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ3 浮世に秘めた想い」(双葉文庫)

2018-07-22 20:36:48 | 本と雑誌
浮世に秘めた想い-京都寺町三条のホームズ(3) (双葉文庫)
望月 麻衣
双葉社





序章「忍ぶ想い」
第一章「歌舞伎美人の恋慕」
第二章「聖夜の涙とアリバイ崩し」
第三章「祇園に響く鐘の音は」

埼玉県から春に京都へ越してきて 遠距離恋愛の彼は親友と恋仲に 裏切られた思いとすっきりしたくてー
おじいちゃんのだった掛け軸を売って交通費を作り 埼玉県まで行こうとした真城葵は その失恋と動機を掛け軸を持ち込んだ店のオーナーの孫息子の家頭清貴に見透かされ
その店でバイトして交通費を稼ぐことにー



清貴は葵のまっすぐな感情表現に癒されることが多々ある
真っ当だがでしゃばらない そして素直な年下の少女を大切に想うようになる清貴
その心は清貴の祖父や父親には見えているようだが
肝心の相手には なかなか伝わらないようで

シリーズが進むごとに清貴の無器用さも見えてくる
その勝気さ 若い部分も描かれてくる

京都の観光案内としても楽しいシリーズです

日明恩(たちもり めぐみ)著「啓火心」(双葉文庫)

2018-07-21 23:52:26 | 本と雑誌
啓火心-Fire's out (双葉文庫)
日明 恩
双葉社




大山雄大は ついムキになって消防士になってしまった
でもー

「鎮火報」
「埋み火」
少しずつ成長していく雄大

そんな彼はいきつけの食堂で掏摸に財布を抜かれた男に財布を返してやる
財布を取り戻してもらった男は それを恩義に感じた

孤独な男はその親切に 雄大へ親しみを覚えたか


何故か仕事を邪魔された掏摸も大山に興味を抱く


孤独な男は あるモノを作っており
それがために火事も起こされ人も死んだ



孤独な男は 大山の言葉に胸をつかれ 今迄してきたことを止めようとする


そしてー


大山は友人達の力も借りて 不審な火事と自分に近づいてきた男との関連に気付く
そしてその男を守る為に 闘うことになる


大山の父に恩義を感じ 彼を見守る仁藤


シリーズに新たな人物も登場
今後関わってくるのか それとも一作きりの登場となるか

変化も気になります




以前 読んだ日明恩作品など

日明 恩 (たちもり めぐみ)著 「やがて、警官は微睡(ねむ)る」 双葉社

「それでも、警官は微笑(わら)う」 「そして、警官は奔(はし)る」などに続く 変わり者エリート潮崎と 武骨寡黙な大男の武本が困難な事件に遭遇するシリーズ
互いの共通点は正義感

非番の武本は見合いをしていた
全く柄にもなく
そして見合い相手の女性は僅か半時間で 切り上げようとしていた
見かけ いかつい 無口 話し下手
武本は見合い向きの人間ではなかった
父親を警官に持つ 磯谷はるかは 武本が悪い人間ではないことは分かった
だがー
この だがーが 女性にとっては問題なのだ
ホテルの異変に気付いた武本は はるかをホテルから出すが 忘れ物を取りに戻った彼女は人質の一人になってしまう
若いホテルマン西島は 武本に引きずられるようにトラブル起きた20階に行き 人間として試されることとなる

ある老人の思い出の品を手に入れる為に ホテルの従業員や非合法な利用客として潜り込んだ一味は
ホテル内部の人間達が携帯電話を使用出来ない仕掛けや 爆弾で人々が出られないように準備をしていた
赤毛で緑の瞳の双子の少年達は 手近な道具を武器にして簡単に人を殺すことを楽しく思う性質
殺人が得意な一味相手に単身立ち向かうざるを得ない武本
孤軍奮闘する人間が武本と知った潮崎は 彼らにだけ通じる表現で 事件について連絡しあう
上司にも部下からも疎まれ嫌われていた潮崎は 武本がかつて部下だったこと
事件解決に向けての動きとで 上司からも部下からも認められるという武本効果を得る

重傷を負いながら 人質の脱出に成功する武本
だが 武本が犯人の一人と疑っていた男は 武本が意識を失っている間に姿を消す
武本に救われた見合い相手の女性は 結婚に逃げずに人間として成長することを決心した
武本の闘う姿 警官としての使命感 姿勢に感銘を受けたのだ

