またしても、橋下大阪市長・日本維新の会共同代表が、いつものように敵(毎日・朝日)を仕立てて、スリカエ・ゴマカシ・デタラメを呟いています。以下に一覧するように、橋下氏の手法を批判するのは、毎日・朝日だけではありません。このお人の性根には呆れますが、放置しておけば、どうなるか、それを考えると黙ってはいられません。
幸い「住民が民主的にチェックできるように、検討開始を表に出して、プロセス自体のチェックを受ける。これが僕のやり方だ」と言っていますので、橋下氏の思考の「プロセス自体のチェック」を要望どおりやってみようと思います。橋下氏の論理構造を見ていると、現代社会に席巻する形式論理の典型のような気がします。「郷に入っては郷に従え」「虎穴に入らずんば虎子を得ず」という、或いは「十二人の怒れる男」の手法に学んで、ということでしょうか?
さて、最初に結論を言っておきます。
まず第一に、
それは、毎日も、朝日も、橋下氏も、その他のマスコミも、皆、米中会談で言われていた言葉を使えば、「同床(日米軍事同盟容認)異夢(憲法遵守・安全保障と負担)」ということです。彼らの思考回路は、中国・北朝鮮の脅威論に対して憲法の平和主義を使って、創造的平和外交を国民的討論によって発展させるのではなく、日米軍事同盟容認論の枠内での負担軽減論・安全保障論の手法の違い、国家権力を規制する装置である憲法の緩和論に与する範囲内の手法の違いです。
そこで、この問題の本質、日米安保の本質を問うものは、京都新聞だけです。しかし、あくまで「考えたい」というだけです。そのレベルで言えば、日米軍事同盟容認派の橋下氏と同じです。
民主党政権は訓練地受け入れを全国知事会に要請したが、動きはなかった。安倍首相は橋下構想に安易に乗らず、誠実に本土受け入れの進め方を考えるべきだ。沖縄で住民意向を無視して負担を押しつけてきた手続き上の不公正まで、全国各地に広めるべきではない。 日米地位協定で、オスプレイの飛行訓練ルートや配備計画は米軍の意向次第だ。離発着時のルールも米軍の裁量が大きい。沖縄の基地負担軽減は県外移転だけではない。在日米軍の規模や機能見直しを日米で話し合うことも必要だ。日米安保の本質を考えたい。(引用ここまで)
「手続きの不公正」「米軍の意向次第」「米軍の裁量」そのものが日米軍事同盟の本質です。日米で「規模や機能見直し」を話し合うことそのものは否定しない。しかし、本質が変わらない限り、米軍の国家主権侵害は温存されるのです。
話し合いで言えば、「米軍三沢と市の関係 長い時間かけ築いた共存」論(デーリー東北)もありますが、「沖縄と三沢は成り立ちが違うし市民感情も異なる」最大の要因は、決定的に違うのは、沖縄のような「事故」「事件」が三沢基地で起こってこなかっただけです。三沢基地の果たしている核攻撃基地という役割と実態が浮き彫りになれば、「共存共栄を根底にしながら」とか、「米軍側は…隣人として真剣にこの問題に向き合うことが必要…行政側にも是々非々の対応が求められる」などとは言っていられないことでしょう。
これについては、斉藤光政『米軍「秘密」基地ミサワ 世界に向けられた牙』(同時代社02年3月刊)が参考になります。
何故現地で問題になっていないか、不思議です。「唯一の被爆国」日本が核兵器攻撃に協力加担する、加害者となる可能性を秘めたミサワ基地とミサワ市民が歴史に残ってしまうかも知れないのです。
