またまた橋下氏がマスコミを使ってパフォーマンスに出ました。イチイチ付き合っていられない!と思いますが、そこが橋下氏のネライです。諦めたらオワリでしょう。だから、橋下氏の一つ一つの挑発的言動に対して批判をしていく必要があると思います。
橋下氏の挑発的言動は、それを支持する有権者・国民の存在が「確信」となって、根拠となっているからです。したがって一つひとつの挑発的言動に対して道理をもって、批判し、橋下氏を支持している国民との対話をしていくことを想定して橋下氏を批判していくことではないか思います。
では今回の提案です。如何にして道理に反しているか、不道徳的か、について、です。
まず第一は、最初から実現するとは思っていない提案、思いつきであることです。そういう点では迷惑千万です。このことは橋下氏の発言に端的に出されています。以下の記事をお読みください。
弁護士として、また日本維新の会の共同代表として、更に言えば、前大阪府知事として、今回の提案が実現できるかどうか、諸般の事情を考慮すれば判るはずです。しかし、沖縄に理解を示す振りをして、オール沖縄の要求を無視して事実上辺野古移設を容認しているのです。政府追随・アメリカ従属・卑屈のパフシーマンスといわれても仕方のない発想と提案です。
第二は、地元八尾市には無断であるということです。ここにも橋下氏の民主主義観・憲法観が浮き彫りになっているのです。このような発想で市政と国政が運営されるとしたら、これは国民生活と人権・民主主義の破壊を招くことは明らかです。
橋下氏を支持し、投票した有権者は、橋下氏の全部を支持して投票した人も当然いるかと思います。しかし、どうでしょうか?そうではない人の大勢いることも、また事実ではないでしょうか。そういう「想定」を前提とすると、橋下氏の選挙観と民主主義観からすると、選挙で選ばれれば、後は「白紙委任」ということで、「首長として何でもアリ!」というになります。
そのような身勝手な政治家を、そろそろ辞めさせることに、考え方を転換していくことが大切ではないでしょうか?今回の慰安婦問題の妄言・暴言を支持して、橋下氏を支持した人がどれだけいるか、判りませんが、今回の問題が有権者と政治家の関係を考えた時、貴重な教訓のような気がします。
このことは八尾市の有権者のうち、前々回では橋下氏を、前回では松井氏を府知事選挙で、どれだけの有権者が支持したか、また総選挙・府議選・市議選などにおいて、維新の会の候補者をどれだけの人が支持したか、更に言えば、今回の「提案」をそれらの選挙で支持した有権者がそれだけ支持しているか、愛国者の邪論は検証していませんので、判りませんが、是非とも地元で検証してほしいものです。
大阪・八尾空港で受け入れ=オスプレイ訓練-橋下氏表明・菅官房長官に6日伝達(2013/06/03-22:07)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2013060300737
…加えて、米軍や同空港を設置・管理する国の意向にも左右されるため、実現するかどうかは不透明な情勢だ。…沖縄県内から厳しい批判を招いたため、基地問題に取り組む姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。…「(同県に)辺野古移設をお願いしたのだから、(本州の自治体が)オスプレイの訓練を少し引き受けるぐらいのことをやらないと(いけない)」「一つの案として、八尾空港の名前が出てきた」「防衛政策や安全保障上、きちんと精査したわけではないから、本当にできるかどうかは分からない」とも指摘。菅長官との会談では、「沖縄の基地負担軽減の話として、本州でオスプレイの訓練の一部でも受け入れる方向性を(政府で)検討してもらえないかと伝える」と語った。…八尾市の田中誠太市長は…「市との調整、市民への事前説明がない中で誠に遺憾。反対の立場で対応していきたい」との見解を公表した。同市は松井氏が府議時代に地盤としていた。 八尾空港はJR大阪駅の南東約20キロに位置し、全長1490メートルと1200メートルの滑走路2本を有する。周囲は市街地で、自衛隊や警察・消防のヘリコプター、自家用ジェット機などが利用。民間の定期便は発着していない。(引用ここまで)
