参議院憲法調査会の各党の主張が一覧されていいるのを見て、ま、判っていたことですが、改めて記事を書いてみることにしました。
結論は、新しい人権を明記するために憲法を変えていこうとする政党が、9条を変えていこうとしていることが、いっそう浮き彫りになりました。国会議員には、もう一度中学校に戻って、高校・大学と憲法を再学習していただきたいものだと、強く思いました。
出されている環境権ですが、これは環境基本法 が制定されています。国権の最高機関・唯一の立法機関である国会でつくったものです。ということは、自分たちでつくったとうことです。このように言うと、おれが作ったのではないなどと、シャレにもならない屁理屈が飛んできそうです。そのくらい、幼稚なのです。
具体的にみてみます。
(目的)として、以下の日本語が書かれています!環境権を主張する政党と議員は、日本語理解能力に欠けるというものです。大笑いです。マスコミ記者は、よく勉強して、この環境基本法で間に合っていない理由を問いただすねきです。さもなければ、アンタも不勉強!出直せ!ってことになりますよ!
ま、特に言えば、「日本国憲法にのっとり、この法律を制定する」と明記して置けばよかったと思うけれども、恐らく、公害を撒き散らしていた企業からたくさん献金を受けていた自民党が、公害反対運動の高まりのなかで、シブシブ作らされたもので、いわゆる押し付けられたものだから、「日本国憲法にのっとり」なんていえなかったのではないでしょうか?調べてみますけど。
第一条 この法律は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。(引用ここまで)
次は、(国の責務)(地方公共団体の責務)として、以下のことが書かれています。憲法に何を書け!というのでしょうか?呆れます。国も地方自治体も、その「責務」違反を告発されるかもしれません。それが憲法に明記しなければならない理由でしょうか?
第六条 国は、前三条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。
第七条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。
次は、(事業者の責務)です。
第八条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3 前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4 前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
最後には、いよいよ、(国民の責務)です。
第九条 国民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、国民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
面白いことは(環境の日)があるけれども、基本理念にのっとり、この環境の日を考えるために「祝日」にしていない、或いは、この日を「環境の日」としてPRしていないのです。まず、環境権を憲法に、という政党と議員は、6月5日を、祝日にして、この日に憲法を変えよう!って叫んだらいいんじゃないでしょうか?勿論、憲法と環境基本法を配るのですけれど、ね。「環境の日」にしてみれば、この日は「屈辱の日」ということで、怒っているとおもいますけれどね。
第十条 事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、環境の日を設ける。
2 環境の日は、六月五日とする。
3 国及び地方公共団体は、環境の日の趣旨にふさわしい事業を実施するように努めなければならない。(引用ここまで)
「プライバシー権」だって 『新しい人権』と憲法~ネット社会とプライバシー権 2013年5月2日(木)
http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2013/05/0502.html
…その中にいろいろな権利を盛り込んでいくと、それぞれの権利は明確になって保障はしやすくなります。その一方で、例えば、これまで見てきましたように、『プライバシー権』や『表現の自由』がぶつかり合うなど、それぞれの権利を抑制してしまうことにもなりかねないという指摘もあるんです。(引用ここまで)
この発想は、形式論理の限界がよく出ていますね。サッカーを含めて、スポーツを見れば、この形式論血の限界は明瞭でしょう。原則性と柔軟性の統一です。フォーメーションを訓練していなければ、各選手が勝手気ままに動いてしまいます。ぶつかってしまうか、知らんぷりをしてしまいます。相手の選手との動きと係わって、ボールに向かって、誰がどのように動くか、個人を生かしていくためには、仲間を尊重しなければならないのです。
人権とは、本来そのようなものとして考えられたのです。個人の尊厳は個人の権利を守るためにつくられた国家が、その権力を使って国民の権利を抑圧する時、或るいは、国民同士が、権利を抑圧する場合、それらの暴走を食い止めるために「ルール」「考え方」をつくったのです。それは他人の尊厳も同時に認めるということです。
そこが日本の場合は訓練されてこなかったのです。何故か、「権利を言う前に義務を果たせ」論があるからです。戦前の大日本帝国憲法の「法律の範囲内於て」「日本臣民は安寧秩序を妨げず及臣民たるの義務に背かざる限に於て」論が源流です。これを受け継いだものが、自民党の改憲案です。
そういう意味で、NHKの意図が、というか、不勉強ぶりか、判りませんが、透けて見えてきます。スポーツ報道は充実?しているんですけどね。以下の方が、まだ充実していますか?
新しい人権http://sakura.canvas.ne.jp/spr/h-minami/note-atarasiijinken.htm
現代社会の急激な変化にともない、憲法制定当時には予想されなかったような問題が発生している。その結果、環境権、プライバシーの権利、知る権利、平和的生存権など、「新しい人権」を確立すること が要請されるようになった。憲法に直接明記されていないこれらの権利をどのように確立するのか。新しい人権が自由権、社会権についで、第三の人権となるのか。形成過程にあるこれら新しい人権の現状について考えてみる。(引用ここまで)
新しい人権を強調する政党と議員、それらを支持乃至共感する人たちは、ますもって「児童(子ども)の権利に関する条約」全文をよく読んでみてほしいものです。これを子どものに徹底させていく教育がないがしろにされていませんか?これ国際条約です!日本も批准しています!具体化していく責務があります。
「子ども」とは、18歳未満の人間のことです。ということは、18歳以上は大人、成人ということです。これだけみても、日本は何と遅れているか、よく判ります。特に新しい人権をなどと言っている政党と議員が、一番遅れているのです。何故でしょうか?人権思想も感覚の欠落しているからです。人権なんて、きっと想定外でしょう!口で言ってますけど・・・
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jido/zenbun.html
それでは、記事を掲載しておきます。この記事について、マスコミの見解は入っていないことが不思議です。何故か!新しい人権導入派の主張は大きく取り上げられているからです。世論誘導が透けて見えてきます。またマスコミの不勉強ぶり、応援団ぶりが透けて見えてきます。マスコミの報道の仕方に注目です!
