つづき
1.選挙に当たって共産党の他党との選挙協力・共闘方針は、以下の記事をみるとよく判ります。
志位委員長も、このことをラジオで簡潔に語っていました。
沖縄の場合は、「推薦」ですので、少し違いますが、考え方は出ています。95年参議院選挙の際には照屋寛徳氏(社会党・護憲共同)を社会大衆党が推すなかで共闘関係は崩れたことがあります、これは、この間の沖縄の運動の反映でしょう。照屋氏(社会民主党・沖縄2区)に対して、昨年の総選挙において共産党は独自候補を見送っています。結構柔軟に対応しているのです。
参院選長野選挙区 「党候補で奮闘」と回答 共産党 共同候補の要請に 2013年3月27日(水)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-27/2013032704_02_1.html
今井氏はこのなかで「統一戦線」によって国政を変革する党の立場を丁寧に説明し、国民との共同を重視し柔軟に積極的に対応していることを強調しました。同時に、参議院選挙での選挙共闘は国政の基本問題での一致が不可欠であり、「現状では国政選挙で日本共産党と共同する条件と意思がある政党はなく、沖縄以外の全国でも県内でも共同候補の現実的な可能性は存在しない」と指摘。1980年の「社公合意」で日米安保条約容認と日本共産党排除を取り決めて以来の経過を説明して、会の疑問にも答えました。
今井氏は、「現実的に可能性のない共同を追求して、あと3カ月に迫った参院選の取り組みを遅らせることは改憲・原発推進勢力を利することになる。私たちがすでに擁立している唐沢ちあき選挙区候補が最良、最適の候補であり、無党派のみなさんの思いにこたえることができる」とのべ、会の理解を求めました。(引用ここまで)
国政選挙での政党間協力のあり方について 笠井議員が発言 2013年5月28日(火)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-28/2013052802_02_1.html
…いま大事なことは、これらの一致点での世論と運動、たたかいを、思想・信条の違い、立場の違いを超えて発展させ、暴走する安倍政権を包囲することではないでしょうか。こうしたとりくみは、当然、政党支持の違いを超えて広がる確かな根拠があります。そうしたたたかいの発展が、大局的には参院選の帰趨(きすう)をも決めていくと確信するものです。そういう一致点でのたたかいをご一緒にぜひ頑張りたい。
同時に、国政選挙での政党間の協力となりますと、参議院選挙の場合、今後6年間の任期中の活動を委任するということになります。比例代表は政党選択の選挙です。選挙が終わってからバラバラになってしまえば、投票した政党と議員の所属が違ってしまうことになる。政党としてのあり方が問われます。選挙区選挙で、自らの党に属さない候補者を推すということは、その政党が、共同の候補者に国政全般について、自らおよび自らの政党の支持者を代表する権限を6年間にわたって委任することになるわけです。
そのためには、「国政の基本問題での政策的一致」と「共同の意思」、それにもとづく候補者の擁立であってこそ、政党として有権者への責任を果たすことができる。これが、どうしても不可欠だと考えています。(引用ここまで)
参院選 共産党が改革提言キーワードは「自共対決」志位委員長が会見 2013年6月7日(金)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-06-07/2013060701_01_1.html
安倍政権を「暴走と破たん」と特徴付け、「『アメリカいいなり』『財界中心』『歴史逆行』―三つのゆがみを持つ古い自民党政治が根本から腐り、(国民が)新しい政治を求める“夜明け前”の状況です。安倍・自民党政権に正面から対決する野党として、堂々と頑張っているのは日本共産党という構図がはっきりと浮かび上がっています」と述べ…「『自共対決』を際立たせて、大いに攻めに攻める論戦を展開し、必ずいい結果を出したい」と表明しました。(引用ここまで)
沖縄選挙区に糸数氏 参院選 共産党県委員会が推薦決定 2013年3月13日(水)
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-13/2013031302_02_1.html
…協定書は、▽日本国憲法の理念と9条を守り、米国追従の日米安全保障条約ではなく対等平等の日米平和友好条約をめざす▽普天間基地の即時閉鎖・返還と那覇軍港の無条件返還、辺野古新基地建設・高江ヘリパッド建設に反対▽普天間基地のMV22オスプレイ配備撤回と嘉手納基地へのCV22オスプレイ配備計画の中止▽消費税増税・TPP交渉参加反対―など12項目です。(引用ここまで)
印象的なことは、志位委員長の、以下の言葉です。
…安倍政権を「暴走と破たん」と特徴付け、「『アメリカいいなり』『財界中心』『歴史逆行』―三つのゆがみを持つ古い自民党政治が根本から腐り、(国民が)新しい政治を求める“夜明け前”の状況…『自共対決』を際立たせて、大いに攻めに攻める論戦を展開し、必ずいい結果を出したい(引用ここまで)
このような現状認識は、以下の政策のなかでも語られています。