第三には、地元では、過去において、八尾空港は問題を起こした飛行場であること、八尾空港自身が普天間同様市街地の真ん中に位置していることです。こういう事実を無視して「一つの案として、八尾空港の名前が出てきた」「大阪府民、八尾市民から反発が出るのは当たり前だ。ただ、選挙のことは一切考えていない」という感覚、発想そのものに、政治家としての感覚が徹底して不足していることを、改めて浮き彫りにしたと言えます。政治家としてのセンスまるでなし!です。
「八尾にオスプレイ」強まる反発 「近くに小学校も」2013年6月4日14時43分
http://www.asahi.com/national/update/0604/OSK201306030187.html
…橋下氏は沖縄の基地負担を軽減したい思いから「黙っていたら何も動かないから政府にボールを投げてみる」と言うが、候補地の八尾空港の地元は反発を強め、実現にはハードルが高そうだ。…八尾市の田中誠太市長は…「八尾はヘリコプターや民間航空機が墜落した事故があった。過去の事件事故を踏まえ、(オスプレイは)危険性が非常に高い機体ではないかと判断している。米軍のテスト訓練で多くの犠牲が払われていると聞き、不安が残る」…大阪府の小西禎一副知事に電話で受け入れ反対の方針を伝えた。八尾市は松井氏の地元でもあるが、田中氏は府から事前説明がなかったことも問題視。「松井知事の真意を確認したい」と府に文書で申し入れた…八尾市内では2008年8月、住宅や商店が並ぶ路上に軽飛行機が墜落。10年10月には同空港に隣接する陸上自衛隊八尾駐屯地にヘリコプターが墜落し、付近の公園や工場に部品の一部が散らばった。 空港近くでは、この日もヘリコプターが次々と飛び立った。買い物帰りの主婦(42)は「空港周辺には小学校や中学校もある。できればやめてほしい」。長年地元で商店を開いている男性(73)は「絶対反対。この辺で軽飛行機が落ちたことも知っているし、恐ろしいだけだ」と語った。 訓練ルートに含まれる和歌山県の仁坂吉伸知事は3日の会見で「受け入れもへったくれもなくて、勝手に飛んでいるじゃないですか。和歌山県でやる代わりに大阪府へいくのかな。松井知事はアメリカ軍ですかね」と疑問を呈した。(引用ここまで)
オスプレイ 「大阪・八尾で訓練を」橋下氏表明 2013年6月4日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013060402000135.html
…「沖縄県の在日米軍基地負担軽減のため、訓練くらい本州で受けないといけない。僕らが大阪の話を出さないのは無責任だ」「防衛政策の観点で精査したわけではない。できるかどうかは分からない。政府にボールを投げる」…橋下氏は…発言が国内外から批判を浴び、日本維新は支持率低下に苦しむ。参院選を控え、基地問題に積極的に取り組む姿勢をアピールすることで、巻き返しを図りたいとの思惑がある。…八尾市長は「危険性が非常に高いと判断している。まだ機体の安全性が確認されていない」「市民生活に大きな影響をもたらす事案で、八尾市との調整や市民への事前説明がないのは遺憾だ。市街地にある八尾空港が選択されるのは反対だ」と強調…こうした反応について橋下氏は…「大阪府民、八尾市民から反発が出るのは当たり前だ。ただ、選挙のことは一切考えていない」と強調した。 構想のきっかけについては大型連休初めに沖縄県を視察した際、政策協定を締結した政治団体「そうぞう」代表の下地幹郎元郵政民営化担当相から打診を受けたことを明らかにした。「オスプレイの訓練の一部を本州で引き受けてくれないか」との内容で、それに基づき八尾空港での受け入れを検討したという。(引用ここまで)
オスプレイ大阪受け入れ意向 松井知事は撤回を 労組・団体が緊急要請 2013年6月4日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-04/2013060415_01_1.html
橋下氏は、以上の指摘に対して応えるべきです。またマスコミは、これらのことについて、記者会見で問いただすべきです。橋下氏を支持した有権者は、橋下氏に対して問いただす責任があります。単に選挙で投票したらオワリではありません。国民主権と民主主義は、国民の生活と権利・民主主義を擁護し発展させることで幸福追求権と生存権を保障していくのです。
そういう意味で、国民は不断の努力を課せられているのです。どうでしょうか?