「新しい人権」に対する各党の見解 (2013/06/12-17:40)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date2&k=2013061200720
民主党 環境権、プライバシー権、知る権利はまず法律を整備することが優先順
位として高い
自民党 時代の変化に対応するため、新しい人権を憲法に明記する
公明党 環境権など時代の進展に伴い提起されている新たな理念を加える「加憲」
が妥当
みんなの党 立法措置で十分なのか、憲法に明記するかは、今後さらに議論を深める
生活の党 プライバシー権や知る権利などを憲法に明記
共産党 環境やプライバシーを保護するなら立法で具体化することが可能
みどりの風 新しい人権を明記するためだけに憲法改正をする必要はない
社民党 憲法上の規定を設ける必要はない
日本維新の会 環境権やプライバシー権などを憲法に明記
新党改革 障害者への差別禁止や個人情報の保護などを憲法に明記
※党派は参院勢力順に並べた(引用ここまで)
衆院憲法審:改正や国民投票法 各党が意見表明 毎日新聞 2013年06月13日 12時06分(最終更新 06月13日 13時08分)
http://mainichi.jp/select/news/m20130613k0000e010184000c.html
衆院憲法審査会は13日、憲法改正や国民投票法などに関して各党が意見表明した。自民党と日本維新の会は早期改憲に向け各党協議を急ぐ考えを表明。公明党は「加憲」に触れつつ慎重な対応を求め、民主党は基本的人権や2院制など憲法の基本構造を守る考えを強調した。今国会での審議はこれで終了する。
自民党の中谷元氏は自衛隊の「国防軍」化などを盛り込んだ党憲法改正草案に触れ「憲法解釈では乗り越えられない限界点、矛盾を正すため、早期に国会発議に関する政党間協議に入るべきだ」と主張した。
公明党の斉藤鉄夫氏は9条に関し「国際貢献の明確化」が議論の対象になるとの考えを表明。改憲の発議要件を緩和する96条改正は「(平和主義など)3原則以外は議論の余地がある」と語った。
民主党の武正公一氏は「改正手続きは丁寧な議論を積み上げて合意を目指すべきだ」と自民、維新の突出をけん制。これに対し維新の馬場伸幸氏は「統治機構を作り直す大改革のためにも憲法の大幅改正が必要だ」と96条改正を主張。みんなの党の小池政就氏も96条改正を唱えた。
一方、共産党の笠井亮氏は96条改正論に関し「立憲主義の否定だ。国民は今、改憲を望んでいない」と主張し、生活の鈴木克昌氏も反対論を展開した。【念佛明奈】(引用ここまで)
参院憲法審、「新しい人権」議論 環境権で見解分かれるhttp://www.asahi.com/politics/update/0612/TKY201306120439.html
参院憲法審査会は12日、環境権やプライバシー権などの「新しい人権」について議論した。自民、公明両党は環境権を憲法に明記する考えで一致。ただ、国民の「権利」と国による「責務」のどちらに力点を置くかで見解は分かれた。 「加憲」を掲げる公明党の西田実仁氏は「健康が維持できる良好な環境のもとで生活する権利と、その裏側として保全の責任を加える」と主張。これに対し、自民党の中川雅治氏は「個人が法律上の権利として主張するところまでは内容が熟していない」と述べ、自民党の憲法改正草案では、環境保全の責務を国に課していることを説明した。生活の党のはたともこ氏も「国による責務を明記する方が現実的だ」と同調した。 一方、民主党の藤本祐司氏は「人権のインフレが過ぎると、権利と権利のぶつかり合いが生じる可能性も大きくなる」として慎重な検討を求めた。共産党や社民党は「立法措置で対応すべきだ」などとして、改憲自体に反対した。(引用ここまで)
環境権、自公維など明記主張 参院憲法審が「新しい人権」議論 2013/6/12 22:25
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1202T_S3A610C1PP8000/
参院憲法審査会は12日、「新しい人権」について議論した。自民、公明、生活の党、日本維新の会、新党改革の5党は、国民が良好な環境のなかで生活する「環境権」などを憲法に明記するよう求めた。民主党は新しい人権の確立は一般の法律で規定すべきだとして、憲法改正に慎重な姿勢を示した。共産、みどりの風、社民の3党は新しい人権を追加する改憲に反対した。 自民党の中川雅治氏は「憲法に新しい人権の規定を設けることで、国民の権利保障はより強固になる」と強調。党の憲法改正草案を踏まえ、環境権のほかプライバシー権、国民の知る権利、犯罪被害者の権利などを憲法に明記するよう訴えた。ただ「(新しい人権を)個人が法律上の権利として主張するところまで内容が熟していない」とし国が守るべき責務として規定すべきだと主張した。 公明党の西田実仁氏も「新しい人権を憲法に明記することで時代の変化に対応した積極的な立法措置ができる」と指摘。環境権、プライバシー権、知る権利などを提起した。生活、維新、改革の3党も環境権などの追加に同調した。 民主党は新しい人権を充実させる必要性は認めつつ「法律を整備することが優先順位として高い」(藤本祐司氏)と憲法改正には慎重な立場を表明。共産、みどりの風、社民の3党は「環境やプライバシーを本気で擁護するなら立法で具体化できる」(共産党の井上哲士氏)と新しい人権を明記する改憲に反対した。 みんなの党の松田公太氏は「立法措置で十分なのか、憲法に明記すべきなのかは今後、議論を深めなければならない」と述べるにとどめた。(引用ここまで)