医者や官僚という偏差値上位のグループが何故中国に好意を持ち続けるのかが疑問だった。彼らは十分な情報を持ち判断力が有るはずだ。官僚はこれまで外交や貿易など何かにつけて中国寄りになる傾向が強かった。このことは同盟国アメリカとの間でも障害になっていた。
私は実際、中国企業と契約書を交わし取引してきたが、とてもじゃないが中国人はまともな連中ではないと判断し、一切中国関係のビジネスは止めてしまった。この差について深くは考えていなかった。
12月号の文芸春秋で、かつて司馬遼太郎が漢文学者が中国を理想化し美化したと指摘していたことを知った。
高校時代を振り返ると、確かに古文(中国の漢字文書)で描かれる中国は夢の世界で、理想郷のようだった。多分漢文学者は自分の夢や理想を漢文の中にオーバーラップさせて、美しすぎる、非現実的な中国を創作したのであろう。私が中国愛偏狭にならなかったのは古文が嫌いで苦手だったせいが有る。
日本の知識エリートは教科書を盲目に信じ、がむしゃらに記憶させている。神の如く信じないと教科書を頭に入れることはできない。従って、医者や官僚は、漢文学者が作り出した妄想の世界を信じて中国=理想、信頼できる人々と盲信した可能性が有る。
外交官僚はODAをばらまき、その相手国を訪問する際、空港で赤絨毯を敷かせるようなこともやったらしい。そんな官僚に実態など分かるはずもない。中国人のどこがひどいかと言って、国内の中国人を雇用し、中国の企業と交渉させたら、あまりにも中国企業がひどいので全員が辞めてしまう。何度やっても同じ。
勿論中国にもまじめな人がいないわけではない。ポンプメーカーの社長は親切で信頼できた。しかし、そういう人は例外と見たほうが良い。中国人はとても普通の日本人がまともに相手できる相手ではない。今回の尖閣問題はそういう中国人の実態を露出させた。
これまで、中国の発展のため周恩来の時代から尽力してきたパナソニックは途方に暮れている。
余談になるが、中国の人件費が安いというのは昔の話。今や中国はアセアンの中では高人件費の国。人件費はベトナム・ハノイの3倍、ミャンマー・ヤンゴンの5倍にもなる。おまけに中国人の労働効率は極めて悪い。日本人が4人でこなす仕事を20人もかかる、トヨタの工場でさえ2倍の労働者を要する。従って、現状では日本と中国の労働コストがほぼ同等、人件費節減で中国に生産拠点を移すメリットが全く無くなった。
しかし、中国に進出した多くの日本企業は立地時に長期間の従業員高レベル給料を保証し、環境設備の整備などで一筆入れており、実質抜け出すことは不可能。それを見透かして、労働者は賃金値上げのストを打ち続ける。
つまり、日本企業は今後も長きにわたって、中国人労働者に高給を支払い、環境などの設備を建設するために中国で工場を稼働させていかなければならない。赤字が増えている状況を考えると、日本からの赤字補てんも必要だし、ただ中国に貢ぐためだけに日本企業は過酷なビジネスを継続しなければならない。
いかに中国がしたたかであるかが分かる。
文部科学省は、漢文など中国を理想郷のように解釈している教科書を実態に合わせて書き直すべきだ。そうでないと、いつまで経っても中国に騙され続けることになる。