路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【天風録・12.26】:M―1と方言

2024-12-27 07:00:35 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【天風録・12.26】:M―1と方言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・12.26】:M―1と方言

 「なんでだよ」という共通語のツッコミは「なん」にアクセントがあるので、ボケを最後まで聞く必要がある。関西弁の「なんでやねん」は「なん」が聞こえずとも伝わる。その分素早くツッコめる。だから漫才のテンポがよく、笑いを取りやすい

 ▲漫才コンビ、令和ロマンの高比良(たかひら)くるまさんが自著「漫才過剰考察」で分析する。コンマ何秒という間で勝負する世界。関西弁が漫才向きであるわけだ。それでも関東出身の高比良さんは共通語の長所も冷静に捉える

 ▲関西は、ボケる前に次の展開をほのめかす「フリ」を大事にする。それに縛られない共通語は、意外性を出しやすく「ボケのパワーが大きい」と見る。今年の「M1グランプリ」決勝で披露した2本のネタは、その効果を最大限引き出した。大会初の連覇にも納得した

 ▲20回を重ねた大会はかつて関西勢の独壇場だった。だがここ5年のチャンピオンは、津山市出身のウエストランドやボケが北海道出身の錦鯉(にしきごい)など多彩に。各地の言葉が武器になっている

 ▲漫才が大阪で生まれ約90年。笑いの本場は悔しいかもしれぬが、漫才が全国に根付いた証しでもある。いつか広島弁のチャンピオン誕生を見届けたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2024年12月26日  07:00:00  これは参考資料です。転載等は、各自で判断下さい。


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