著者は寡作な作家です
久しぶりの新作ですが 帯の「間の悪い刑事がひとりだけいた」
高層ホテルが武装グループに占拠されて
この設定が ブルース・ウィリス主演の「ダイ・ハード」を連想させ 最初は物語の流れに中々乗れませんでした

ストーリーや登場人物は異なりながら
物語も半ば過ぎあたりから 読む速度をあげることができました
のんきに潮崎が登場したあたりから
武本だけでも成立する小説かもしれない
だけど やっぱり潮崎に出てきて欲しかったのでした
このシリーズを読み続けてきた人間には
次作を読めるのは 何年後だろうかと いささか不安を覚えつつー



日明恩(たちもり めぐみ)著「ロード&ゴー」双葉社
著者には 刑事を主人公にするシリーズと 新米消防士の大山雄大を主人公とするシリーズがある
その大山の先輩にあたる生田が運転する救急車が病気を装った人間に乗っ取られた
救急車ジャックした男も家族が人質にとられており 彼はいつ爆発させられるかわからない爆弾を持たされているーと言う
かくして他の場所から指示する犯人の言うまま 生田は救急車を走らせるが
同乗している隊長が刺されたり ガス欠の危機には襲われ 取材攻勢をかけるマスコミには追いかけられ それを救急や消防の仲間から応援され助けられ切り抜けていく
最後には犯人側とも心通わせ
仕事に誇り持つ男達は 事件を見ていた人々の心にも影響を与える
生田は元ゾクであり その頃自分を逮捕しようと追いかけた警察官と結婚している
その妻が押しかけたマスコミ相手に実に凛々しく男前な言動をとる

二度三度 読み返し ああそうなんだと 過去の作品と 登場人物の名前を拾い 各人の動きや経歴も確認したくなります



日明恩(たちもり めぐみ)著 「埋み火」講談社
父は仕事中に死亡
なのに「馬鹿になれるか!」 と言われ ノセられ 「なってやらぁ!」とばっかりに消防士に なってしまった雄大の「鎮火報」に続く物語
今回は 老人の{うっかり}による失火死が続く事に気付き 関連性を見出だし・・・・ 孤独な少年に出会い
友人が勤務する工務店への 嫌がらせ放火犯人を捕まえることも手伝い―
非番の日も多忙です
そして親孝行も忘れない
頼りになる友人・・・だと思える男
いい奴 雄大クン
そんな彼の成長を見たいのですが 著者は寡作
つい幾度も読み返すことになります(笑)
「それでも、警官は微笑う」「そして、警官は奔走る」の刑事シリーズも違うタイプの青年が主人公で良いです
この夏くらいは 新作出ないかと 胴まで長くして待っているのですけれど
この作品は2005年夏に発刊されました
丁度前後してドラマにもなった漫画「め組の大悟」読んでいて
だからこの本読み返すと 次は漫画「め組の大悟」も読み返したくなるのでした
消防士様 ご苦労様
そう思いつつ
火の用心 気をつけましょう





今日も外ご飯

2018-07-20 20:29:04 | 子供のこと身辺雑記
例によって姑の病室に 仕事帰りの主人 学校帰りの長男と時間差で合流
いよいよ明日が主人の誕生日

じゃあ みんなで外食しよーとなり

主人が姑の家への帰り道になる道沿いのラーメン屋さんへ

庶民なので(笑)











タレでなしに塩つけて食べる餃子が主人と長男のお気に入りでした

ラーメン 焼き飯 唐揚げの定食が主人

つけ麺は長男

主人が「お腹いっぱい」なら いいかとなった私と長男

パソコンも入り やたら重たい鞄を背負って暑い中 半時間かけて病室まで徒歩の長男
若者は元気だわ

望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ2 真贋事件簿」(双葉文庫)

2018-07-19 20:35:05 | 本と雑誌
真贋事件簿-京都寺町三条のホームズ(2) (双葉文庫)
望月 麻衣
双葉社




高校二年生の真城葵(ましろ あおい)は「蔵」にてバイト中

初対面で葵の失恋まで見抜いた家頭清貴(やがしら きよたか)
祖父の薫陶を受け 真贋きわめる博識
彼は「ホームズ」などとも呼ばれる


イケメンなのに失恋した過去があり 現在恋人はいない
彼に贋作を見抜かれ ライバルと いつか恥をかかせてやる!なんて人物も登場

京都を舞台に観光案内のように各名所についてもかたられる




ちびちび収穫ですが 実れば嬉しい

2018-07-19 08:52:24 | 子供のこと身辺雑記
ミニトマト




南瓜2個







雨が降らないので 朝 出かける前にたたっと水撒き
水を撒いている時には あ あそこのがとれ頃なんて思って見つけているつもりなのに 
この辺にもう一個無かったかなーなどと見失います

