宇宙・生命・日本 1000年後のあなたに語りかけたい

巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

日本が発展系でないのは論理が無いから

2012年11月28日 10時45分00秒 | 思考空間

 バブル崩壊後、欧米では日本がV字回復するとの見方は強かった。しかし、20年以上を経ても回復したとは言えない。そこで明らかになったのは①日本に成長戦略が有ったわけではなく、②シンクタンクと自称していた官僚機構が優れていたからでもなく、③日本企業の経営が特別優れていたからでもない・・・が分かった。また、シンクタンクは国内に2000ぐらいありながら全く機能しなかった。

 何故、こんなことになったのか。一言で言えばそれは日本に論理性が無いから。論理の延長線上に戦略が位置するので戦略が無いとも言える。それでは日本社会の特性は何なのかと言うと、前にも述べたカンカン上天国なのである。日本が戦後の焼け跡から不死鳥のように復活したのは別の要因である。

 カンカンは慣習と感情。最初のカンは慣習:つまり、日本人は決められたことを決められたようにやるようDNAが書き込まれている。それに反する事は悪だと刷り込まれている。新しいものを求め、すぐ飛びつくように見えるがそれは表面的なことで、実際は保守的。なかなか、現在の生活や仕事のパターンは変えられない。

 二番目のカンは感情:優位な立場(顧客であったり、数が多かったり、発注者であったり)にいるほど、上に立つ(上司)ほど、感情を出しても良いことになっている。大学には感情論と言うのが歴然とある。つまり論理もへったくれも無い。感情・気分で判断する。だから、何が事実かが不明になり、状況により時間経過により判断が変わる。

 上天国とは、上に行くほど、権限が増え、給料や名誉が増え、逆に責任が減ること。ソニーの井深氏も出世するほど天国に近づくと書いておられた。(私のように具体的内容は指摘していなかった)方法は何でも良い、兎に角、日本では上位に上がることが絶対条件。ばれなきゃ法律を犯してもポストを上げる。

 この上天国は社会構造における欲望の究極形態で、日本の社会構造、すなわち既得権構造を形成する基本的な仕組みである。更に上天国を守る人間を引き上げ、改めようとする人間を排除することにより、ベクトルが一致し純度が高まり、ますます強固な既得権構造が出来上がる。物理的にもネガティブフィードバック(例えば発振回路:周波数が一致するようになる)と呼ばれ、証明されている。

 日本の既得権構造の最頂点に位置するのが官僚組織(最上位ブロック)だ。既得権構造ではこの既得権を維持し拡大することこそが目的であり、日本の発展のためとか「戦略的〇△」などは予算取りや騙しの作文に過ぎない。この構造を改革しないと日本の将来は無いが、現状を見てもお分かりのように官僚機構改革は容易ではない。

 これらは全て、非論理的な行為である。日本式のやり方は国内・組織内・仲間内では通じる。何とでもなるが、国外やより広い範囲では通用しない。そのために、できるだけ内々で処理する傾向も出る。例えば、江戸時代には鎖国が有る。日本の外交は相手が有ることを十分意識していないし、情報収集も分析もできていない。感情の勢いで、今まで通りやろうとする。

 日本は現在あらゆる方面で深刻な問題を抱えている。何故こうなったのか。日本は成長の過程で、目の前の課題を一つ一つ解決してこなかった。場当たり的に対処して、本質的な問題を先送り棚上げしてきたために、社会が構造改革されず後進体質がそのままスケールアップしてしまった。

 教育の現場で教えるべきは論理性であり、カビの生えたような古い情報を頭に詰め込むことではない。物事を正しく認識し、論理的に思考し、正しく判断することが最も重要で、それを身に着けさせることこそが未来を開く教育だ。大学自体が感情で判断し動くような状況ではとても改善は望めないが。

 教授が感情論を持ち出すのは、「私に従いなさい。サービスしなさい。怒らせると昇進させませんよ」との意思表示である。勿論、感情論という論文が有るわけではない。大学ではいかに優秀でも、教授に好感を持たれなければ、同じ分野で教授に昇進することは極めて難しい。

 第二次世界大戦末期、1945年5月末、米軍は激しい沖縄戦の末、首里を占領した。少なくともこの時点で勝負あったとみなすべきだが、直後の第13回御前会議でも戦争継続で全員一致した。特に阿南惟幾(これちか)陸軍大臣が最強硬だった。もし、ここで終戦させていれば数十万人の死者も助かり、二つの原子爆弾も投下されなかった。

 広島原爆投下直後の第14回御前会議でも継続、第15回御前会議(1945年8月14日)に昭和天皇が「私はどうなっても良いから」と降伏を告げた。どうなっても良いとは、最高責任者としての死刑を覚悟されたことは間違いない。阿南は降伏撤回のため、クーデターを企て、失敗し割腹する。穏健派は暗殺されている。このように日本は一度走り出すとなかなか止まらない。

 論理の無い世界では「らしさ」やテクニックが重要視される。私も電力会社に30年程度いたが、事実がどうであるかではなく、いかに「らしく」するか、もっと言えばいかに騙すかが問わる。実力や能力が見えたら昇進の邪魔。

 これは官僚の政界も一緒だが、起案して通れば予算が出て使い放題、結果や責任は問われない。騙して予算取りし大プロジェクトをおっ立てればば失敗しても大昇進する。

 現状では、いつまで経っても日本は世界から孤立するばかり。中国の悪質なやり方の方が世界的には認められてしまう。

 日本に論理性が根付き、少なくとも半分以上論理的な判断で動くようになれば、画期的に変わり得る。論理性=事実の追及=正しい判断が日本をへ導くことは疑いの余地が無い。

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