安倍政権の暴走に立ち向かい、「国民が主人公」の新しい政治を
――参院選で問われる大争点と日本共産党の改革提言 2013年6月6日 日本共産党
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2013/06/2013saninseisaku.html
(1)共産党の選挙政策の中では、以下のように現状を告発しています。
➀安倍政権は、国会での多数を背景に、あらゆる分野で危険な暴走を始めています。
➁どの問題でも、走り出すはなから国民との矛盾を広げ、ほころびと破たんが始まっています。
➂どの世論調査でも、原発再稼働に「反対」が多数を占めています。
➃TPPでの「公約違反」に強い怒りが広がっています。
➄沖縄への負担押しつけには、党派を超えて「オール沖縄」での反対運動が強まっています。
➅「まず96条から」という改憲策動は、9条改憲派の中からも批判が出され、世論調査で「反対」が多数になっています。
➆侵略戦争を美化する政治姿勢は、国内でも国際社会でも孤立を深めています。
➇古い自民党政治が、耐用年数をすぎ、賞味期限が切れ、土台から腐っているからです。
➈「二大政党」とか「第三極」と言っても、中身が古い自民党政治と同じでは、行きづまった日本の政治を変えることはできないことは、すでに明らかになりました。
➉「財界中心」「アメリカいいなり」「歴史逆行」――自民党政治の三つのゆがみにメスを入れてこそ、国民のみなさんが願う方向に政治が変わります。この立場と力をもった政党は、日本共産党をおいてほかにありません。まさに「自共対決」こそ、参院選の真の対決軸です。(引用ここまで)
2.安倍自公政権の「ほころびと破たん」破綻と「根本から腐り、(国民が)新しい政治を求める“夜明け前”の状況」、「自共対決」をいうのであれば、それに代わる政権論を打ち出すべきです。このことは、TBSラジオでも質問されていました。しかし、極めて一般的であり、上記のスタンスを語るだけでした。
しかし、今国民生活の苦しみ度合いと政治不信、将来不安、自民党の「腐り」具合などを強調すればするほど、自民党に代わる政権構想を国民に提起し、議論を巻き起こしていくべきはないでしょうか?しかし政党状況と情勢と運動の到達点を理由に提起しないというのは、国民に対する背信行為と言われても仕方のないことではないでしょうか?
愛国者の邪論が、「暫定連合政権構想を」と拘るのは、以下の点です。
1.このままでは、マスコミを通じて流される、偽りの政権枠組み論や偽りの争点論を垂れ流されることで、事実上、共産党排除論が振りまかれ、それに対する有効な手立てを打てずにチャンスを逃がすのではないかということがあるあらです。この間の歴史を踏まえているからです。既に都議選でもそうです。
2.国民要求の切実さと政治への期待感の強さ、逆に言えば諦めの受け皿を共産党がどのように考え、提起していくか、そのことを忘れているのでしょうか?それに成功したのが、90年代後半の820万人もの有権者の支持獲得だったのです。勿論あの時は政権論はありませんでした。しかし、です。
最大の争点は消費税でした。96年総選挙は、総自民党化の流れを許すのか、それとも日本共産党と広範な国民の共同の流れをつよめるのか、を訴えてきた。同時にどんな日本をめざすのか、どういう政党なのかを明らかにしてきたと総括しています。それに反して他党は離合集散をくりかえし、みずからの党の明日をも語ることができないなかで、他党は政権構想をまったく示さないなかで、共産党に共感が寄せられたとしています。そうして消費税5%止めろで、726万人もの有権者が共産党を支持した、と。
98年参議院選挙では実施された消費税を3%に戻せで、820万でした。これも自民党の逆立ち政治を転換し、21世紀の早い時期に国民が主人公となる新しい日本をめざす展望をさししめしてたたかい、30兆円の銀行応援か、消費税3%で庶民の味方かと言う問題提起が選挙全体の対立軸をつくったと「朝日」が評価した、とあります。
愛国者の邪論の経験ですが、あの時、人生で、はじめて「共産党」と書いた職場の友人は、その時、「手が震えた」と言っていました。そのような人まで「共産党」と書いたのです。こうした人たちまでに届いた訴えがあったのです。
3.では、こうした経験を活かすとすれば、現段階ではどうでしょうか?そこで、以下の発言を掲載しておきます。現段階でいかに適用していくか、です。
「日本共産党創立76周年記念講演会 参議院選挙の結果と今後の政局」 書記局長 志位和夫 98年7月29日(しんぶん「赤旗」7月31日付)より
政権での共闘―条件は未成熟。政策共闘を一つひとつ積み重ねて
三つ目に、それでは、政権での共闘はどうか。率直にいいまして、いまの野党のあいだでは、包括的な政策の一致を前提にした政権共闘の条件は熟していません。自民党政治の大枠は変えないで担い手だけ変えるという流れも、一方にあることは事実です。
そういう段階では、無理に先の先までやらないで、国会運営と政局対応での共闘、一致する政策での政策共闘を、一つひとつ積みかさねていくことが、いま大切であります。それが、一つひとつ実ることがあれば、私たちは実らせるように全力をあげますが、それをつうじてつぎのステップの展望もひらかれると私たちは考えています。
