元CIA職員の告発がありました。日本のマスコミは、これまで、中国と北朝鮮のサイバーテロぶりを系統的に報道してきました。「脅威」を煽り、そのことで、自らの軍事的挑発と軍備強化を正当化してきました。国民も、何となく中国・北朝鮮はとんでもないことをする国だという印象を腹の奥底に沈澱させてきました。
以下の日本のマスコミが伝える内容のポイントは、以下のとおりです。
1.アメリカ政府はテロ対策のために合法的だった。
2.米政府が中国本土や香港のコンピューターをハッキングしていると報道している。
3.中国政府は香港政府と連携し、スノーデン氏を利用して対米圧力をかける思惑もあるとみられると流している。
4.エドワード・スノーデン氏は「売国奴」とチェイニー氏がFOXテレビで語ったことを伝えている。しかし、イラク戦争を煽った張本人でした。とても信用できませんが・・・、
5.アメリカ政府は、情報漏えいによって国家の安全はひどく脅かされており、その責任を追及するためできることをすべて行とののべている。
6.中国政府は、「米国はこの問題に対する国際社会の関心や要求を重視し、必要な説明を行わなければならないと認識している」と述べている。
7.テロ捜査とはいえ、米政府による中国へのハッキングが事実なら「われわれもサイバー攻撃の被害者」という中国の主張に「説得力が増す」(米CNNテレビ)と東京が伝えている。
8.英政府の通信傍受機関、政府通信本部(GCHQ)が2009年にロンドンで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合などで、各国代表団の電話や電子メールを傍受していたとして、アメリカばかりか、イギリスも。だった。しかもスノーデン氏が係わっていた。
ということで、これまでは中国と北朝鮮だけがやっていることのようにマスコミは「事実」を垂れ流してきましたが、ここに来て、米英も、でした。当然のことですが、このような「スパイ」事件は、どこの国でもやっていることは、周知の事実でしたが、日本のマスコミは、中国・北朝鮮の「脅威」を煽る「事実」として位置づけて、国民に垂れ流してきたのです。
どうやって反省し、検証し、公表し、改めていくか!そこにかかっていると思います。これこそが成熟した民主主義と言えるのではないでしょうか?
この事件について、いくつかの社説が報道していますが、それは後日記事にして考えてみます。
以下、特徴的な記事を掲載しておきます。どこの社のものか、そこがポイントです。
英がG20で各国の通信傍受か 元CIA職員資料で判明2013年6月17日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-208116-storytopic-3.html
【ロンドン共同】英紙ガーディアン(電子版)は16日、英政府の通信傍受機関、政府通信本部(GCHQ)が2009年にロンドンで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合などで、各国代表団の電話や電子メールを傍受していたと報じた。 ガーディアンは、米国家安全保障局(NSA)が市民の通話記録やインターネット上の情報を収集していたことを暴露した米中央情報局(CIA)の元職員でコンピューター技術者のエドワード・スノーデン氏から入手した資料で確認したとしている。(共同通信)
米に説明要求=元CIA職員の暴露問題-中国 (2013/06/17-19:51)
ttp://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2013061700773
【北京時事】中国外務省の華春瑩副報道局長は17日の記者会見で、米国家安全保障局(NSA)が個人の通信情報を収集していたと、香港滞在中の元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏が暴露したことについて、「米国はこの問題に対する国際社会の関心や要求を重視し、必要な説明を行わなければならないと認識している」と述べ、米政府に責任ある対応を求めた。 スノーデン氏は香港で、地元有力英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストの取材に対し、米政府機関が中国本土や香港を対象にしたハッキングを行っていると主張した。この証言が事実なら、自らを「ハッカー被害者」とする中国の主張を裏付けることになる。 スノーデン氏はまた、同紙に対し「(香港の)法廷で米政府と闘う。香港の法治を信じている」とも表明。香港を特別行政区として影響下に置く中国政府の対応も焦点となっている。中国政府は香港政府と連携し、スノーデン氏を利用して対米圧力をかける思惑もあるとみられる。