結論の第二には、橋下氏と同じレベルの日米軍事同盟容認論にたった中国・北朝鮮の脅威論にもとづく安全保障論を展開している毎日・朝日など、マスコミに対して、橋下氏自身が、反論できないだろういうことを充分承知した上で、ケンカを吹っかけているのです。それは何より八尾市へ転嫁したことを正当化するため、失地回復を狙ったためです。姑息を絵に描いたようなものです。
橋下氏は、「日本の安全保障のことを想って」「日本全体の安全保障のため」を「錦の御旗」にして、「普天間の辺野古移設」を「沖縄の政治グループ」が「認めてくれた」。「そうであれば、沖縄以外の日本国民は、沖縄にお返しをするのは当然」だ。「沖縄だけに負担を負わせて、自分たちは負担はしないよというのは無責任極まりない」「「いつから日本国民はお返しを忘れたのだろう」「被災地のがれき受け入れもそうだったが、いったいいつから日本人は、自分のことしか考えなくなったんだろう」と、八尾市民をも「無責任極まりない」対象にするのです。そういえば、この「がれき受け入れ」発言の時には、「憲法9条があるからだ」というようなことを言っていました。
そうして、橋下氏を批判した毎日と朝日をやり玉に挙げて、「沖縄の基地負担を減らせとか大声で言うくせに、本土で負担をするといったら地元住民が危険とかいいますよね。批判をするのであれば具体案の一つや二つ出せないんでしょうか?」と「挑発的言動を繰り返す」のです。
この発言に対して、厳しく批判しているのは現地の二紙です。当然のことです。しかし、その二紙も、日米軍事同盟の本質には迫っていません。容認です。
琉球新報
八尾空港利用についても沖縄の負担軽減が目的だという。沖縄に寄り添っているかのように見えるが、これは明らかに理不尽だ。なぜ、沖縄への基地固定化が前提なのか。オスプレイ配備撤回の東京行動で県民代表が政府に渡した建白書にある「普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念する」との沖縄側の要求はまるで考慮していない。橋下氏は、全機移駐もしくは普天間飛行場の県外・国外移設こそ提案し、国民的議論を促すのが筋だ。八尾移転案は大いに疑問だ。
沖縄タイムス
八尾空港で1年のうちの「10日くらいの受け入れ」(松井一郎幹事長)を実施することが沖縄の負担軽減につながると考えるのは幻想だ。実際、日米両政府は10年、沖縄の負担軽減のため米軍嘉手納基地のF15戦闘機の訓練を県外・国外に移転することを決めたが、逆にF22戦闘機の一時移駐が常態化、外来機も頻繁に飛来するなど負担軽減に逆行している。「抑止力の維持」と「負担軽減」を沖縄の中だけで両立させようとすることが無理…辺野古移設を推進しながらオスプレイの訓練の一部を移転するだけでは沖縄の過重負担はなくならない…普天間を継続使用…は、沖縄の負担軽減策がすでに破綻…を意味…安倍首相が提案を歓迎したのはなぜか。参院選後をにらみ、日本維新との連携を視野に入れているからだ。自民党と日本維新は辺野古移設と憲法改正で政策が一致…沖縄にとっては訓練の一部移転案と取引するわけにはいかない(引用ここまで)
ここまで言い切っているのに、沖縄から全国に日米軍事同盟の実態を告発し、ともに廃棄を呼びかけるところには至っていません。その矛盾につけこんで、国民分断をしているのが実態です。何故そのことが判らないのでしょうか?
