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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

電力会社のいかさま具合

2013年02月20日 19時24分39秒 | 深刻な問題

  電力会社で何がいかさまかと言って、エスカレーター人事(成果実績も経営能力も無いのが楽をしてエスカレーターでトップに上り詰める)ほど、いかさまなことはない。社長候補は大体30代で決まる感じ。自民党国会議員の推薦、学歴(東大、京大など)、上司への忠誠(アフターファイブ、公私混同のサービス)、作文のうまさ(綺麗ごと、嘘つき)、役者ぶり(好人物の演技、仕事しているフリ)、手堅い(ミスが無い、逃げ上手)などかな。

 利用や理念を持っても良い、能力があっても良い。しかし、それらが顕在化することはダメ。特別管理職になったら、上司へのサービスでいかに奉仕するかが問われる。仕事はやるフリ(減点主義だから自ら業務を率先したら墓穴を掘る)、全部副長以下にやらせ、部下には厳しく、上司には優しく、私生活で上司と時間を共有できたらベスト。

 電力社員は先鋭化した官僚とも言われる。優秀な人材が揃っているが、優秀さが問題。特に事務屋は官僚同様ミクロには敏感だが、マクロには鈍感な間抜け揃い。中心でタクトを振っているのは1mmに(あるいは表面的なことに)こだわりすぎて、100mの穴に気が付かないか、見ぬふりしている連中だ。頭の大きなボルトが抜けているのだからどうしようもない。現職中いつもそのことを感じていた。

 電力エリートが外に対して出来ることは、金にものを言わせて事を進めるか、メーカや業者を呼びつけて偉そうに怒鳴り散らすぐらい。ふんぞり返りすぎてひっくり返る。会社のポストを失ったら何もできない。社会音痴。世の中知らず。電力トップは経営などまともなことは何も知らない。電力内の特殊出世ルールには詳しい。

 何度も記述するがほとんどの電力社員は超真面目。問題は温室エスカレーター組。かなり問題があっても、(刑事事件にならない限り)強固にガードされ、確実に昇進のステップを踏む。事務屋はその点 情報収集も含めて抜かりない。技術屋は疎い。

 さて、初めて、東京電力の発表に疑いを持ったのは、新潟県中越沖地震(2007年7月)で柏崎刈羽原発の発表だ。確か、許容度を超えるような震度を受けたとのではないかとの指摘に対して、データが消失したと公表した。当時、嘘だろうと思ったね。

 某火力発電所の計装では購入時の条件を一言「最も良いもの」とだけ書いて競争見積もりにしていた。原子力関連の予算は例外的に制限が緩い。最高級のシステムを設置している。恐らくデータのバックアップは出来ているし、仮にハードディスクが壊れても技術的にはデータを読み取れる。

 震度データが原発の設計許容度を超えていた可能性がある。これを発表すれば東電だけでなく、全電力に影響が及ぶ。そこで事務屋の発想でデータ消失としたのだろう。東電は経済産業省をごまかすのはお手のものだった(週刊誌などで指摘)のであり得ることだ。嘘でごまかすのは常套手段。

 この頃はまだ電力会社の信用が有った。東京電力は口先発表でマスコミが追求を止めたので、ちょろいものだと思ったのではないか。これが油断となり、福島原発につながった可能性がある。マスコミが証拠を掴み、徹底的に追求すれば、原発の設計や安全性の見直しになった可能性は高い。

 福島原発の全電力喪失は全電力会社始まって以来の大失敗、大敗北、大チョンボだったね。発電所の非常用発電、バッテリー、送電線の全部が失われたということは、十分な検証がなされてこなかった事を示している。原子力は安全という神話をことさらに喧伝し続けたため、この領域が聖域化・真空化された。

 福島原発の建屋が吹っ飛び、爆撃を受けたような姿をさらした時、東電の社員は腰が抜けたはず。日頃は外壁に少しでも汚れが有れば即座に補修するような状況だった。原子力に関しては内側ではともかく、外側は完璧でなくてはならなかった。一度は腰が抜けたが、開き直ったと思う。