明日は桃をもいでしまおう♪

大沢在昌著「極悪専用」(文春文庫)

2018-07-18 21:12:37 | 本と雑誌
極悪専用 (文春文庫)
大沢 在昌
文藝春秋




余りの素行の悪さに{ひとかどの人物}である祖父により 一年間のお仕事を与えられた望月拓馬

特殊なマンション
住人は皆 安全な場所を必要としており住人以外は建物の中に入ることは許されない

殺し屋 すぐキレてナイフを取り出す男

結婚詐欺師

ワケあり医者

「会社」の条件を満たせば住むことはできる
しかし家賃は高額


そのマンションの中では日本の法律は通用しない


あらゆるトラブルに対応する管理人の助手として働くこととなった拓馬

信じ難い過去を持ち 常人離れした女性にばかり愛される管理人

どんな非常識にも対処できるようになっていく拓馬

女殺し屋同士の殺し合い

大怪我を負う拓馬だが 彼は管理人助手の仕事を務めあげようとする


どんな環境でも成長する・・・・


ごく潰しのはんぱもんだった拓馬だが 彼の大物のおじいちゃんは 数ある孫の中で一番 この拓馬がかわいいのかもしれない

外ご飯

2018-07-17 21:45:48 | 子供のこと身辺雑記
姑は外食をしたがりません
必要な外出すら避けようとします


結果 姑の家で寝泊まりする主人も殆ど 外での食事ができません


で 姑の入院を逆に外食チャンスとして 長男が学校帰りに姑の病室へ来た日の病院帰りには時々 主人と長男と私でお店に寄って一緒に食事をしています

前回は行きつけの喫茶店に寄って食事したのですが
その時に主人が「肉 長い事食べてないからー」とエビフライ・ハンバーグ・ステーキ・クリームコロッケなどの定食を


舅が亡くなり 主人が姑の家に寝泊まりするようになって数年ー
そういえば主人と一緒の焼肉屋さん行きも長いこと無いな
などとも思って

今日の夕方 長男が学校帰りに姑の病室に姿を見せ

それから主人と三人揃って病室を出て駐車場で 主人が「今日は外食してもいい」などと言い出し
(前回の食事が楽しかったのかな)

私の車のあとから何処でもいいからついてくるーというので
以前よく行っていた焼肉屋さんに向かいました


名目はこの土曜日が主人の誕生日なので 早目の誕生祝いなんてことにして








余程お腹が空いていたのか主人
最初は「まだ それ焼けてない!」と怒ってもほぼナマのうちから取って食べていましたーー;
最初に来たお皿のカルビの無くなるのが早かったこと

久々の焼肉屋さんでの焼肉 美味しかったようです


主人が「お腹いっぱい」になるまで ほぼ焼き手をしておりました


そろそろ姑の退院も近くなってきたので 主人との外ご飯の機会はもう余り無いかもしれません

辻堂魁著「乱雲の城 風の市兵衛⑫」 (祥伝社文庫)

