路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説・01.14】:温室ガス排出/温暖化抑える削減目標に

2025-01-18 06:00:10 | 【地球温暖化・温室効果ガス・排出量取引・国連条約COP・IPCC・海水温上昇

【社説・01.14:温室ガス排出/温暖化抑える削減目標に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.14】:温室ガス排出/温暖化抑える削減目標に 

 石破茂首相が本部長を務める政府の地球温暖化対策推進本部が、温室効果ガスの新たな排出削減目標について「2035年度に13年度比60%減、40年度に同73%減」とする対策計画の改定案を了承した。政府は意見公募の後に閣議決定し、2月中に削減目標を国連に報告する。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の試算によると、産業革命前からの気温上昇を1・5度以内に抑えることを目指す国際枠組み「パリ協定」の目標達成には、35年度に13年度比66%の削減が求められる。日本の削減目標はこれをかなり下回っており、踏み込みが足りないと言わざるを得ない。

 改定案が示された環境省と経済産業省の合同会合では、委員から「低すぎる」との批判があった。脱炭素を目指す企業グループなどからも、より高い目標を求める声が上がる。政府は専門家や国民の意見に耳を傾け、温暖化を抑えられる目標を国際社会に明示しなければならない。

 日本は現在、30年度に13年度比46%減、50年に排出実質ゼロの目標を掲げる。政府は新たな目標がこれに整合すると述べ、排出削減と経済成長を同時に実現する観点から用意した数字だと説明している。

 だが世界気象機関(WMO)は、昨年1~9月の世界平均気温が産業革命前と同程度の気温と比べ1・54度上昇したと発表した。日本の昨年の平均気温も平年値を1・48度上回った。パリ協定の1・5度目標の達成は既に危機的な状況にある。

 日本を含む世界の農作物などに影響が出ているほか、豪雨や山林火災の多発、海面上昇などの被害が各地で発生している。とりわけ途上国の被害が深刻さを増している。二酸化炭素(CO2)など大量の温室効果ガスを排出してきた先進国には、自国の都合を優先せず、野心的な削減に率先して取り組む責務がある。

 日本政府が排出削減目標を上積みできない理由の一つに、発電量全体の中で火力発電の占める割合が高いという点がある。次期エネルギー基本計画の原案では、40年度に火力発電を3~4割程度使うとした。温室ガス排出が特に多い石炭火力の割合は明らかにしなかった。これでは国際社会の理解は得られまい。

 23年の国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)では、世界の再生可能エネルギー容量を30年までに3倍にするとの合意があった。ところが基本計画原案では、23年度実績で22・9%の再エネは40年度でも4~5割にとどまる。

 気候危機回避は国を超えた喫緊の課題である。日本は温室ガス削減に寄与するため、再エネの技術革新などに国を挙げて取り組むべきだ。

 元稿:神戸新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月14日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 《社説①・01.18》:阪神大震... | トップ | 【社説・01.15】:学術会議法... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【地球温暖化・温室効果ガス・排出量取引・国連条約COP・IPCC・海水温上昇」カテゴリの最新記事