以上の結論を踏まえて、橋下氏、安倍自公政権、アメリカがつけこんでいる日本のイデオロギー状況をさらに見ていきます。その最大の問題は、「脅威」論に基づく安全保障論です。
読売
北朝鮮の核ミサイル開発や中国の急速な軍備増強を踏まえれば、日本の平和と安全を確保するために米軍の駐留を安定的に継続する必要性は一段と増している。 これまでも、在沖縄海兵隊の実弾砲撃訓練や嘉手納基地所属のF15の飛行訓練は全国に分散移転されてきた。オスプレイについても着実に分散移転を進めたい。
産経
在日米軍の抑止力を維持しつつ沖縄の基地負担の軽減を図ることは、国民の平和と安全を守る政府の役割…米軍のオスプレイは速度や搭載量、行動半径など性能面で優れ、尖閣諸島の有事に即応し、朝鮮半島もカバーできる。尖閣奪取を狙う中国や核・ミサイル開発をやめない北朝鮮に対処する上で重要かつ必要な抑止力となっている。 すでに12機が普天間に配備され、さらに12機が追加される予定だ。今年3月から本土での低空飛行訓練が始まっており、訓練の円滑な実施は抑止力の維持に不可欠
「橋下案契機に適地探しを」と容認する富山・北國
現在も使われている旧式のCH46輸送ヘリなどより、安全性は高いと言ってよい。 現にニューヨークやロンドン上空を日常的に飛行し、航空ショーでは数万人の観衆が見守るなか、デモ飛行を披露している。老朽化したヘリを今後も使い続けることの方が安全上問題であり、オスプレイの危険性だけを指摘するのは理解に苦しむ。 オスプレイは、40年以上使用されているCH46輸送ヘリに比べ速度が2倍、積載重量が3倍、航続距離は5・5倍に達する。沖縄などへの配備が米軍の即応力強化に役立っているのは間違いない。(引用ここまで)
次は、橋下氏の提案を理解しながら批判するというものです。日米軍事同盟容認の枠内でものを考える混乱ぶりと展望を切り開けない典型がわかります。
南日本をみてみます。
「沖縄の米軍基地の負担を軽減し本土でも分かち合おうとの橋下氏の姿勢は理解できる」から「どうすれば危険性を回避できるのか、まず八尾市や市民に示して、話し合いを尽くすのが筋だろう。八尾市に隣接する大阪市の市長である橋下氏は『八尾市民は納得してくれると思う』と発言しているが、その根拠は何なのか明確にしてほしい。橋下氏が主導して提案したのでは説得力を持たない」と述べ、「唐突感は否めない」「実現の可能性も不透明」「政治の思惑で沖縄の負担軽減の行方が左右されるのは避けなければならない」と橋下氏の手法を批判しながらも、「首相が重視すべきは、維新とのパイプではなく、オスプレイ訓練の安全性確保と住民の理解だ」と、普天間の辺野古移設とオスプレイの本土移転を強行した安倍首相に委ねることで、県外への負担軽減論に立ってしまうのです。そのレベルでは橋下氏と同じです。
この負担軽減論の自縄自縛思想は、以下の指摘をみると、いっそう判ります。
京都
基地を押しつけられてきた沖縄の苦しみを軽減するため、本土で分かち合いの方法を探るべきなのは言うまでもない。本土に暮らす側の「身勝手さ」を厳しく自問せねばならない。
神戸
確かに、米軍専用施設の74%が沖縄に集中する現状は異常だ。負担軽減のために何ができるか。本土に住む私たちも真剣に考えねばならない問題である。とはいえ、ことは橋下氏の言うほど簡単ではない…安倍首相は橋下氏らの構想を歓迎しているが、沖縄のオスプレイ配備自体を見直さずに一部の訓練だけ移しても、根本的解決にならない。本土で引き受ける基地負担を考えつつ、米側とも在日米軍全体の再編を協議するのが筋である。(引用ここまで)
「根本的解決」のためには何を、どうするか、そこまで踏み込んでいないことに橋下氏と同じレベルであることは明らかでス、橋下氏の「それみろ!」という言葉が聞こえてきそうです。個々に日米軍事同盟容認論の枠内の思想状況があることは明らかです。「簡単ではない」というのであれば、日米軍事同盟体制の継続は永遠ということになります。思考停止状況!ですね。
中日・東京になると、橋下氏を批判すればするほど、負担軽減論の矛盾に陥っていくことが、いっそう明確になります。
名護市辺野古への「県内移設」に反対する仲井真弘多県知事は、移設先を「北海道から鹿児島までヤマトで探してもらいたい」と訴える…沖縄県民の過重な基地負担軽減には、同じ日本国民として負担を可能な限り等しく分かち合うことが望ましい。橋下氏らの問題意識は共有できる。特に、地位協定の改定を求めたことは、安倍内閣として重く受け止めるべきだろう…
ただ、橋下氏らの提案が、沖縄県民の基地負担を本当に軽減することになるのか、甚だ疑問だ。…実現すれば、ある程度の負担軽減にはなろうが、部隊やオスプレイはそのまま沖縄県内に配備し続けることが前提だ。それでは抜本的な負担軽減策にはなり得まい。そもそも移転が実現するのか。…周到な準備も地元説得の熱意もなく、思い付きで提案しただけでは、政治家の責任を果たしたとは言えまい。従軍慰安婦や風俗業活用をめぐる自身の発言から話題をそらし、支持率低下に苦しむ日本維新の会の党勢立て直しの意図があるのなら見過ごせない。パフォーマンスに振り回されるのは御免である(引用ここまで)。
最後に、毎日・朝日はどうでしょうか?橋下氏が噛み付くような内容ではないことが判ります。橋下氏の噛み付きが正しいとすれば、読売を含めて、産経以外に噛み付かなければなりません。しかし、よく読めば、毎日と朝日に噛み付いた思惑が透けて見えてきます。今後の毎日・朝日の反論が見ものです!