2018-07-17 21:20:00 | 本と雑誌
乱雲の城 風の市兵衛 (祥伝社文庫)
辻堂 魁
祥伝社



唐木市兵衛には異母兄がいる
旗本千五百石の当主にして公儀十人目付筆頭格・片岡信正
彼は漸く妻を娶った
料理屋・薄墨の女将の佐波

長い付き合いの二人はとうとう婚礼を

佐波のお腹には赤ちゃんも

めでたいこと尽くしであったのだが 好事魔が多し


信正の事を勝手に恨む男達が罠を仕掛ける

冤罪
そのでっち上げの罪を作り上げる為に 信正が信頼を置く配下の返弥陀ノ助(かえり みだのすけ)を拉致するように捕え 死んでもおかしくない拷問をくわえる

信正はそれを知らずに謹慎中


そうしたことが 唐木のよく知る同心の渋井により耳に入る


佐波の父親である薄墨の主人の静観から頼まれた人探しをしていた唐木だがー
兄の危機 大切な友である弥陀ノ助を救う為に戦う


兄を陥れようとする男達

一味の一人は信正の留守に屋敷を襲い佐波すら斬ろうと襲撃をかける
だがーそこには唐木がいた


唐木の働きで敵の正体を知った信正の反撃

人を陥れようとした者は自分が利用した者に その恨みを向けられる


ー疑いありー

何の根拠もない「疑いがある」
その言葉だけで罪ありと責められる理不尽

自分はーだと思う
手軽で愚かで非常識な告発


そんなことで陥れられては大騒ぎになるなんて 随分馬鹿な社会 仕組みだと思う
疑いあらば まずはその疑いが これこれの根拠によりーと示すべきなのだ
だから疑うーと


それができずに騒ぐだけなら それは「ただのでっち上げ」

どうしても勝てない相手に 「言いがかり」で引きずりおろそうと仕掛ける一味は現在もおりますが

この作品のように現実社会でも そうした面々がきっちり報いを受ければいいと思います


辻堂魁著「春雷抄 風の市兵衛⑪」 (祥伝社文庫)

2018-07-17 00:56:43 | 本と雑誌
春雷抄 風の市兵衛 (祥伝社文庫)
辻堂 魁
祥伝社



旗本の家に生れながら 父の死後 家を出て13歳で祖父の手により元服
江戸を離れた唐木市兵衛

人は彼が風の剣を使うと話す

江戸へ戻ってきた唐木は算盤の腕を活かして渡り用人を仕事としている
ゆえにそろばん侍などとも呼ばれたりするのだ



彼の人間性を見込み つきあいある医師の宗秀から頼まれた仕事とは

行方不明の人間を捜すこと


妻子思いで真面目な清吉は何故姿を消したのか

流された噂は本当のことなのか



奇しくも訴えの真偽を確かめる同心の渋井の仕事と唐木の仕事は重なり合うこととなった


金儲けの為に手を結び 邪魔者は殺していけばいい
どんどん荒っぽく 人の命など何とも思わなくなっていく一味


唐木はたたかう

己の剣の腕に驕り生き方を誤った者達は 唐木の前にただ敗れていく


辻堂魁著「五分の魂 風の市兵衛⑧」 (祥伝社文庫)

2018-07-17 00:38:22 | 本と雑誌
五分の魂 風の市兵衛 (祥伝社文庫)
辻堂 魁
祥伝社




夜陰に紛れて家を捨てたらしい御家人一家
だが船の上で5歳の男の子は大男に海に投げ捨てられた・・・・・


16歳の若い武士は借金の取り立てをされてーそのあくどい催促と企みに気付き・・・怒りから斬り捨ててしまった

日頃は真面目なその若い武士の家族は 何が起きたのか事実を知ろうとする
事を調べる為に雇われたのが唐木市兵衛



兄の配下で友人でもあり幾度も共に危地を潜り抜けた返 弥陀ノ助(かえり みだのすけ)に頼まれたのだ
少年時代の返がその外見からいじめられているところに助けに入ってくれた少年
それが嬉しくて
返はいつか恩返しをしたいと思っていた
その安川の16歳の息子が人を斬った
何ゆえの借金であったのか

それを調べるうちに唐木は怪しい人間達に突き当たる



同心の渋井も別な事件を追って 怪しい人間たちの存在に気付く

この重なり


江戸の武家の女を金儲けの道具にする

武士なれども生活は苦しい
借金で身動きとれなくなる者もいる


大人物を装うが人の懐を他人の金を騙しとろうとする者は泥棒だ
どんなきれいごとの理屈をつけようとも

そして己の欲の為に人を殺すことも苦しめることも構わないとなれば ただの悪

投げ捨てられた5歳の男の子は救われ
悲惨な目にあった母親も生き抜いた


そして悪事は明らかになる

救われた命





辻堂魁著「風立ちぬ 風の市兵衛⑥⑦ 」上下巻 (祥伝社文庫)

