愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

共産党が参院選で躍進するためには暫定政権構想を提唱する必要がある!都議選の最大の成果はこれだ!3

2013-06-28 | 日記

愛国者の邪論は、都議選前に、以下のテーマで記事を書きました。

 

安倍自公政権に打撃を与え国民を守るためには真っ向対決する共産党が暫定政権構想を打ち出せ!その1、その2

 

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/03d90aea6f37c64237a691ea7a070881

 

http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/caa5120e58ed37c39aef5cf3e8848dfa

この提起の正しさが、昨日の志位委員長の報告で立証されたように思います。

参議院選挙必勝・全国決起集会 志位委員長の報告 2013年6月28日(金)

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-28/2013062805_01_0.html

しかし、共産党自身は、「暫定政権構想」などという話は、全くの想定外です。しかし、これで、本当に国民の要求が実現できるか?疑問です。いわゆる「受け皿」になり得るか。大いに疑問です。そこで、記事を再度書くことにしました。 

まず、都議選と国政選挙における都民の投票行動と共産党の獲得票を一覧してみました。

 

07参比

09

09衆比

10参比

12衆比

13

投票率

57.87

54.49

66.37

58.70

62.20

43.50

棄権数

4,398,140

4,764,288

3,567,304

4,387,573

4,052,242

5,982,629

自民党

1,539,810

26.07

1,458,108

25.88

1,764,696

25.47

1,253,624

20.66

1,626,057

24.87

1,633,393

36.04

公明党

718,202

12.16

743,427

13.19

717,199

10.35

699,020

11.52

662,743

10.14

639,160

14.10

民主党

2,296,555

38.88

2,298,494

40.79

2,839,081

40.98

1,909,602

31.47

662,743

10.14

690,622

15.24

維 新

―――

―――

―――

―――

1,298,309

10.14

374,109

8.25

みんな

―――

―――

419,903

6.06

922,177

15.20

762,730

11.67

311,278

6.87

共産党

554,601

9.39

707,602

12.56

665,462

9.61

497,151

8.19

484,365

7.41

616,721

13.61

社民党

554,601

9.39

10,210

0.18

299,032

4.32

252,628

4.16

136,889

2.09

12,948

0.29

都民の投票行動をみて、考えたことを、まとめてみました。今後、この視点を更に深めていかなければなりません。力不足を自覚しつつ、敢えてまとめてみました。 

1.棄権者が投票行動に参加するためには何が必要か。

2.民主党は200万票を3回獲得したが、その理由は何か。

3.自民党は一度も200万票を獲得していない。それでも政権がとれている。

4.自公では10年参院選の時のみ200万を獲得していない。

5.自民党は単独では政権を維持できない。公明党が頼り!

6.維新の最高獲得票129万をどうみるか。維新の失った924,200をどうみるか

7.みんなの最高獲得票93万をどうみるか。みんなの失った610,899をどうみるか

8.民主の最高獲得票2,839,081から最低獲得票へ、減った2,148,459をどう見るか。

9.公明党の最高得票74,347票から639,130と後退した104,267票をどうみるか。

10.共産党の最高獲得票70万が獲得・維持できていないのは何故か。

11.共産党が東京都において政権党となるためには、どれくらいの票が必要か。 

以下、興味深いデーターを紹介しておきます。平成13年(01年)都議選の結果です。

自民党

共産党

公明党

民主党

生活者ネ

社民党

自由党

無所属その他

1,721,603

748,085

722,464

647,572

137,489

68,055

132,719

609,472

35.96

15.63

15.09

13.53

2.87

1.42

1.03

12.73

 どうでしょうか?12年前の民主と共産党の獲得票、自民と公明の獲得票を比べてみると、今何が必要か、見えてくるような気がします。

1.民主党が64万から283万まで伸ばしたのは何故か。

2.共産党が74万8千から、61万6千まで下がったのは、というより、持ちこたえているのは何故か。

3.自民党が172万から一時120万まで落としたものの、今回163万を維持しているのは何故か。

4、公明党が、平均して72万人を維持しているものの、今回63万9千に落としたのは何故か。

5.自公の獲得票は、244万3千人から230万2千人とほぼ維持しているのは何故か。

6.自公VS共産の有権者の構造は、ズッと変わっていないことが判りますが、同時に、その中間に位置する有権者の移動によって政権交代が起こっていることが判ります。その要因は何か、です。 

