路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【深層一直線】:与野党の「壁」 克服か分断か…右松健太

2024-11-13 10:30:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【深層一直線】:与野党の「壁」 克服か分断か…右松健太

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深層一直線】:与野党の「壁」 克服か分断か…右松健太

 ◆米国にみる対極の形 

 長い夏が過ぎ、ようやく秋の訪れを感じるようになってきた。山あいの行楽地から紅葉のたよりも届く。私も11月上旬の週末、穏やかな秋の陽気に誘われて、近くの公園までのジョギングを再開した。

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安川純撮影

 ■[深層NEWS]トランプ次期政権下の米中関係「戦略的デカップリングはおそらく復活」…佐橋亮氏

 小学生の頃、学校から帰ると、ランドセルを放り投げ、グローブと軟式ボールを持って公園に走った。

 赤く染まる秋空――。仲間たちと夕暮れまで白球を追いかけ、家に帰れば、そのまま家の壁が練習相手になった。遠くの空に日が沈んでも、街灯の明かりをたよりに白いチョークで描いた壁の的をめがけて、壁当てをしていた。鈴虫の音に交じり「晩ご飯ができたわよ」と呼びかける母の声が懐かしい。

 そんなかつての野球少年の胸を躍らせたのは、今年、大きな「壁」を越えた米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の活躍である。前人未到の「50本塁打50盗塁」という壁を越え、ワールドシリーズ優勝という夢舞台に立った。大谷選手の「人生設計シート」のエピソードは有名だ。明確な目標を設定し、そのために“心技体”それぞれ、どのように「壁」を越えてゆくべきか自らに問い、努力を続け、ひとつひとつを実現していく姿には敬服する。

 しかし、同じアメリカでも、政治では大きな「壁」が両者を分断している。米大統領選挙では、民主党、共和党、それぞれの支持者は、相手の主張に耳を傾けることなく、意見や価値観は対立している。5日、投開票が行われ、米主要メディアは共和党候補のドナルド・トランプ前大統領の勝利確実を伝えた。強硬な不法移民対策を主張しているトランプ氏は、南部の国境にさらなる「壁」の建設を進めるかもしれない。

 永田町でもいま「壁」を巡る議論が活発だ。先月行われた総選挙では、自民党と公明党の連立与党は233議席を下回り、衆議院で過半数割れとなった。一方、議席を4倍に増やした国民民主党は、年収が103万円を超えると所得税が課される、いわゆる「103万円の壁」を見直すよう迫っている。他にも、社会保険料の負担が生じる「106万円の壁」と「130万円の壁」についても議論になりそうだ。インターネットのニュース検索で「壁」と入力すると、「年収の壁」に関する記事がずらりと並び、コメント欄に専門家や識者が解説を加える。政策には利点や課題はつきものだ。SNSでも賛否様々な立場で意見が交わされ、国民的な議論になっていることは意義深い。

 総選挙の投開票日翌日の先月28日、「深層NEWS」に出演した国民民主党の玉木雄一郎代表は「与党には大きな心で野党側の意見も受け入れてもらいたい」と述べた。これまで、与党が野党との間に「壁」を作り、野党が提出した法案を“ないがしろ”にしてきたとするならば、今後、少数与党の国会運営においては、石破政権が野党の提案にも耳を傾け、政策本位の議論が交わされることには期待したい。ただし、野党側も主張をのませる手法が強引過ぎたならば、有権者は「壁」を作ってしまうだろう。

 ■:(BS日テレ「深層NEWS」キャスター)

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース エンタメ・文化 【テレビ・深層一直線・深層NEWS】  2024年11月13日  10:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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