まず毎日をみてみます。
「沖縄の過重な基地負担は日本全国で分かち合うべきで、橋下氏らの問題意識は理解できる。しかし今回のやり方からは、本気で実現しようとする迫力も責任感も伝わってこない。この乱暴な手法(地元の八尾市の頭越しで行われたこと)は、日米両政府が沖縄の頭越しに普天間の移設先を沖縄県名護市辺野古と決め、受け入れを迫るのと同じ構図ではないか。難しい基地問題を進めるのに必要なのは、丁寧な対話と説得」というのであれば、どんな対話と説得が必要か、頭ごなしでなかったら、認めるということを言っているのです。
しかも、「実現可能性を真剣に検討したのか疑問が残る…オスプレイの飛行訓練をめぐっては、人口密集地や学校の上空を避けるという運用ルールが日米間で合意されたが、きちんと守られていない…今回の提案がそうした結果(鳩山由紀夫元首相の「最低でも県外(移設)」提案・橋下氏の関西空港受け入れ案)に終わるようなら、沖縄や米軍の不信感はますます募ることになりかねない」と「米軍の不信感」を問題にして、米軍への「思い入れ」が問題になってしまうのです。「本来ならば、米軍のニーズや地元環境など実現可能性を水面下で慎重に検討し、可能性があると判断して初めて提案を公にし、対話と説得に努めるのが筋」と「日本的根回し」論にたっているのですが、問題は「米軍のニーズ」論です。米軍を「オモネル」必要があるのかどうか!です。ここに日米軍事同盟容認論の根深い卑屈さ、従属さがにじみ出てきます。
次は朝日です。
もし自分の家の近くでオスプレイの訓練が行われたら。まずはそれを考えることが、沖縄の負担をわかちあう第一歩になる。今回の提案は改めてそのことを私たちに問いかけている。…住民は日米安保条約のもと、危険や騒音と隣り合わせの暮らしを押しつけられてきた。住宅地に隣接する普天間飛行場の移転も進まない。『本土は沖縄を差別している』。そんな不信の声が高まるなかでの提案で、基地負担の分かち合いは不可欠」「「橋下氏は沖縄の負担を皆で考えるべきで、自分のところだけの安全性を言ってはダメだと強調する。その通り」というのです。橋下氏と同じですね。ということは、安倍氏とも同じということになります。
朝日の言っていることは「ただ、やぶから棒に八尾空港が持ち出され、唐突感が強い」「普天間飛行場の移転先に関西空港をと言って立ち消えになるなど、基地問題への対応で一貫性を欠いてきたのは橋下氏自身」「八尾空港を使うことがどこまで沖縄の負担軽減になるのかも、定かではない。いかにも準備不足の案」と批判してみせます。
しかし「人口密集地や学校の上は避けるという日米間合意も、きちんと守られていない」という現実がどこから来ているのか不問に付しているのです。ここに「危険や騒音と隣り合わせの暮らしを押しつけ」てきた「日米安保条約のもと」と言いながら、日米軍事同盟を容認する朝日の姑息さがあります。
それは「この実態(日米間合意も、きちんと守られていない)を変えないままでは、八尾に限らず、訓練地域の住民を説得するのは困難だろう」と沖縄や八尾、全国の訓練地域の住民の説得を呼びかけているのです。橋下氏を励ましているのです。ここに批判しながらも、民主・自民に代わる第三極として位置づけ橋下応援団として振舞ってきた朝日の姑息さがあります。次です。