たとえば、野党主導で解散・総選挙をかちとり、新しい力関係の国会を衆議院でもつくることは、政権共闘の条件をつくる一つの契機になりうるものであります。わが党はいま、すみやかな解散・総選挙をもとめておりますが、その解散・総選挙を実現し、その結果として政権共闘の面でも前向きの条件がつくられたら、総選挙でしめされた民意をなによりも尊重して、自民党以外のどの党とでも政権協議に応じる用意があります。(拍手)
民主連合政府と「よりましな政権」-弾力的な方針で積極的に対処する
そのさい、私たち日本共産党の政権構想の基本は、いうまでもなく民主連合政府です。すなわち、大企業中心主義の打破、安保条約の廃棄という根本的な民主的改革をすすめる政府であります。同時に、私たちの考えというのは民主連合政府一本やりではありません。野党のなかで自民党政治の流れから本格的に一歩外にふみだそうという動きがおこれば、国民が切実にねがっている課題での「よりましな政権」をつくることもありうるというのが、わが党のかねてからの方針であります。一九八九年の参議院選挙のさいに、「消費税廃止、企業献金禁止、コメ輸入自由化阻止」の、野党が一致していた「三点セット」での暫定政権構想を提唱したことがありますが、これも「よりましな政権」の一つであります。私たちは、そういう弾力的な方針で、今後生まれうる政権連合という問題についても、積極的な対処をしていきたいと考えるものであります。(引用ここまで)
こうした考え方は、次の不破インタビューでも語られていましたので、記事にしておきました。
日本共産党の政権論について 不破哲三委員長に緊急インタビュー 『しんぶん赤旗』1998年8月25日 2012‐12‐27 00:08:23
http://blog.goo.ne.jp/aikokusyanozyaron/e/c67ec76c0f45403bc14d55e5631c2673
4.自民はダメ、だから民主に、しかし、その民主もダメだった。しかも総選挙前から自民優勢が伝えられたので、1000万人もの有権者が棄権し、小選挙区制というトリックで自民が政権奪取に成功、と思ったら、これまで以上の悪巧みをアベノミクスという衣をつけて、前回と同じ政策を更に進めようと、虎視眈々と、マスコミ対策も入念に、ウソとハッタリとゴマカシで、参議院選挙まで、ガマンガマンとすすめて、大風呂敷を広げ、とにかく世論調査の高支持率を維持しようと必死になって、あの手この手と手を打っているのです。
しかし、国民の意識と世論調査の乖離は歴然としています。しかし、これが都議選でどのように表れるか、予断は許されません。維新の会では、石原氏が橋下氏に謝れと言ったそうです。こうした意見を受けて、橋下氏は都議選の結果次第で、辞めろという声が内部から出てきたら辞めると。とうとう言いました。でも間違ったことは言っていないとも。
しかし、安倍自公政権は、「橋下氏とは別だ」などと、同じ穴のムジナなのに、全く他人事のようです。マスコミもその点を厳しく追及していません。応援団化しています。橋下維新への批判が自民への批判にまで届かないというのが、現局面の実態です。
5.こうした報道のなかで、共産党への支持が、共産党が受け皿となるようにするためには、どうするか、です。「自共対決」論は、躍進した時も掲げました。しかし、どうでしょうか?政権交代を体験した国民意識として、この論法は、相当工夫しないと浸透は難しいのではないでしょうか?何度も裏切られているからです。
6.だからこそ、政治に求める国民の切実な要求である景気(庶民の懐を温める)や雇用(賃金値上げ)、福祉の充実(介護保険料・国保料の値下げ・生活保護の充実・認知症対策の充実)などについて、ハッキリした展望が伝わることと、国民とともにたたかうことが当事者意識を発展させることになるのだと思います。
しかも、共産党が主張する「一点共闘」論を政権交代後にどのように発展させていくか、そこに国民の期待と希望をつなげていくか、です。これは政党の枠組みにとらわれない国民ぐるみの政権枠組み論です。この国民ぐるみの枠組みが政党を変えていくのです。この事例は、官邸前行動です。
また公園の整理に端を発したトルコ民衆のたたかいが労働組合のストへ、そうして政権批判から、政権との交渉へ、そうして政権交代へと発展してきています。ブラジルにおいても、20万人もの民衆が立ち上がっています。今後どのように発展していくか、注目すべきです。
同じことは日本でも起こる可能性は充分あるのです。その点で、共産党の果たす役割は「大」と言えますが、いのちと暮らしを守る国民総決起、列島騒然のたたかいと選挙と政権交代をリンクさせていくべきです。
7.自民に代わる政権、自民のたらい回しの政権か、自民と同じ別物政党によるたらい回しか、或いは国民の切実な要求を根本から改善していく政権か、それには意見の違いを超えて、一致点での政権運営の政権を、こそ、です。民主党政権は反面教師です。
8.こうした展望を示し国民的討論を巻き起こすのです。政党はその後についてくることになるでしょう。それでもいいのです。国民の運動を信頼することです。大阪市長選で、橋下氏当選を阻むために、ゲンパツ稼動論者を支援するために立候補を辞退した経験を活かすべきです。沖縄2区の経験を活かすべきです。
つづく