以上の問題意識を踏まえて、志位委員長の報告を読んでみました。 

1.「政治論戦――『自民と対決、抜本的対案示す』という姿勢を貫く、『自共対決』を貫いたことが都民から評価され、躍進につながった」とありますが、これまでも、このスタンスは一貫していたのではないでしょうか?それとも違っていたのでしょうか?議席が獲得できなかったのは、このスタンスが弱かったから?ウソでしょう!

2.「この10年来、『自民か、民主か』という『二大政党による政権選択』作戦、それに続く『第三極』作戦という、二つの日本共産党排除作戦に直面し」ていたのは判っていたことです。問題はそのような「攻撃」に対して有効な対応策を取れなかったことです。それは何故でしょうか。このことを明らかにしていません。

3.「自民党との対決姿勢を鮮明にするとともに、わが党の責任ある抜本的対案を、あらゆる分野で、丁寧に語ること」は当然にしても、「抜本的対案」「日本共産党を伸ばすことの国民的意味」とは何でしょうか? 

4、「日本共産党を伸ばすことは、国民世論の前向きの変化をさらに促し、悪政推進勢力を包囲し、国民要求実現にとって大きな力になることは間違いありません」ということは、一般論としては、そうでしょう!しかし、具体的には大いなる誤りです。国民は共産党が大きくなることで、自分たちの要求の実現にとって大きな力となるようなことを望んでいないのです!

5.自民党がダメだったから、民主に期待したのは、何故でしょうか?その民主が「国民への数々の裏切りをした」結果、投票行動で棄権=忌避をしたのではないでしょうか?そのことは、昨年と今度の投票行動に示されています。 

6.それでは自共対決を鮮明にした共産党はどうだったでしょうか?一部のマスコミは民主の「受け皿」論、低投票率による「組織票」論を展開しています。志位委員長も「政治的対決姿勢を貫いたことが、都民から評価され、躍進につながった」と評価しています。確かに、こういう立場で臨んだことで低落傾向に歯止めがかかり、「選挙制度」「他候補の立候補状況」などが絡み合いながら、「躍進」につながったのではないかと思います。 

7.しかし、民主党に投票した有権者の期待が、本来は、共産党への支持票にならなければ、スジがとおりません。しかし、そのような視点は見当たりません。ここが不思議です。「自民か民主か」から、「民主か、自民か、それとも第三極か」ではなく、本来は、「自民か、共産か」か、或いは「民主か、共産か」でなければならないはずです。少なくとも「自民党型政治からの脱却」を強調するのは、以上の対立構図があるからです。 

8.しかし、国民は「偽りの構図」に取り込まれてしまったのです。その要因は、共産党の対立構図の打ち出し方に問題があったのではないでしょうか?今回の総括を、そのまま使えば、そういうことになりませんか?しかし、そのような視点には立っていないのが、今回の「総括」です。従って、「抜本的対案」を強調していても、「抜本的」が薄れてしまっているのです。

9.国民に「抜本的対案」を示すのであれば、自公政権に代わる政権構想、共産党の関係する政権だったら、こうやって国民の要求を実現しますという対案が必要です。自公政権をそのまま温存して、「共産党が伸びて、安倍政権を包囲して国民の要求を実現します」では、国民に迫力がありません。これで」よし判った!共産党に託してみようという風が吹くでしょうか?またこのようなスタンスの共産党に、民主党に期待したような期待感をもって信用するでしょうか? 