スノーデン氏は「売国奴」=中国関与の可能性も-前米副大統領 (2013/06/17-08:50)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013061700072
【ワシントン時事】チェイニー前米副大統領は16日のFOXテレビの番組で、当局の情報収集活動を暴露した元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏について、米国民の安全を脅かす「売国奴だ」と強く非難した。現在の滞在先が香港であることに関し、中国が暴露に関与した可能性があるとの見方も示した。 チェイニー氏は、スノーデン氏の守秘義務違反は犯罪に当たると強調。今回の暴露について「米国の安全保障に重大な損害を与える機密漏えいとして、記憶に残る限り最悪のケースだ」と語った。 また、「中国というのは普通、自由を求める人間が行きたがる場所ではない」と指摘。「事前に中国側と何らかの接点を持っていた疑いがある」と述べるとともに、スノーデン氏がまだ公にしていない情報を中国側が得ている恐れがあると懸念を示した。
元CIA職員、暗号メールで英紙に情報提供2013年6月15日20時25分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130615-OYT1T00865.htm
【ロンドン=佐藤昌宏】米国家安全保障局(NSA)などによる通信監視を暴露した米CIA元技術助手エドワード・スノーデン氏は、情報提供先として米紙ワシントン・ポストに加え、英日刊紙ガーディアンを選んだ。 同紙は、情報提供を受けた経緯などを紙面で伝えている。 ガーディアンは米国内で新聞を発行していないが、ウェブサイトには「米国版」があり、月間1000万回以上のアクセス数を誇る。スノーデン氏は、同サイトに公民権問題や米国の安全保障に関するコラムを寄稿している元憲法学者の米国人グレン・グリーンウォルド氏(46)の「体制と対決する」姿勢に共鳴し、情報提供先に決めたという。 スノーデン氏は2月中旬、グリーンウォルド氏にメールを送り、情報提供を申し出た。NSAなどにメールを盗み読まれるのを恐れ、暗号を使ったメールのやり取り方法を伝授する動画も送っていた。 グリーンウォルド氏は当初、情報の真偽に疑問を抱いていたが、スノーデン氏から別個に接触を受けていた知り合いの米映画監督が同氏の身元を保証したため、暗号メールで情報提供を受けるようになった。2人は5月下旬、香港のホテルで初めて顔を合わせた。
CIA元職員米ハッキング暴露 対中非難揺らぐ足元 2013年6月14日 朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2013061402000117.html
【ワシントン=竹内洋一】米情報機関による市民の通信情報収集を告発した中央情報局(CIA)元職員が十二日、米政府が中国本土や香港のコンピューターをハッキングしていると再び暴露したことは米国に衝撃を与えた。米政府はこれまで、中国発とみられる米国へのサイバー攻撃を一方的に批判してきたが、その立場にも影響が及びかねない。
CIA元職員で香港滞在中のエドワード・スノーデン氏は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに対し、米国家安全保障局(NSA)は近年、世界中で六万一千件以上のハッキング作戦を行い、うち数百件は中国本土や香港が対象だったと話した。 米国務省のサキ報道官は十二日の記者会見で「報道は承知していない」としながらも、「経済や金融の情報を追い求めるのと犯罪を計画する人物を捜査するのは違う」と述べ、米政府による情報収集の正当性を強調した。 オバマ大統領は先の米中首脳会談で、中国の習近平主席にサイバー攻撃への対応を迫ったばかり。テロ対策のための情報収集は、サイバー攻撃による知的財産の窃盗とは「違う」とも述べていた。 テロ捜査とはいえ、米政府による中国へのハッキングが事実なら「われわれもサイバー攻撃の被害者」という中国の主張に「説得力が増す」(米CNNテレビ)。米中両政府は七月の戦略・経済対話でサイバー安全保障の具体策について協議する見通しだが、中国側が態度を硬化させる可能性も出てきた。 一方、NSAのアレグザンダー局長は十二日、上院歳出委員会で証言し、通信情報収集の合法性を強調した上で「国内外で数十件のテロ事件の阻止に役立った」と述べた。 明るみに出た極秘の情報収集は、安全確保と人権尊重のバランスをどう取るのかという問題を、あらためて米社会に投げかけている。 世論は割れている。ギャラップ社が十二日にまとめた世論調査では、情報収集に賛成が37%、反対が53%を占めた。だが、ワシントン・ポスト紙が十日に報じた調査では、56%がテロ捜査の手法として電信記録の収集を容認。容認できないとした41%を上回った。