 電力会社内では原子力の安全性を議論することがタブー中のタブーになっている。アンタッチャブル。例えば、私が「うちの原発大丈夫だろうか」とでも言おうものなら、みんなの耳がピッと立ち、誰かにチクられる恐れが有った。

 原子力の課長クラスでも副社長などと密接に繋がっているから、下手な指摘をすると一括される。私がいた電力は他面調査(特別管理職は全社の同レベル以下の社員を評価できる)という変な評価が有ったから、これで集中的にやられ排除されかねない。

 今月、東北電力で被災者の電力料金を下げることが出来ない理由について「避難している人を特定できない」ことをあげている。東北電力はまじめな人が多いが、それでもこのような返事だ。要は値下げしたくないから誰でも納得するような理由を見つけて拒否する。そういう一言でパチッと決める人物が電力会社では出世する。

 技術屋だと、データや理論を根拠にする習慣があり、事務屋ほどには簡単に嘘をつけない。そこで、嘘を武器に上司や社会をだまくらかし、それで出世するのはもっぱら事務屋だ。元々ポストが人数あたり技術屋の2倍ある。例外的に技術屋の中にも平気で嘘をつき上司の喜ぶようなデータをねつ造し続け、取締役まで上り詰めた「事務屋まがい」がいることを以前書いた。ある化学屋が教えてくれた。

 電力会社を目指す学生は安定して楽ができる会社との認識で志望し、入社してみると思った通りという状況。元々実力を発揮して頑張ろうなんていう学生は来ない。需要は営業しなくても自然に増加し、利益率一定で無駄が多いほど利益が増えるのだから、努力を要せず、ぼろい商売で経営など必要ない。

 仕事の実績を作るろうとすれば摩擦を生み、ミスが出る。電力会社でミスは致命傷だから、検討だけして何もしないほうが良い。電力会社にいると書類作成では鍛えられる。年中作文教室だね。それでいて、新しい企画を全てを却下した管理職が副社長になっている。自分で言っているのだから間違いない。

 従って、トップを見渡しても自分の実力と努力で大きな実績を上げた者などいない。能力が無いトップばかりだから、能力のある者を理解できないし、その前に男の物凄いジェラシーがある。従って、各電力が実績評価システムを導入しても絵に描いた餅。

 電力会社で強いのはインテリやくざ、平気で嘘をつくが、少なくともその場では上司にその嘘を見破られない。騙した者勝ち。騙してプロジェクトを立ち上げ、大失敗しても責任を問われるどころか常務以上に大大出世。これ本当の話。潰れてゆくのは、強力なバックアップを持たず優秀で真面目な人。病気になったり自殺する人もいる。やくざには対応できない。

 実績を上げる人物は邪魔な存在だから例えば「電力業務では君の能力は評価されないので関連会社のメーカーへ出向したらどうか」と言われるだろう。人事でNOを言うことは、かなりマイナスになる。そこで、電力会社には無能で、上司へのサービスが生命線の気持ち悪い連中が残る。本店の課長以上はまるで女郎かオカマだなといつも思っていた。

 昔は、朝から晩まで新聞を広げて見ている課長もいたが今は流石になくなった。暇だから、常時部下の人事をやっている。つまり、部下に仕事させ、自分への忠誠心とサービスを見ながら、こいつの評価をどうするか昇進をどうするか考えているわけだ。

 もし仕事に精力を傾けていると、取締役から電話が来た時に、さわやかな声で応対できない。部屋に行った時もストレス顔は非常にまずい。私はいつも必死に仕事していたから、今思うと電力的には、あれもこれもまずかったなとの印象ばかりだ。ま、電力会社(特に本店の中枢)はまともじゃない。早期優遇退職制度で辞めて良かったよ。

 

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