2018-07-15 20:34:44 | 本と雑誌
風立ちぬ(上) 風の市兵衛 (祥伝社文庫)
辻堂 魁
祥伝社




風立ちぬ(下) 風の市兵衛 (祥伝社文庫)
辻堂 魁
祥伝社





現在の言葉で言うなら 数学が得意な子供が居て その両親は子供の好きな学問を思う存分学べる場所へ入れるようにとー家庭教師を雇うことにする

その仕事を紹介されたのが渡り用人を生業とする唐木市兵衛

その子供・藤蔵は唐木の出す難しい宿題を喜々として解いていく
そして学問所に一番の成績で合格した


藤蔵の年の離れた姉は芸事に優れ 芸者・梅里として店に出てましたが 旗本であることを嵩に来て執拗に迫る客に迷惑をしておりました
彼女は淡い想いを唐木に寄せるようになっていましたが


旗本の名前を利用したい男は・・・旗本の為に梅里をさらうなどと話を持ち掛けます

実はこの男は凶悪な盗っ人の一味

同心の渋井は行きつけの店の主人に息子が居たことを知ります
撲殺された死体で後に見つかるこの息子は 盗っ人の下っ端でもありました

渋井の追う事件は唐木が巻き込まれた出来事とも重なり 共に盗っ人一味の捕縛に向かうことに


旅の僧は唐木と戦うことこそ仏の道と信じ 


この僧は自分は絶対に正しいと信じ 他の生き方もあることが理解できずに

見方を変えれば 唐木に負けたことに口惜しさを感じ 自分と同じ生き方をしない唐木が正しくない
邪(よこしま)と思い込むことで自分は間違ってない

なんか面倒で迷惑な種類の人間でもあるなと

共に十代の頃の勝負に拘泥し 強くなろうと二十余年
その歳月のうちに悟れなかったか 気づけなかったか
愚かで虚しいことをしていると


でも 世の中には どうしようもない馬鹿って案外いるのです





病室にて

2018-07-14 23:42:52 | 子供のこと身辺雑記
{ー気が付けば 真っ暗だ 何も見えないーここは何処なんだ
動けない
なんてことだ
俺は 俺は閉所恐怖症だってのに
何でこんなことになったんだ
誰か出してくれ 助けてくれ! 誰かッ!-

男は必死に叫んだ

しかし・・・・・・

暫くして聞こえてきたのは 
「どっから この音するんだろ」

「変ね」
など音が何処からしているのか捜している女性二人の声

一人がテレビ?と尋ねるような声をあげる
いま一人が「あ これかも」
そう言ってある物を出した


それはテレビカード

「今迄 これで音がしたことないけれど」
看護師がテレビカードを入れ直す

音は止んだ


前世で何かひどいことをした男はTVカードとして生まれ変わってしまい・・・・・
そうと知ったショックで言葉を失ったのだろうか

そしてもうそのTVカードが音を立てることは無くなった}



姑のいる病室に看護師さんが入ってきたら急に音がしだして その音が何処から聞こえるのか分からなくてー
看護師さんと二人 捜したらどうもテレビ付近が怪しくて 看護師さんがダメ元でTVカードを抜きだしたら
音が止んだーなんて事がありました
そこから思いついた話です




姑がいる病室は4人部屋
二人が退院し今は姑ともうお一方の二人です

そのもうお一方 仮にFさんとお呼びしますが 時々そこに居ない甥御さんらしい名前を呼び何かを頼んでいます
リハビリの方との会話では ボケというと言葉が悪いですがー分かっていないようなところも見受けられます

今日も独りの筈なのに誰かに何かを話しかける声がして
それに自分で違う人間の声色使いで答えていました

自分の声で「食べ物が来ない」
違う人間の声で「時間になっていないからやろ」


一人でいるのが寂しいから芸として時間つぶしをして遊んでいるのかー
最初は その一人やりとりを聞いた時に ちょっとギョッとしました

別人の声で喋るーというと 古くは「エクソシスト」なんて思い出されますが
愛らしい少女が突如 悪魔の声で話し出す

で急に謎発言もするので 看護師さんがそのやりとりで怒らないか気を悪くするのではーと思いましたが

看護師さんは豪快に笑いとばし「Fさん 面白いこと言うわあ」
えらいなあ看護師さん
すごいなあーと感心しました



そうかと思えば廊下では「ここどこか 部屋が分からんようになった」という声

少しして通りかった看護師さん「Nさんのお部屋はあっちよ 一緒に戻ろうか」


また別の部屋からは5分置きに繰り返される声「おーい おーい おねえさん(看護師さんに呼び掛けているつもりらしい)
お茶もらえませんか」



不謹慎にも私はあれこれを身近なちょいホラ―物語のネタにして妄想し遊んでおります