元CIA職員証言 中国「推移見守る」 6月14日 20時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130614/k10015314681000.html
アメリカの政府機関が通信会社などから秘密裏に個人情報を得ていたことをメディアに明かしたCIA=中央情報局の元職員が、中国などのコンピューターにハッキングし情報収集していたと述べたことについて、中国外務省は、中国こそサイバー攻撃の深刻な被害者だという従来の主張を強調するにとどめ、事態の推移を見守る考えを示しました。
アメリカの政府機関が大手通信会社などから電話の通話記録などの個人情報を得ていたことを暴露したCIAの元職員、エドワード・スノーデン氏は、香港メディアに対し、アメリカのNSA=国家安全保障局が、中国を含む世界各国のコンピューターにハッキングして情報収集していたと述べました。これについて中国外務省の華春瑩報道官は、14日の記者会見で、「中国がサイバー攻撃の被害を最も深刻に受けている国だということを裏付けた」と述べて従来の主張を強調し、事態の推移を見守る考えを示しました。その一方、「サイバー空間で必要なのは戦争や覇権ではなく、規則作りと協力だ」と述べ、外務省内にサイバーセキュリティー問題を扱う部署を設置し、外交ルートを通じて話し合っていく考えを強調し、アメリカに対する直接的な非難は避けました。また、中国国営の中央テレビなどは連日、関連のニュースを伝えていますが、ほとんど論評は加えずスノーデン氏の発言を伝えています。
FBI 元CIA職員を刑事訴追へ 6月14日 6時15分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130614/k10015291251000.html
アメリカの情報機関が通信会社などから秘密裏に個人情報を収集していることを暴露したCIA=中央情報局の元職員について、FBI=連邦捜査局のモラー長官は、機密情報を漏えいし、国家の安全を脅かした疑いがあるとして、刑事責任を追及する方針を明らかにしました。
この問題は、アメリカのNSA=国家安全保障局が、テロ対策の一環として、個人の電話の通話記録や、一部の電子メールの内容などを大手通信会社やIT企業などから直接、得ているとCIAの元職員、エドワード・スノーデン氏が、暴露したものです。これについて、アメリカ議会下院の司法委員会の公聴会で、13日、FBIのモラー長官は、「元職員に対する捜査を進めている。情報漏えいによって国家の安全はひどく脅かされており、その責任を追及するためできることをすべて行う」と述べ、スノーデン氏の刑事責任を追求する方針を明らかにしました。スノーデン氏は、先週から今週にかけて香港で欧米メディアなどの取材を受けており、FBIは、地元当局などと連絡を取りながらスノーデン氏の行方を追っているとみられます。一方、モラー長官は、情報機関による個人情報の収集について、「情報機関の最優先事項は国家に対する脅威と戦うことだが、すべての行為は合法的に行われている」と述べ、こうした秘密工作は法的に問題ないという考えを示しました。
元CIAスノーデン氏、中国と接点? 情報収集暴露 2013.06.14
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130614/frn1306141146002-n1.htm
エドワード・スノーデン氏(AP)【拡大】
米国家安全保障局(NSA)が通話記録や電子メールなどの情報を収集していた問題で、告発者である米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデン氏(29)と、中国側との接点が米国内で注目されている。 問題が表面化したのは、中国のサイバー攻撃が焦点となった米中首脳会談(7、8日)の直前で、元職員は会談終了翌日に突然、告発者としてメディアの前に現れた。 元CIA高官のボブ・ベアー氏は米CNNに、「スノーデン氏の滞在先が中国情報機関が牛耳る香港である点が問題だ」と指摘し、「この問題が発覚したことで、オバマ政権は大恥をかかされた」と語った。 ブッシュ前大統領の上級顧問を務めた米ジョージタウン大非常勤講師のブラッドリー・ブレイクマン氏も「中国の習近平国家主席がスノーデン氏が香港にいたことを知らなかったとは考えにくい。彼が何者で何をしに香港に来たか、中国当局は知っていたのではないか」と語った。 米政府当局者は12日、司法省がスノーデン氏の刑事訴追準備を進めていると明かした。これに対し、スノーデン氏は「犯罪を暴くために香港にとどまり、米政府と戦う」と語っている。