「政党の共同代表である橋下氏が本気ならば、与野党を説得し米国との交渉に持ち込むくらいの覚悟が必要だ。検討を表明した政府も、沖縄の基地の県外移設と訓練の安全性の問題の両方を詰めていく責任がある。そうでなければ言葉だけの提案、検討に過ぎない」と、ホンネが見えてきます。朝日の姑息な手法は、一貫しています。批判しているかのように振舞いながら、応援するのです。
これは歴史的に言えば、日本の陸軍皇道派の影響を受けた青年将校らが1483名の兵を率い、「昭和維新断行・尊皇討奸」を掲げて起こしたクーデター未遂事件の結果統制派が実験を握り、軍国主義を推進していった2.26事件に似ています。この手法は、自民党への批判が強まった時、自民党を批判しながら、その批判をかわすために、「新」を使って自民党政権の延命を応援してきたことに象徴的です。
では、最後に橋下氏の毎日・朝日「批判」はどうでしょうか?妥当でないことを検証してみます。
結果的には、これまで見てきたように、毎日も朝日も同じスタンスであることから、橋下氏の論法は「重箱の隅」を突くような「批判」となっています。演技も下手くそと言えます。以下視て見ます。
毎日は、橋下氏に負担軽減のために、「乱暴な手法」ではなく、「責任感」をもって「丁寧な対話と説得」を使って「実現可能性」のある案を提案しろ、そのためにも「鳩山由紀夫元首相」の二の舞になるな! 「関西空港受け入れ案」の時のような失敗はするな、と「批判」しているのであって、実は「もっと慎重にやれ」と言っているのです。
朝日も同じです。今回の提案は「やぶから棒」「唐突感」の印象があるので、「準備不足」ではなく、「訓練地域の住民を説得する」ためには「一貫性」のある案を提案しろと言っているのです。
それでは、橋下氏はどのように言っているのでしょうか?違いはやり方だけです。茶番ですね。
「政治家が具体的工程表など作れるわけがない。方針を示すのが政治家の仕事。具体的工程表は専門家や行政が作るものと散々教えてあげた」「大阪府市のエネルギー戦略会議では、エネルギー需給転換のための具体的工程表をやっと完成させることができた。1年以上かかった。具体的工程表作りとはこういうこと。府市エネルギー戦略会議が作った工程表も、さらに詰めるには政府の力が必要」「朝日新聞は沖縄の基地負担軽減を叫んでいたではないか。ではその具体的工程表を示せ」「毎日新聞は、水面下の調整と、プロセスのフルオープンと、どっちを重視してんだ?頭悪すぎるよ」「検討のプロセスで地元調整もすれば良い。全て決まってから押し付けるやり方は乱暴だと毎日新聞は言っているが、まだ何も決まってませんが。これから検討しましょうというだけ」「水面下で調整してある程度決まってからの発表の方が住民無視だ」というのです。
しかし、橋下氏は重大なことを言っています。それは、以下のことです。
「住民が民主的にチェックできるように、検討開始を表に出して、プロセス自体のチェックを受ける。これが僕のやり方だ」だというのであれば、沖縄や本土の訓練地に対する米軍のやり方、それを抗議もできない政府の姿勢はどうなんでしょうか?