10.共産党のいうように、「共産党が伸びてからではないと、要求は実現できない」ことを、共産党自身が有権者言っているのです。しかし、このビラを発行し配布したからと言って、根本的なところで、有権者の心の琴線に触れた政策、すなわち政権構想が出されていないのです。有権者のこころ、この10年の国民の苦難と経験、政治への期待感と裏切りに対する忌避感情、こうした有権者のこころと生活実態の到達点を踏まえた対案こそが、有権者のこころを捉えていくのではないでしょうか。 

11.01年以降の有権者の投票行動を一覧した最大の理由は、ここにあります。 

12.因みに、全国から「動員」して選挙をたたかったことが報告されています。この活躍ぶりには頭が下がります。しかし、同時に言えることは、首都東京の共産党は、全国から相当数の援助部隊がなければ、「躍進」はつくり出せなかったということを、同時に認めてしまったということです。しかも、前回都議選よりは有権者の支持を減らしているのです。昨年の総選挙よりは増やしていますが、地方議会と国政選挙では、一般的には地方議員選挙の方が獲得する票は増えるものです。共産党自身が、国政選挙のたびに、地方議員に言っていることは、「自分の選挙の時のように」です。したがって、都議選と国政選挙の票の出方は多面的に見なければなりません。共産党の地方議員の名前を書く地方選と、「共産党」と書く、或いは身近なというよりか、遠い国政選挙で、身近でない国政選挙の候補者を書く選挙では様相が違ってきます。しかもマスコミを通して煽られているのです。 

まだ、感想的意見は、まだありますが、従来の選挙のパターンから脱却すること、しかも今度の参議院選挙で安倍自公政権を少数派に追い込み、総選挙を勝ち取り、政権交代を実現する!こうしたプログラムを国民に提起していかなければ、本当に国民要求を実現することは、難しいと思います。 

勿論、都議選の躍進効果は、国会の最終日の問責決議成立に表れましたが、その程度の「変化」では、国民の期待を真正面から受け止めたことにはならないでしょう!それほど、国民の政治不信と要求、国民生活は逼迫しているのだと思います。 

共産党が、参院選で躍進し、国会解散をかちとり、総選挙で安倍自公政権に代わる、向こう4年間の「国民的暫定連合政権」を打ち出すべきです!そうしてこそ、共産党への「暴風」が吹いてくることのだと思います。民主党への「向かい風」と「逆風」、自民党の「無風」、維新・みんなの「微風」以上の風は、国民的暫定政権構想論です。これこそが「抜本的対案」です。 

共産党への素朴な疑問の奥深いところに何があるか!?志位委員長の発言とビラでは国民は納得しないでしょう!

…都議選の結果を見て、「共産党はぶれない政党だ」「言っていることは正論だと思う」という評価を寄せてくれる方が広がっています。同時に、「けれども……」というさまざまな疑問もあります。私は、都議選後に、いくつかのメディアの取材を受けましたが、質問で寄せられたのは、「日本共産党が政権をとったらどうなるか」、「中国をどう見ているのか」など、党の路線と理念にかかわる問題が中心でした。 「しんぶん赤旗」6・7月号外では、片面を「『こんどは共産党かな? でも…』というみなさんへ」という見出しで、「力がないのでは」、「大企業はどうする」、「旧ソ連、中国と同じでは」、「党名を変えないわけは」などの国民の疑問に答えて、端的ですが党の立場を語っています。「中国をどうみる」という疑問に対しても、「私たちは、いまの中国を“社会主義に到達した国”とは見ていません」とのべ、節々で、節度を持ちながら、中国に対して、言うべきことを言ってきたことを紹介しています。 同志のみなさん。広い有権者がわが党に注目を寄せているもとで、この号外も活用しながら、国民の疑問にかみ合わせて、党の全体像を大いに語ろうではありませんか。(引用ここまで) 

「マイ名簿」「自力のための拡大」も大事でしょうが、そのような内向きのスケールの話で通用する局面ではないのです。繰り返して強調します。この10年の自民・民主・公明・第三極へ動いた有権者の動向を反面教師として、また科学的に捉えていくことが大事です。

 これは「共産党に対する抜本的対案」です。 

政権構想論については、この間記事にしてありますが、また後日記事にします。

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