最後に、マスコミは、八尾市民・大阪府民の運動を紹介すべきです。日本のマスコミに決定的に欠けているのは、国民の動きを紹介しないことです。外国の民衆の動きは伝えるにもかかわらず、国民的運動を紹介するという点では、極めて消極的です。運動の広がりを怖れているとしか言いようがありません。
それを証明する事例として、先に行われた2日に開かれた原発ゼロをめざす東京の運動の報道が極めて弱かったことに象徴されています。これなどは、復興をめざすフクシマ、再稼動を許さない各地の運動の紹介が次第に風化してきていることにも象徴的です。しかし、全国各地で展開されている原発ゼロをめざす運動は、現状ではアベノミクスの成長戦略のと真っ向から対決する運動であることです。
このことは、中東やトルコ、インドへの原発輸出に対して徹底して中止を求める見解はテレビや全国紙では、非常に弱いということにも示されています。応援団化したマスコミにとって、ジャーナリズム精神を発揮しているかどうか、その試金石となっています。
もう一つ紹介しておきます。別の角度からみると、トルコの民衆の反政府運動報道です。東京オリンピック招致との関係でしょうか?トルコのイメージダウンを狙ったものでしょうか?先の猪瀬都知事発言の挽回を狙ったものでしょうか?いずれにしても、日本のマスコミは日本の反政府運動の紹介には消極的。海外の反政府運動、とりわけ中国の反省政府運動には積極的です。今回のトルコにも、その姿勢は貫かれています。
以上の視点に立って考えると、今回のオスプレイ配備と訓練に反対する国民の運動を紹介することで、橋下氏の論理と発想ではなく、オスプレイは「アメリカにお帰りいただく」という国民的世論こそ、巻き起こしていくこと、このことこそが、沖縄の「真の負担軽減」になるということをマスコミは自覚すべきです。負担の「たらい回し」と負担の「押し付け合い」という国民分断では何ら負担は軽減されるどころか、重くなるのです。
このことは、以下の和歌山県知事の証言と各自治体のアンケート調査結果を見れば明瞭です。更に言えば、日本国内の米軍は間違ったイラク戦争やアフガンの作戦に参加していること、韓国の軍事訓練にも自由に出撃していること、そのための訓練が日本各地で、しかも住民生活の身近で行われていることを、どのように考えるか、そのことの意味を日本のマスコミは自覚し、その視点から報道すべきです。国民主権と人権と平和主義を柱とする日本国憲法をいただく日本国民を人殺しに加担させているのですから。
以下、関連した記事を掲載しておきます。
八尾市長がオスプレイ受け入れ反対表明 2013年6月3日 14時12分
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-06-03_50043
和歌山知事、大阪受け入れを疑問視
和歌山県の仁坂吉伸知事は3日の記者会見で、米軍新型輸送機MV22オスプレイの訓練の一部を大阪府で受け入れる松井一郎大阪府知事の構想について「受け入れとは何なのか。どうするのか、質問したい」と、疑問を呈した。 仁坂氏は「今の日米安全保障関係法制では、米軍は決めたら勝手に飛んでくる」と指摘。「その前提で考えると『受け入れ』とはいったい何なのか」と問題提起した。(共同通信)
174自治体の約6割「国から説明ない」 オスプレイ訓練 (共同通信)2013/04/14 09:40
http://www.47news.jp/CN/201304/CN2013040901002074.html
米韓訓練にオスプレイ参加、既に韓国飛来か 2013.4.18 13:12 [韓国]
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130418/kor13041813130000-n1.htm
オスプレイ配備強行 背景に密約米解禁文書 「事前協議の対象外」 2012年9月24日(月)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-09-24/2012092401_01_1.html
最後に、オスプレイ配備と訓練に係わって、思ったことです。
全国各地に広がる訓練域に住む国民と沖縄県民の連帯した運動をどうやってつくることができるか、その運動の成果を、オスプレイの飛行を禁止させたアメリカ国民にどのようにして届けることができるか、更に言えばマスコミを動かしてどのように運動を発展させるか、ということです。このことは、今後の運動の在り方を左右するのではないかと思っています。如何でしょうか?