関西空港の問題を指摘されると、「基地問題は政府が検討するしかない」弁解・正当化するのです。だったら黙っていろ!ですよね。慰安婦問題の時と同じです。
「全国の首長も沖縄以外の日本国民も、危険だ危険だという。それなら沖縄の危険はどうするんだ?沖縄がどれだけ負担をしてくれているのか。本当に危険なら沖縄の訓練を全部ストップしなければならない。しかし日本国民はそこまで言わない」と日本国民の責任に転嫁するのです。慰安婦問題の時は、同じような売春をしていた国の責任を追及する勇ましさはありません。全部ストップさせるために、「だったら、お前が言え!言ってないだろう!」ということになりませんか?!
沖縄の「危険をどうすんだ!」と国民に問いかける前に、自分に問いかけなければならないのですが、「沖縄の政治グループとしては苦渋の決断だ。日本の安全保障のことを想っての決断だ」と「安全保障」論でゴマカス・正当化するのです。沖縄県民は日常的に安全を脅かされ、保障されていないのです。しかし「日本の安全保障のことを想え」ば、負担はやむなしという安全保障論はホントに安全保障論か。そこには、何も応えていません。沖縄における「危険」という「負担」を全国に撒き散ら(拡散)しておいて、「負担軽減」になるのでしょうか?
「毎日新聞よ。地元調整のために、実現可能性の判断のために、今回政府に検討を要請したんだ。大阪府知事の所管する行政エリア内の八尾空港を持ち出した。そして検討プロセスもフルオープンにするために、検討要請の段階から表に出した。どこが問題か具体的に指摘せよ」と逆増・挑発的言動を繰り返していますが、八尾市民に対して事前に何も言っていないのです。しかも大阪市長が、です。
更に言えば、日本維新の会の共同代表の立場であるならば、何でもできるということになるのでしょうか?そんなことがまかりとおるなら、各政党の党首は好き勝手に言いたいことを地元自治体の意向を無視して、橋下氏のような「提案」ができることになります。地方自治、憲法無視も甚だしい限りです。
橋下氏は、自分は正しいということを軸にして、あとは取って付けた論理をばら撒くだけです。これをジコチュー、ワガママと言わずして何と言うのでしょうか?
では、各紙の社説を一覧しておきます。
全国紙
朝日 オスプレイ訓練/橋下氏も政府も本気か 2013/6/7 4:00
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1?
毎日 オスプレイ訓練/乱暴で無責任な提案だ 2013/6/8 4:00
http://mainichi.jp/opinion/news/20130608k0000m070108000c.html
読売 オスプレイ訓練/沖縄の負担を軽減する一石に 2013/6/11 2:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130610-OYT1T01413.htm
【主張】オスプレイ訓練 負担軽減を考える契機に 2013.6.7 03:05 (1/2ページ)[主張]
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130607/plc13060703050002-n1.htm
中日/東京 オスプレイ移転/沖縄の負担軽減に遠く 2013/6/7 8:00
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013060702000125.html
共産党
赤旗 オスプレイの訓練 本土への拡散では解決しない 2013年6月9日(日)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-09/2013060902_04_1.html
地方紙
デーリー東北 米軍三沢と市の関係/長い時間かけ築いた共存 /2013/6/3 10:05
http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/jiten/jihyo/todayjih.htm?
富山 オスプレイの訓練地/橋下案契機に適地探しを 2013/6/7 4:06
http://www.toyama.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm
北國 オスプレイの訓練地/橋下案契機に適地探しを 2013/6/7 4:05
http://www.hokkoku.co.jp/_syasetu/syasetu.htm?
京都 米軍機八尾訓練/真剣な提案とは思えぬ 2013/6/8 10:05
http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/20130608_3.html
神戸 オスプレイ提案/汚名返上狙いなら論外だ 2013/6/7 8:05
http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201306/0006056444.shtml
南日本 オスプレイ訓練/橋下案には無理がある 2013/6/8 8:06
http://373news.com/_column/./syasetu.php?ym=201306&storyid=48981
琉球新報 維新訓練移転案/県外移設こそ国民議論を 2013/6/8 10:06
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-207716-storytopic-11.html
沖縄タイムス オスプレイ訓練提案/県外議論するのが筋だ 2013/6/8 10:06
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2013-06-08_50212/
以上です